CORSAIR PCケース アルミ枠 本塗り

二か月程前に下塗りを終えていたCORSAIRパソコンケースのアルミ製枠です。

こちらは2トーンカラーでご指定頂いておりまして、素地のザラザラを平滑にする役目も含め一旦グリーンで下塗りをしていました。

完成のイメージ画像はこんな感じとなります。

 既にクリアーも塗ってあって、この時点での下処理は「表面を軽く研磨」と考えていましたが、どうせならと言う事で硬い当て板を使って#800でしっかり研いでおきました。当然ですが多少なり下地が露出します。

 良く脱脂清掃し、いよいよ本塗り開始です。

まずは再びグリーンのベースコートを塗装します。

この後一時間程自然乾燥させ、

テープフリーな状態になったらマスキングを行います。

今回の塗り分け位置は内側がフチから15ミリ、外側はフチから20ミリの位置でご指定を頂いています。

 幅を決める作業では定規などを使わず、サイズの違うマスキングテープを利用します。

外側は20ミリなので、2ミリのラインテープと18ミリのマスキングテープを合わせて20ミリにするようにします。

 先にガイド用として18ミリのマスキングテープをフチのプレスラインに合わせて貼り、そこに沿って2ミリのラインテープを貼ります。これでフチから20ミリの位置が決まりました。

 続けて内側です。

こちらはフチから15ミリの位置でご指定を頂いておりますので、

 3ミリのラインテープと12ミリのマスキングテープを使います。

 先に12ミリ幅のマスキングテープをフチに合わせて貼り、

 続けて3ミリ幅のラインテープを揃えるようにして貼ります。これでフチから15ミリの位置が決まりました。

 壁の傾斜が垂直では無い為、角で折り曲る度にマスキングテープの角度が変わります。

外側は継ぎ目無くラインテープを貼れたのですが(継いだ個所はクッションゴムが付いて見えない部分です)、内側はこんな感じでテープが重なってしまうのでそこに微妙な隙間が出来てしまい、後に修正が必要となります。

 それぞれのテープの継ぎ目と、その他の部分をマスキングします。

 そしてマスキング作業が完了です。ここで続きは明日に…としたいところですが、被塗面に長時間マスキングテープを貼っておくと色々良く無い事が起こる為、続けてベースコートを塗布します。

 再び台にセットし、2色目の本塗り開始です。

 まずはひっくり返し、裏側から塗り始めます。

 ある程度自然乾燥させたら今度は少し宙に浮かせられる感じで台にセットします。

 見切りラインには極力塗膜を乗せないよう、ラインテープの厚みを利用してベースコートを暈す感じで色を染めて(隠蔽させて)いきます。

 強力なハンディライトを当てて各部がしっかり隠ぺいしているのを確認したらマスキングを剥がします。

 マスキングテープが交差していた個所はこんな感じで塗料が食み出ます。

 これを防ぐ為に厚みの少ない普通の和紙タイププのマスキングテープを使うという手もありますが、シャープな見切りにはやはりPP製のラインテープが好ましいのでこの辺はもう仕方ないですかね。

なので各部修正していきます。

結局谷のプレスライン6か所×2セット全て修正する事になりましたが、良い具合になったと思います。

そしてここまでで一日目が完了です。

 そして本日、クリアーを塗って本塗り完了しました。

 こちらのパーツは横置きだと恒温機には入らない為、一旦赤外線ヒーターで熱を掛けて触っても大丈夫な状態にしてから裏側にネジを取り付け、針金で吊るようにして恒温機に入れて本乾燥を行います。

その後完全硬化後には磨き処理を行い、さらに数日寝かしたらいよいよ組み付け作業となります。いよいよ完成が見えて来ました。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

CORSAIR PCケース シャーシ類本塗り

 先日下塗りを終えたCORSAIRのPCケースです。かなりギリギリですが恒温機に入った為、朝一で熱を掛けてそのまま足付け処理~本塗りまでを行います。

 塗装屋さんなら判ると思いますが、下地等で問題があるような事でなければ再塗装自体はそんなに手間ではありません。シルバーの塗装でムラムラになったボンネットを見て悩むくらいなら塗り直してスッキリしてしまった方が気分が良い、と言うのと同じ感じですかね(気になると何もかもが気に入らなくなる為、DUPONTの時はは3回に一回は塗り直していました)。

 基本的に足付けは空研ぎですが、こちらの天面ネットに関しては水研ぎをします。

 レベリングの良いクリアー(実際は1コートソリッドの2Kエナメル)はその分表面張力でフチが盛り上がる傾向にありますから、二度塗り目の前にこれを平滑に研ぎ出しておきます。

尚、ペーパー掛けの際に下地が露出してしまう個所もありますが、今回はベースコートの黒から塗るので特に問題はありません。懸念するべき事としたら「チヂレ」ですが、一応それも考慮して今回は促進剤も入れています(そういう製品も各メーカーであります)。

 最後は#800スコッチとウォッシュコンパウンドで足付け処理を行います。

ちなみに先日使っていた茶色いスコッチは#320で粗目で、通常あちらはサフェーサー前などの下地処理用で、上塗り前に使うのはこちらのグレーの方です(尚こちらは3Mで他メーカーは色がどうかは判りません)。

右が下塗りを行った元で、左がそれを足付け処理を行った物です。 やはりと言うか、塗っただけの状態では仕上がった肌が悪いのが判ると思います。

 尚、全体に足付け処理はしていますが、一応「上塗りをしてから24時間以内は足付け処理が不要」と言う効果も狙っての翌日本塗り塗装としています。足付け処理をしつつ、任意保険みたいな感じですかね。

 天面フィルターのメッシュカバーは下塗りの時は天地逆でしたが、今回は本塗りなので実際に装着される方向にしています。

 そう考えるとこちらも下塗り時には天地逆にしておけば良かったかも知れませんか…(今気づきましたが、まあ問題ありません)。

 今回は通常通り、ベースコートの黒を塗り、クリアーを塗った2コート仕上げで本塗り完了です。

 ちなみに下塗りではクリアーを使った2コート塗装では無く1コートソリッド(クリアー樹脂に顔料の黒がそのまま入ったタイプの専用塗料=STANDOX VOC2Kエナメル)で塗っています。

1コートソリッドの方が隅々までしっかり色(黒)が入っている為、今回の本塗りはその点では非常に楽でした。

 ケース裏側のパネルは下塗り時に比べて明らかに肌が綺麗に仕上がっています。

 一応チヂレも注意しましたが、促進剤の添加と60℃60分程しっかり熱を掛けたので全く問題無く塗りあがりました。

 こちらも1回目の塗装に比べると断然綺麗に仕上がっています。

 クリアーは全てクリスタルクリアーです。

水研ぎをしておいたお陰で天面のパンチングネットも綺麗に仕上がったと思います。

後残るはフロント&リヤのアルミ枠パネルで、そちらは一旦PANTONEカラーのグリーンで下塗りを終えていますので、既定の部位をマスキングで残し、2トーンカラーの黒を塗って全体にクリアーを塗る予定しています。ようやく終わりが見えて来たという感じですかね。

それではまた作業進行しましたらまた紹介させて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

CORSAIR PCケース 本塗り(下塗り)

 先日素地調整を行っていたCORSAIRのPCケースの部品です。今回はシャーシ(骨格)がメインとなります。

 こちらはケース裏側に取り付けられる拡張ボードの蓋ですね。ペーパーで足付け処理をするのが大変なのでサンドブラストを使いました。

 ケース天面に着くエアーフィルター用のカバーパネルは裏側と表側を別々に塗る予定でしたが、画像のように地面に対して水平の状態で塗れる為、裏と表を一緒に塗装し、その代わり二度塗りをする事に変更しました。ロアグリルを塗った時と同じような感じですね。当然手間は増えますがこの方が確実に綺麗に仕上がりますので。

 こちらはPCケース裏側のパネルです。

 この部品は目立たないので当初より吊るした状態で裏表を塗るだけを予定していましたが、乗り掛かった舟と言う事で(そういう訳でも無いのですが)こちらも今回は本塗りでは無く「下塗り」とする事にしました。その代わり少しやり方を工夫しています。

 こちらは先ほどの裏側のパネルに着くカバーです。ネジは丁度良い物が無かった為(PCケースに使っているネジって一体なんなんでしょう)、一回り細いのを挿して、ネジ山のギザギザを引っかけるような感じで固定しています。裏側も一緒に塗ります。

 そして問題のシャーシです。とても大きく、それでいて非常に塗り難いです。

 まずはウェットオンプライマーを塗布します。上塗り(クリアー)と同様、主剤:硬化剤=2:1ですが、ノンサンディングが基本なので熱を掛けずにそのまま色を塗れます(塗ります)。余程タイミングを外さなければチヂレたりはしません。

 ただしノンサンディング=研がない為、肌を荒らさずに塗る必要があります。

イメージとしては「レベリングの良いサフェーサー」といった感じで、ただその分無理をすると垂れやすかったりもします。

 大量に塗り過ぎるとラウンド(肌)が残ってしまうので、今回は2コート程、ダブルアクションサンダーのペーパー目が埋まればと言う感じです。

最初は一列に並べて塗っていましたが、エアーでズレてしまうので3列に並べ直しました。勉強能力が足りないというか、我ながら救いようがありません。

 そして上塗り完了です。実際は本塗りそのままですが、後日もう一度塗るので今回は「下塗り」と言う定義になります。

 尚、今回の上塗りはいつもの2コート塗装では無く「1コートソリッド」で挑んでいます。

 と言うのも、ここまでガタガタした形の物で隅の隅までしっかり色を入れてクリアーを塗るというのはかなり大変で、なので今回は「色」と「クリアー」を一緒に行える1コートソリッドで行ったと言う訳です。

 1コートソリッドとはクリアー中に顔料(今回の場合は黒)が直接入ったような塗料で、使い方はクリアーと同様、主剤:硬化剤=2:1です(MSハードナーです)。

参考までに、工場一階に置いてある塗料がその1コートソリッド用の原色で、通常使う2コート塗装用のベースコートとは全く違う塗料です。

 ただ今回は下塗りでもあるので、少々変則的に1コートソリッド用の原色黒(MIX412)とクリスタルクリアーを50:50で割っています。

そんな事はマニュアルに書いてありませんが、大丈夫です(業界では結構当たり前の使い方です)。

クリアーで半分に割る意味はズバリ作業性で、1コートソリッドはやはり肌が出来にくいところを(それでもSTANDOXは素晴らしい方です)、クリアーを混ぜればレベリングが良くなるので格段に塗り易くなります。元々はDUPONTのAF101とかAK100(どちらも1コートソリッド用の樹脂)が酷過ぎた為、それの対処方法としてデモマンに教えて貰いました。下にベースコートを塗れば隠蔽に関しては関係無いので半分に薄くなっても問題が無いのです(ベースコートを塗っても何ら問題無く、今回も塗っています)。

 と言う訳で、今回は「下塗り」と言う事で一気にストレスが減りました。時間は余計に掛かりますが、仕上がりは全然変わりますからね。

この後はいつも通り60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させ、再び足付け処理を行って次は本塗りとなります。

どうぞもう少々お待ちくださいませ!

CORSAIR PCケース 下準備

昨日に引き続きCORSAIR PCケースのパーツを下準備しています。

画像はケース天面に着くフィルター部分のカバーで、#180ダブルアクションサンダーで表面を研磨したらパンチングされた穴の断面に足が付くよう粗目のスコッチブライトを当てます。

 シャーシ本体の方も平面部分は出来るだけダブルアクションサンダーを当ててザラザラを取り除きます。

こちらも下地にはウェットオンプライマー(ノンストップフィラー)を使う予定なのでガツンと#120→#180を使います。

 リベットで出っ張った箇所や窪んだ部分はリューターで割れた塗膜を削り落としたり、ステンレス&真鍮のワイヤーブラシを使って研磨~足付け処理を行います。

 サンダーが入らない個所は#240の空研ぎペーパーを手研ぎ&ヘラ研ぎで、最後は#320のスコッチブライトで細部まで足付け処理を行います。

 ケース裏側のパネルには拡張ボードの取り付け部が10か所あって、それの蓋は形が複雑なのでサンドブラストを使って足付け処理を行う事にしました。

 旧塗膜を完全に剥離するのではなく、あくまでも足付け処理程度です。

塗膜を完全に剥離した場合はシンナーで洗い流してしまいますが、塗膜が残っている物でそれをやると塗膜のエッジがチヂレる為、脱脂は通常通りシリコンオフで行います。

ただ一つ一つウェスで拭き取るのは時間が掛かり過ぎますし不確実なので、こういう場合はやはり直接溶剤に浸けて油分を洗い流してしまう方法が便利で確実です。

全ての脱脂が終わったら(脱脂だけでも大変でした…)、各パーツを台にセットし、まずはノンストップフィラーを塗装、続けて上塗りを行います。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

CORSAIR PCケース 下準備

先日サイドパネルとロアグリルの本塗りを終えているCORSAIRのPCケースです。

こちらはまだ手付かずの部品で、シャーシと一緒に本塗りが出来るよう作業進行しております。

 既存の塗膜が思った以上にザラザラなので、当初予定していた「#320で軽く表面を削る程度」の作業を改めて、#120から始めています。

 平面は#120→#180のダブルアクションサンダーで表面を研磨し、機械が使えない個所は#240の手研ぎでネチネチと削っていきます。

さらに細かい部分やペーパーの入り難い個所はステンレスと真鍮のワイヤーブラシと、画像に写っている粗目のスコッチ(#320)で足付け処理を行います。

尚、ここまでの番手を使うとプライマーのみではペーパー目が出てしまいますが、前々回に施工したサイドパネルの裏側を塗装した時と同じく、ノンストッププライマーフィラーを使ったウェット・オン・ウェットで挑む予定です。

尚、細かい部品はサンドブラストを行う予定で、塗装にはまだまだ時間は掛かりそうですが、何とか今週中には色を入れられるようにまでしたいと思います。どうぞもう少々お待ちくださいませ!