BMW Fuel Cap

bmw256 BMW純正のフューエルキャップです。オーナー様は以前から当店をご贔屓頂いている方で、今回はお友達も誘って頂き同じ物を2個ご依頼頂きました。

bmw257 元々は樹脂素地の梨地状態で、こちらを一目見てハイオク仕様だと判るようなイエローへの塗装でご依頼となりました。

sti12ご希望されるイメージは、以前当店で施工したこちらのスバル純正フューエルキャップで、これを基に新たにデータを作製します。

bmw249 各ロゴのサイズや配置を確認する為、イメージイラストを作製しました。今回は中央にBMWのロゴマークも入れるよう承っています。

alps2 (1)デカールの作成は専用紙とドライプリンターを使って作製します。

alps1

一般的なインクジェットプリンターと違い、マイクロドライプリンターのプリント方式は昔ながらのインクリボンを使った印刷ですが、これ故に紫外線などでも褪色のしない印刷が可能となります。

bmw317印刷方法はそれぞれの色毎に別けて行います。これが少し面倒ですかね。

bmw321白色は一回刷りだと下地の色(今回はイエロー)が透けてしまう為、二回に重ねて行います。ただし普通に白を二回重ねるとインク同士の密着が悪い為、最初に「特色ホワイト」と下地として印刷し、その上に「ベースドホワイト」を重ねます。

それぞれの白のインクリボンの特徴としては、


【特色ホワイト】

長所・・・他の色と重ねて印刷が可能

短所・・・特色ホワイトを重ねて印刷すると密着が劣る


【ベースドホワイト】

長所・・・特色ホワイトの上に重ねても大丈夫

短所・・・上に色を重ねると密着性が劣る


と言った事が挙げられます。白を三回以上重ねる場合は不明です(私的には耐久性の面で駄目だと思います)。

bmw316 MDプリンターを使った印刷の弱点としてはインクリボン同士の重なりで、当店で使っているプリンターはオーバーホールを行ってそれに関しての対策はしていますが、それでも塗装屋の目で見てしまうと判ってしまう場合があるので、それの対応策の一つとして「印刷位置をわざとずらし、大量に印刷してその中から一番良い物を選ぶ」と言う事で対処しています。

bmw319 色の透け具合は実際に似た色の色見本帳に貼って確認します。

bmw320 ロゴと文字のデカールが完成しました。

bmw297 キャップには彫刻状のBMWロゴがあるので、それを削り落とします。

削って凹んだ分はパテを盛ってラインと整えます。

bmw298 プラスチック表面には火炎処理を行い、プラスチックプライマーを塗ってパテを塗布します。

bmw299 全体を研磨して足付け処理をし、よく脱脂洗浄を行ったら再びプライマーを塗ります。

bmw322 続けてサフェ―サーを塗布します。

bmw325 色は以前施工した時の物を参考に新たに作成します。白・イエロー・オーカーでハイオクをイメージする色にしています。

bmw323 サフェ―サーは60℃40分程の熱を掛けて硬化させ、全体にパラパラと黒を塗ってガイドコートとします。

bmw324当て板を使って#320~#400で空研ぎし、#600~#800の水研ぎで全体をならします。

bmw329サフェーサーにより平滑なラインを形成しました。

bmw330まずはベースコートのイエローを塗り、しっかりと自然乾燥させたらデカールを貼り付けます。

bmw331デカールは専用の接着剤(マークセッター)と、水に水溶接着剤(木工用ボンド)を溶かした物で貼り付けます。

bmw332位置を決め、筆や綿棒を使って扱きます。

bmw333十分に乾燥させます。

bmw334デカールは貼ったそのままだと綺麗ですが、これにクリアーを塗ると厚みの段差がハッキリと現れるので、必要(ご希望)に応じてクリアーは二度塗り(二回分の塗装)を行います。

bmw335クリアーを塗って下塗り完了です。

bmw336とても綺麗に見えますが、

bmw337デカールの段差が判ります。

この後熱を掛けて塗膜が硬化したら再度表面を研磨して平滑にし、もう一度クリアーを塗って本塗り完了となります。

342 一度目のクリアーが完全硬化した状態です。

341 デカールの段差が判ると思います。

343 これを平滑に研磨して、さらに全体に足付け処理を行います。

345後はクリアーを塗るだけと言う所だったのですが、どうせもう一度塗るならと言う事で少し気になっていたBMWロゴ部分の水色の部分も塗る事にしました。

元々こちらはデカールにドライプリンターで「白→シアン」で水色を表現していましたが、この時の少し前にBMW EVO2のMカラー純正の水色を発見していたのでそちらを塗る事にしました。

346こちらがその色となります。

347BMWロゴの水色を塗り、

348再び台にセットして

349クリアーを塗って本塗り完了です。

bmw339熱を掛け、塗膜が完全硬化したら完成となります。

bmw340bmw341クリアーの二度塗りでデカールの段差も感じられません。

bmw342クリアーには耐薬品性・耐溶剤性に優れた「クリスタルクリアー」を使用しています。

bmw343これでガソリンスタンドでハイオク以外を入れられてしまう心配もありませんし、他人(または家族)が給油しても間違える事も防げると思います。

BMWフューエルキャップ塗装 完成

bmw339大変お待たせしました!BMW の純正フューエルキャップの塗装、本日完成となります。

最初の状態も紹介しますね。

bmw256元々はこんな感じで、ザラザラとした素地の未塗装品でした。

bmw340 ベースカラーのイエローはハイオクの色をイメージした塗装で、文字やロゴはデカールで対応しています。またBMWのロゴの水色のみさらに塗装で色味を本物に近づけています。

bmw341 大まかに全体の工程を大まかに紹介しますと、

「ロゴ~デカール作成→・素地調整→既存のロゴ部を研磨除去→プラスチックプライマー塗布パテ塗布→強制乾燥→研磨→プラスチックプライマー塗布→サフェーサー塗布→強制乾燥→研磨→ベースコート塗布→デカール貼り付け→クリアー塗布→強制乾燥→研磨→マスキングシート作成→BMWロゴ水色部塗装→クリアー塗装→強制乾燥」

 

といった感じになります。2液硬化型の材料を使った場合は必ず強制乾燥(60℃20分~40分)を行いますが、その場合は何かしら他の物と一緒に行うようにしてコスト&環境負荷が高くならないようにしています。その分納期は長くなってしまいますがどうかご理解頂ければ幸いです(一気にやれば一週間で出来上がりますが3倍は頂かないと採算が合いませんのでして…)。

bmw344 それにしてもさすがはデカールで、ここまで細い線を塗装で行うのはやはり難しいと思います。

デカールの他には立体物に直接印刷が出来るUVプリンターなどがありますが、今回の場合だと取っ手の段差がありますし、真ん中の丸い蓋の中心にピタリとロゴ位置を合わせるのはかなり難しいと思います(量産ならジグを作れば良いですが2個じゃ採算が合わないですよね)。

bmw343給油の際にキャップにガソリンなどが着いても大丈夫で、汚いウエスなどで拭き取ると無用な傷がついてしまいますのでむしろそちらの方を注意をして頂ければと思います(ウエスを地面に落とすと砂利を絡むので傷が付き易いのです)。

それでは後程完成のお知らせメール差し上げますね。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!

BMWフューエルキャップ クリアー本塗り

342 先日下塗りまでを終えていたBMWの純正フューエルキャップです。十分にクリアーが硬化したので最後の仕上げを行います。

341 下塗り自体は本塗りと変わり無いのでパッと見は綺麗ですが、今回はデカールを使用しているのでその段差が残っていますから、次の下塗りはこれを緩和させる作業となります。

343 当て板を使って#800→#1500と研ぎ付けます。無理に平滑にしようとするとデカールが露出して最初からやり直し…となってしまいますので、一歩手前でストップさせるような感じです。完全にフラットにする場合はさらにもう一度塗装工程を行います(今回はそこまでは行いません)。

344奥が作業前の状態で、手前が足付け処理まで終わった物です。

 

346 そして今回、どうせ塗装するなら!と言う事で、ちょっと気になっていたBMWロゴ部分の水色の部分も塗る事にしました。

元々こちらはデカールにドライプリンターで「白→シアン」で水色を表現していましたが、先日施工したBMW EVO2のMカラーの水色がありますし、またBMWロゴを印刷する為に作成したデータでカッティングシートも作れるのでこれを使わない手は無いと思っていたんですよね。

ちなみにEVO2のお客様からはわざわざ通訳の方(!)を交えて無事到着~お礼のご連絡を頂きました。喜んで頂けて良かったです。

345判り難いと思いますが、上の画像だと水色部分が露出しています。

ロゴをプリントしたデータとマスキングシートをカットしたデータは同じ物なので、かなりピッタリにカット出来ています。

347 既に下地は水色なので、塗装は本当に薄くで大丈夫です。

348 マスキングを剥がし、いよいよ最後のクリアーです。

349 クリアーは通常通り2コート、使っているのは高品位なタイプのクリスタルクリアーです。

350BMWロゴの水色は、言わなければわざわざ塗ったのも判らないと思いますが、これでより本物らしく?なったと思います。

それでは完成次第改めて紹介させて頂きますね。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

BMWフューエルキャップ デカール貼り~下塗り

bmw323 先日サフェーサーを塗布しておいたBMWの純正フューエルキャップです。以前より作業は少しずつ進めていましたが、内容が継接ぎになるのを避けた為、一気に本塗り(実際は下塗り)までの紹介となってしまいました。何卒ご容赦下さいませ。

bmw324 サフェはかなり厚塗りしていますので(問題はありません)、最初は空研ぎ#320~#400でしっかりラインを出してから、その後は#600~の水研ぎで角やペーパー目を均していきます。

bmw325 色は以前施工していた時の物を参考にしました。ハイオクをイメージする明るいイエローです。

bmw329 そして本塗り準備開始です。まずは先ほどのベースコートのイエローを塗布します。

bmw330 イエローを塗り終え、しっかりと自然乾燥させたらいよいよ今回の肝でもあるデカール貼りです。

デカールを貼る際には専用の接着剤(マークセッター)を使いますが(青い蓋の瓶のです)、私的にはそれに木工用ボンドを使うとより強力になると感じているのでいつも併用しています。むしろマークセッターなどが出る前は木工用ボンドが主流だったみたいですけどね。

bmw331 デカールの台紙を剥がす為にトレーに水を張り、木工用ボンドを垂らします。徐々に溶け出すので良い具合の所にデカールを潜らせて接着面に木工用ボンド成分を付着させます。

bmw332 以前までデカールの貼り付けには綿棒を使用していましたが、どこかのサイトに「筆でやると良い」と紹介されていて、まさにその通りでした。デカールを全く傷付ける事なく水を抜けます。

bmw333 と言う訳でデカール貼り付け完了です。ちなみにCAUTIONはどちらも一度貼り終えてから納得出来なくて貼り直しました。貼り付け面が若干曲面になっている為に普通に貼るとどうしても文字が反ったように曲がってしまい、それを意識しながら修正して貼り直しました。

bmw334 ちなみにこの状態だととても平滑に見えますが、実はデカールの段差が凄く残っています。

それを目立たなくする為には文字ギリギリでカットしたりするのですが、今回はデカールの数(場所)が多いのでそれは諦め、クリアーを二度打ち(一旦硬化させてからもう一度クリアーを塗装)する事にしました。

bmw338デカールを貼ったばかりの時はまだ水分が残っているので、一日自然乾燥させるか、家庭用ドライヤーでしっかりと乾燥させます。

bmw335そしてクリアーを塗って本塗り(下塗り)完了です。

bmw336 ちなみに今回は、同じようにデカールを使ったマイク塗装のご依頼品も一緒に施工しています。

そちらは仕上げが「半艶クリアー」で承っていまして、そちらもデカールの段差を目立たなくさせたいのでまずは下塗りとして通常の艶ありクリアーを塗っています。

bmw337中央のBMWのロゴはデカールの段差がフチギリギリになっているので殆ど目立ちませんが、文字の部分はデカールの段差が判ると思います。

これも文字ギリギリにカットしていけばある程度は目立たなく出来ますが、今回は範囲が多いですし同じキャップも二個あるとの事で、熱を掛けて完全硬化させたら表面を研いでもう一度クリアーを塗る事にします。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きますね。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

BMWフューエルキャップ サフェ入れ

bmw297 先日デカールの作成までを終えていたBMWのフューエルキャップです。今回新たに文字を入れる箇所にはBMWの刻印があって、今回それが邪魔になってしまうのでこちらを平滑に仕上げます。

一般的にはここにパテを埋め込んだりしますが、それをすると後で必ずこの跡が出て来ます。

これを止めるには同じ樹脂を溶かして一体化させるか、或いは今回のようにサンダーで彫刻された根の部分まで削り落とします。

bmw298 その後削り落として足りなくなった部分にパテを充填します。樹脂の素材は記載が無いので判らないのですが、触れてみた感色としてはPP(ポリプロピレン)かPA(ポリアミド)のどちらかだと思われます。

これらの樹脂は塗料と同じくパテの密着性も悪いのでプラスチックプライマーを塗りますが、念の為その前に火炎処理も行なっておきます。

ちなみに今使っているポリパテはプラスチックプライマーも必要無いタイプで、ただ私的にそういうのは鵜呑みにしないようにしているので作業工程は普通通りきっちり行なっておきます。

bmw299 鍵を塞ぐ穴の部分はペーパーが入り難いのでいつものようにナイロンブラシとウォッシュコンパウンドで足付け処理を行なっています。

再び全体を火炎処理をしてプラスチックプライマーを塗り、続けてサフェーサーを塗布します。

bmw322ザラザラしていて判りませんでしたが、こちらもかなり凸凹とした成型になっているのでサフェーサーはタップリ塗って後に行う研磨作業で平らにしておきます。その前には勿論熱を掛けて強制乾燥~完全硬化させておきます。

bmw249念の為ですが、完成イメージはこんな感じになる予定です。中央のロゴと各文字は塗装で行なうには細か過ぎる(細すぎる)ので今回は全てデカールを作成して対応します。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きますね。どうぞもう少々お待ち下さいませ!