レガシィ(from北海道)内装パーツ一式 本塗り

legacy11 そしてお待たせしました!北海道からご依頼のレガシィ内装パーツ18点、無事本塗り完了しておりますのでご安心下さい。この部品点数ですからかなり凄いことになっています。

legacy12 ステアリングのマスキングはこんな感じです。

legacy13 マスキングのコツは「テンションを掛けない」が必須なので、曲面に貼る場合は一度に貼ろうとせず小さく刻んでいくのが基本となります。理想としては塗装屋さんが見て「これマスキングで塗ったの?!」ですからね。

legacy16そして本塗り完了です。一気に仕上がっていますがベースコートとクリアーは別に塗っている2コートソリッドです。クリアーは「クリスタルクリアー」をご指定頂いていますしね。

またきわどいマスキングの場合は「塗ったら直ぐに剥がす」が基本で、ただしこの状態で他の物を塗るとスプレーミストがハンドルの皮部分に掛かってしまうのでこのハンドルは最後に塗るようにします。で、塗り終わってスプレーガンを置いたら本当に直ぐ(5秒くらい)でマスキングテープを剥がし始めます。少々リスキーですがそれくらいしないとブツ切りのマスキングは綺麗に仕上がらないんですよね。

legacy14 その他小物もこんな感じで艶々に仕上げています。

legacy15カーボンが張られたパーツに関しては下地処理が甘かった物も何個かあったので本塗りを途中中断して研ぎ直した部品も幾つかあります。実際に色が塗られないと解らなかった物もあるんですよね(クリアーを塗っていない状態であれば再研磨は問題有りませんのでご安心下さい)。

ちなみにエアコン吹き出し口の枠については「○」と「●」のデカール貼り付けがあって、そちらはちょっと別枠で紹介する事にしますのでもう少々御待ち下さい!

レガシィ(from滋賀)内装パネル 完成

legacy15 大変お待たせしました!レガシィの内装パネル4点(組み付けた状態では3点)、「半艶ブラック」で本日完成です。

legacy16 小物入れのパネルは当初もう少し艶があるような状態で、ただどうも違和感のある変な艶具合でしたが、今回の塗装でシットリとした上品な半艶具合に仕上がったかと思います。元の状態とは全然違いますよね。

legacy17エアコンパネルは塗装時は勿論分解していますが、これくらいの分解~組み付けは殆どサービスで対応しております。当然分解出来そうも無い場合(破損する可能性が著しく高い場合)はお断りするか別途専門の方にお願いする事(勿論有償)になりますが、自動車部品であれば比較的分解はし易い構造になっているので大抵は無料で対応出来ます。ただしそれによって生じる破損や紛失、故障などには一切の責任が負えませんのでその点は何卒ご了承下さいませ。

まあ何も経験が無い方に比べれば少しはトラブルが生じる可能性も少ないとは思いますから、そういったくらいにお考え頂ければ大きな問題は無いかと思います。どうぞお気軽にご利用下さい。

それでは後ほど完成のお知らせメール差し上げますね。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!

レガシィ(from北海道)内装パネル 下地処理

legacy18 純正の内装パーツにカーボンを貼って作られていますが、やはりと言うか無理が掛かっている箇所はあります。プラスチックとカーボンとの層間剥離で亀裂が出来てしまっています。

本来であれば一旦剥がしてエポキシ接着剤で固定し直す事が正解ですが、だとすると部品が何個も買えるような金額になってしまうので現実的な内容で修理する事にします。

legacy19jpgひび割れた周辺の塗膜を削り落とし、エポキシサフェーサーを塗ります。ポリパテや通常のサフェーサーだと単に厚みを充填するだけなので上記のようなヒビ割れを抑える効果はありませんが、エポキシ樹脂(ビスフェノールA)の強い3次元網の目構造(架橋ネットワーク)であれば割れた箇所の再発を防ぐ効果はあります。

根本的な修理方法ではありませんが、材料の特性を知っていれば限られた条件の中でもやれる事はあると言うことですかね。少なくとも意味の無い事に時間を割く必要は無くなります(まあそれも必要な事ではありますが)。

ただしエポキシ樹脂の注意点は攪拌不良と硬化させるのに熱をちゃんと掛ける事で、ウレタン樹脂やポリエステルのような感覚で使うと失敗する事も多いです。硬化剤単体(モノマー)だと非常に不安定な状態なので体にも良くありませんから注意が必要です。

レガシィ(from北海道)ステアリング 下地処理

legacy12 問題のステアリングも作業進行しております。問題と言うのはマスキングが上手く貼れるかちょっと心配だったことです。

legacy13塗るのはやはり「カーボン」になった部分で、周りの革(人工皮革)にちゃんとテープが貼れるかが心配でした。良く見ると解かるようにマスキング際は革が入り込んでいるようになっているので貼りにくいんですよね・・・。

ただどうやらこのステアリングの造りは、皮を巻いた後の最後に塗装済みのカーボンプレートを貼ってくっ付けているので(これについてはノーコメントで)、むしろこれのお陰でマスキングはし易いような気がします。本来は皮を最後に巻くのが基本だと思っていましたがどうやら今回の場合は違うようです。

legacy14そしてカーボン部分の足付け処理を行いマスキングも無事完了した状態です。人工皮革だったお陰か比較的マスキングテープもしっかり張り付いてくれたので良い感じに仕上がりました。ただしテープの貼り方はテンションが掛からないように注意し、貼る前には脱脂等のクリーニングも十分に行っておき、時間が経っても簡単には剥がれないようにしておきます。今は良くても本塗り時にテープが浮いたりしたら全く意味がありませんからね。

レガシィ内装パーツ(from滋賀) 本塗り

legacy9 こちらもお待たせしました!丁度ボリュームツマミで半艶クリアーを塗るタイミングだったのでそれに合わせてこちらの「半艶黒」も一緒に本塗りと致します。

semi-clear白く濁っていますが実はこれが「半艶クリアー」です。いつものクリアー同様、主剤と硬化剤を混ぜて使う2液ウレタンクリアーです。比率も同じく2:1ですね。ちなみに上記の画像は以前撮影した物を再利用してます。

使っているガンはいつもと同じくIWATAの低圧ガンで、小物塗装になってからはこれが調子良いです。塗着効率も良く周りに飛ぶミストも少ないので無駄に塗料を使わないんですよね。口径は1.3ミリが常用です。

legacy10半艶黒の場合でもベースコートの黒自体はいつもと同じで、違うのはクリアーだけです。所謂「2コートソリッド」が基本ですね。画像だとちょっと艶が消え始めた状態で微妙な感じですが、ここから徐々に綺麗に艶が引けていって最終的には良い感じの半艶具合になります。

以前使っていた半艶クリアーは安定性がイマイチだったのですが、今採用している塗装システムは非常に安定していて塗装屋としては凄く楽です。以前はちゃんと艶が消えるか本当に心配なケースが多かったので・・・(塗り方で大きく変わり過ぎるのです)。

塗装は信用出来る材料と、お金の掛かった設備(苦)、そして基本的な技術です。応用は経験が無いと出来ませんがこれは最後で大丈夫です。時間を掛ければある程度はカバー出来ますからね。小手先だけのテクニックより実直な仕事の方が結局は良い塗膜が作れると思います。

逆に長く塗装をやっていると変に型が固まって来てしまうので時々は無理やりにでも修整してあげないとなりません。無難な方に行くと致命的なミスは無くなりますが気付かない内に仕上がりのレベルが落ちてしまう気がします。色々な事に気が付かなくなるとか、勘違いをするのとかが一番怖いんですよね・・・。

と言う事で、こちらは完全硬化後に組み付けの作業があるので完成は来週半ばくらいですかね。もう少々お待ち下さいませ!