LOOKカーボンフレーム&フォーク 本塗り①

look40ようやく諸々の準備が整ったので本塗り開始です。ここまで丁度3か月、予想以上に時間が掛かってしまい大変お待たせ致しました!

look39黒くなっている箇所がダウンチューブで、旧塗膜を全部剥離した上で、カーボン素地を活かす為に「クリアー塗装→完全硬化→研磨」といった工程で下地を作製しています。さらにオーナ様のご要望でカーボンの繊維目を目立たなくさせる為、最後の工程ではスモーク塗装も行っています。ここだけで「研磨→クリアー塗布→完全硬化→研磨」の工程を既に3回行なっています。

look21 各ロゴについては事前にイメージイラストを作製して、サイズや位置などもオーナー様にご確認して頂いています。特に今回はLOOKのロゴを真横から見た時の上下の位置に重点を置いています。

look31さらにプリントアウトした物を実際のフレームに貼り、イメージ通りに出来ているか確認しています。上の画像は実際のフレームの撮影画像とイメージイラストを重ねて見ているところです。

look97そしていよいよ本番です。事前に準備しておいた事を元に、各マスキング位置を決めていきます。

look98実作業になると画面上で見るのとは違い、視点によってズレが生じますから、とにかく真っすぐ貼るだけでも大変です。と言うかそれが一番難しいのではと・・・。

look99 今回のフレームはラグ(チューブパイプ同士をつなぐ部分)の段差があるので、左右のロゴ位置はそれも踏まえて決めています。

こちら側だけを見ると「K」の位置はもっと前方に詰めるべきだと思うのですが、それでは左右のロゴ位置が対象にならないので、先に反対側の「L」の位置を決めてからこちらを合わせています。

look100 左右のロゴを真横から見て同じ高さになっていれば、フレームを上から(実際は下から)見た状態でこのようにロゴが左右対称に見えるようになる筈です。

ただ場合によってはチューブ自体が左右対称で無い事もあるので、そういった時は全体を見て辻褄を合わせていきます(実際そういった事もありました)。

look101 左右「LOOK」のマスキングが出来たらいよいよ本塗り開始です。まずはベースコートですね。

色はロールスロイスのARCTICA(カラーコード:9561001)なる色で、原色の白の他に通常はソリッドカラーではあり得ないマイクロチタンホワイト(STANDOX MIX810、DUPONTだとAM3)が同量くらい入っています)(その他黒も結構入っています。

マイクロチタンホワイト(STANDOXだと色名はエフェクトホワイト)の特性としては、表面で黄色味が出て透かしで青が出ると言う少し変わった顔料で、通常はメタリックかパールに少量使われるだけですが、ここまでの量をしかもソリッドカラーに入れられるのはちょっと普通では無いですよね(勿論供給された配合データ通りで、全く前例が無いという事でもないので品質上の問題はありません)。

look102 途中の画像を取り忘れてしまったのですが、ベースコートの塗り方としてはまずロゴのマスキング周りを避けるように塗布し、無用に膜厚を着けたくは無いマスキング際は、エアーブラシを使って文字の内側から外に塗るようにしてマスキングシートの厚みを庇代わりにして塗っています。

look103 ただそれでも何カ所かはラインにガタが出来てしまっている所があるので、この後はそういった箇所を修正していきます。

look104 マスキングシートは本番用の他に修正用として1枚用意してあって、そこから切り取って修正する箇所に貼っていきます。

look105 修正したい箇所にカットしたマスキングシートを貼り、ピンポイントでスプレーしていきます。

画像だとマスキングシートの厚みを利用して「左から右」の方向にスプレーしますから、色が左方向に色が飛ぶ事はありませんのでマスキングはこれのみで大丈夫です。

look106 こんな感じでガタガタだった箇所が修正できます。

look107ベースコートの段階で付いたゴミはペーパーを使っての中研ぎで除去しますが、その際に出た研ぎ粉などはこういった不織布に粘着物質が付いたタッククロスなどを使って行います。

塗膜に完全に埋まり切っていない毛ホコリなどもこれで軽く擦れば取れたりもして、塗装には必要不可欠な副資材です。

次はフロントチューブのLOOKのロゴと、いよいよフルカラーのLOOKロゴ&クリアー塗装となります。もう少々お待ちくださいませ!

LOOKカーボンフレーム&フォーク 下準備

look88 先日足付け処理を行なったLOOKのカーボンフレームです。

ワイヤーガイド(アウター受け)の隙間が気になったのでここだけ埋めておく事にしました。

look89 一応ああいった部品はいつか外す可能性があるので隙間を埋めるのは接着剤では無く、こういった変性シリコンシーラー(実際は変性シリコーンシーラー)を使います。自動車の塗装で隙間を埋める時に使うアレですね。ちなみにヌルヌルとしたシリコーンシーラーを使うと塗装が確実に剥がれてしまうので絶対にNGです。

look90 隙間に詰めるようにして、

look91 拭き取るとこんな感じです。時間が経って完全に固まってしまうと今度は塗料がくっ付かなくなるので注意が必要です。本塗りを行う当日か、前日の最終って感じですかね。

look92 その他ロゴ位置などを再確認しておきます。この作業は既に以前行っていますが結構時間が空いてしまっているので、本塗り前にもう一度再確認しておきます。本塗り中にアタフタしたくは無いんですよね。

look93シートポストを差し込む箇所はそのままにしておこうと思ったのですが、結局気になったのでここも塗っておく事にしました。白が食み出ているのが気になって気になって・・・。

look94ここはシートポストを固定するバンドが着く箇所なので膜厚を着けるとグニュっとなりますから、ベースコートの黒のみを極薄膜で塗っておきました。もしかしたらバンドの隙間から見えてしまっていたかも知れませんしね。

look95先ほど黒く塗った部分をマスキングし、セッティング完了です。

look96ブース内にはマスキングシートや寸法図、ロゴの配置の参考となるイメージイラストなどを準備しておきます。

既に本塗りは開始していまして、ただ数日に掛けて作業をしていますので続きはまた後日改めて紹介します(とても大変なのです・・・)。どうぞもう少々お待ち下さいませ!

LOOKカーボンフレーム 下準備

look77体の調子がようやく良くなって来ましたのでいよいよLOOKのカーボンフレーム&フォークの作業を再開しています。

ゴールデンウィーク前から腕が痛くて上がらなかったのですが、原因はどうやら頚椎(首)だったらしく、ギックリ腰ならぬギックリ背中かと思いきや、実はギックリ首だった!と言う事です。先日の鍼治療でようやく回復の兆しが見られるようになりました。

上の画像はゴールデンウィーク前に塗った「下塗りクリアー」で、元々ダウンチューブのみを塗る予定だったのですが、どうせならと言う事でフレームに塗っています。

look81ようやくそれで下地が整ったので、その後ダウンチューブ部分にスモーク塗装を行っています。ここまでがゴールデンウィーク前までの作業ですね。

look85そして全体の足付け処理を行いました。かなり遠回りしていますが、ようやくこれで上塗りをする為の準備が整ったという感じです。もう車のオールペン並みに時間が掛かってしまっているような気が・・・。

look3そして現在はこちらのロゴを入れる為の準備を行なっています。

元々はデカールですが今回はこれを塗装で行う予定で、マスキングシートは既に出来ているので色を用意していました。

look6各色は予めフレームに入っていたデカールとシールから近似色を選んでいますが、実際に色を作ってみたらどうやらグレーの色ブレが強い模様です。

上の画像は最初の頃に確認している時の物で、こうやって見るとRAL9002の色で悪くは無いのですが・・・

look86 ちょっと判り難いのですが、LOOKのロゴシールの下に指で塗ってあるのが先ほどのグレーです。

間違えてその上のRAL9001を作ってしまったのかと思いきやそうでは無く、ちょっとこれは酷過ぎるんじゃ・・・と言う事で改めて違う色を探す事にしました。

look87と言う訳で改めてRAL7035のグレーを採用する事にしました。シールのグレーに比べると黒味が強いですが、今回フレームに塗る白はシールの枠にある白程に白くは無いので、多少グレーの方の黒味を強くしておいた方がハッキリして良いと思った次第です。

それではまた作業進行しましたら紹介しますね。もう少々お待ち下さいませ!

LOOKカーボンフレーム 下塗りスモーク

look84 先日フレーム全体にクリアーの下塗りを行なっていたLOOKのカーボンフレームです。未だ下準備の状態ですが、いよいよ上塗り工程に入って来ました。

今回のフレームでは全体を白で承っていますが、ダウンチューブに入れる「LOOK」のロゴはカーボン地を活かした「抜き」でご指定を頂いておりまして、しかもそれをカーボン地そのままでは無く「スモーク」で表現します。

look80先日塗ったクリアーを再度平滑に研ぎ出し、ラグの段差の「山」の部分で見切ってマスキングしています。またアウター受け部分に膜厚が付くのが嫌なので今回もここはマスキングしてあります。

スモーク濃度については、

「カーボンの地の色だと、黄ばんだような色に見えるのがキライなので、スモークは濃いめで、光の当たり方で少しカーボン柄が見える程度が希望です。少し青っぽく見えても素敵かなと思っています。」

といった内容で御希望を承っておりまして、実は一旦はベースコートに「青」も入れてみたのですが、考えてみれば土台のなる色が黒に近いのでここに色相を加えても意味が無い事に気づきました。フレーム自体が透明か、或いはシルバーや白など光を反射する色であればその上に塗る透過性の塗装の意味が出てきますが、そうでなければ何色を塗っても殆ど無意味なのです。私もうっかりしていました(勿論塗る前に気付いています)。

look81と言う訳でベースコートに透明な黒を塗り、クリアーを塗って下塗り完了です。工程自体は本塗りとは変わりありません。

look82 カーボンの所だけを見ても余り変わった事が判りませんが、端のサフェーサーが塗ってあった箇所が白からグレーに変わっているのが判ると思います。

look83現状ではチューブ全体で見えるのでカーボン柄だと判り易いですが、最終的にこれが残るのは「LOOK」のロゴ部分だけなので、パッと見は単なる黒に、そこがカーボン地になっているなんて殆ど判らなくなると思います。

これでようやく下地がある程度出来て来ました。次は再度全体を研磨して足付け処理を行い、各ロゴのマスキングシートの準備、内容の再確認を行ないます。

本塗りはまた少し先になると思いますがどうぞもう暫くお待ち下さいませ!

LOOKカーボンフレーム クリアー下塗り

look74 先日サフェ研ぎを行っていたLOOKのカーボンフレームです。今回はダウンチューブのカーボン素地部分に二度目のクリアー下塗りを行なうのですが、どうせならと言うことでフレーム全体に下塗りクリアーを塗る事にしました。

look73 ダウンチューブを養生しているのは再びアルミ素地が露出した箇所にプライマーを塗る為です。先日もこれは行なっていますが、サフェ研ぎの際にペーパーが当たって各部でアルミ素地が露出しているので再度スポット的に塗っておきます。

look75 ここもサフェーサーを塗る前にプライマーを塗っていますが、激しいサフェ研ぎではどうしても角にペーパーが当たって素地が露出してしまうので再塗装は必要です。

look76 この辺のアルミパーツも角は下地が露出していたりするのでスポット的にプライマーを塗っておきます。

look77 そしてダウンチューブのマスキングを剥がし、全体にクリアーを塗って下塗り完了です。

ちなみに下塗りと言っても工程は本塗りを変わりは無く、単にベースコートを塗っていないだけの事です。艶が出る事で研ぎ難かった箇所の確認も出来ますし、また少し粗いペーパー目(新品の耐水#800)も埋まってくれるので本塗りの仕上がりも向上します。

ただシャープさが損なわれるのは嫌だったので、チューブ部分はクリアーを3コート、それ以外の箇所は1コートのみとしています。

look78 最初に塗ったクリアーはかなり研ぎ付けたのでラインは良い感じになりました。

ワイヤーガイド(受け)はクリアーが乗り過ぎるのが嫌だったのでマスキングしています。

look79艶が出た事で細かい箇所の確認も出来、心配していたラグ周りも研ぎスジなどは無く綺麗に研げていました。

この後クリアーが完全硬化したらダウンチューブ部分にスモークを塗り、再度クリアーを塗ります。このクリアーはダウンチューブ両端のラグの切れ目(山の部分)で見切るのでフレーム全体には塗りません。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きますね。もう少々お待ち下さいませ!