LOOKカーボンフレーム&フォーク サフェ研ぎ

look63 先日サフェーサーを塗布していたLOOKのカーボンフレーム(とフォーク)です。サフェーサーが完全硬化後、全体を研いで平滑にします。

look66まずは研ぎ易いチューブ部分を、当て板を使って#320で平滑なラインにします。硬い当て板を使うとカクカクとしたラインになりますが最初はそれでOKです。

look68 ラグがグレーっぽくなっているのはフレーム全体に黒をパラパラと塗った為で、これを目安に研ぎ作業を行っていきます。所謂「ガイドコート」です。

ちなみにラインを出す為のサフェ研ぎでは素手そのままでペーパー掛けをする事は無く、何かしら硬い物を当てて研ぎ出します。画像はヘラを使っていますが最初は木片を使って研いでいて、ただラグ周りは角度が付いているので板が入らず、最後の(ライン出しの)仕上げにヘラの薄い部分を使って奥までペーパーを当てています。

look67 ブラインドナット周りは黒っぽくガイドコートが残っている部分が低い箇所で、無理にそこを研ぐようなやり方では無く、全体の(高い箇所)を削ってラインを平滑にしていきます。ただ構造上ここはある程度の歪みは残ってしまうので(ブラインドナットは打ち込んでそれ自体を広げて固定してある為に周りにかなりの力が生じます)、違和感の無い緩やかなラインにするような感じですかね。

look69こんな感じでまずはチューブ部分の研ぎが完了です。と言ってもこの時点ではまだライン出しなので#320で、これを段階的に番手を細かくしていき、最終的には#1200くらいの目に均していきます。

look72空研ぎ#800までの作業が完了したら、細部のラインを水研ぎで整えつつ、さらにペーパー目を均します。水研ぎ#800~#1200で、緩やかな谷のラインなどは角の立たない布製の研磨副資材(アシレックス)を使います。

look71ペーパーの入り難いワイヤーガイド(アウター)などはナイロンブラシとウォッシュコンパウンドで、ペーパー掛けの代わりとして細かい傷を付けておきます(足付け処理の事です)。

今回のようにラグがあるとこのサフェ研ぎ作業が実に厄介で、手間もそうですが神経もかなり使います。さらに今回はアウター受けやブラインドナットも付けた状態なので(中に落ちた破片が回収出来ないので仕方ないのです)とにかく時間が掛かりました。

ただこれでもちょっと不安なところがありますので、今回はさらに少し作業を追加する予定です。ここまでやっておけば大丈夫だと思うのですが、まあ任意保険みたいな感じですかね。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きます。どうぞもう少々お待ち下さいませ!

LOOKカーボンフレーム&フォーク サフェ入れ

look58 先日ダウンチューブに塗っておいた下塗りクリアーを#320→#400で研ぎ、続けて他の部分にサフェーサーを塗布します。

look59 今度は前回の逆に、ダウンチューブ部をマスキングしてその他の部分にサフェーサーを塗ります。

look60 フォークは全面カーボンになりましたが、一応ホイールナット(って言わ無いかも知れませんが)が着く箇所は最初と同じように塗装はしないようにします。

look61 サフェーサーの前に、金属(アルミ)部分にプライマーを塗っておきます。

look62 プライマーは金属以外の部分、フレーム全体に塗ってしまっても構わないのですが、これは金属用の物なので余り意味は無く普通はしません。かといって金属部分以外に掛かっても害はありませんので、こんな感じ適当塗って大丈夫です。ただし塗り過ぎたりドライコートにするとその後の密着性が悪くなるので、余計な事はせず薄く丁寧に塗ればOKです。

look63 その後全体にウレタンサフェーサーを5コートくらい塗ってサフェ入れ完了です。5コートも!と思うかも知れませんが、後に殆ど削り落としてしまうので気にされなくて大丈夫です。

look64 LOOKのロゴをスモーククリアー抜きにするダウンチューブにはとりあえずサフェーサーは塗らないようにしていますが、継ぎ目周りが気になったのでそこだけ最後にサフェーサーが掛かるようにしておきました。

ちなみにダウンチューブに塗った下塗りのクリアーを研いでみた感じでは、そのままスモークを塗るのはちょっと不安だったので(取り切れない巣穴が何個かありました)、もう一度下塗りのクリアーを塗る予定です。またはちょっとだけスモークも入れてみるかも知れませんが、何にしてもいきなりスモークは塗らない方向で考えています。

look65この後熱を掛けて完全硬化させて数日寝かし、その間にテールランプ関係の作業を進める予定です。どうぞもう少々お待ち下さいませ!

LOOKカーボンフレーム 下塗り

look51先日旧塗膜の剥離を終えていたLOOKのカーボンフレームです。素地調整を終えたので、ダウンチューブのクリアー下塗りを行いました。

look21ダウンチューブに入れる「LOOK」のロゴは黒では無くカーボン地を活かしたスモーク仕上げなので、この部分にはサフェーサーを入れられませんから、今回はまずダウンチューブのみをクリアーで下塗りを行います。本当はここでスモークが出来れば1工程省けるのですが、やはりと言うかそうしないでよかったです。

look52ちなみにダウンチューブには今回外せないアウターとブラインドナット(ボトルゲージを固定するボルトの固定穴)の二箇所が残っていて、それらの素材はアルミで、旧塗膜はサンドブラストで剥がされていますので、まずはこちらにプライマーを塗っておきます。

look53こちらがブラインドナットですね。ピッタリマスキングする必要も無かったのですが、まあその方が気持ち良いかと思いまして。

look54まずはこんな感じでプライマーを塗布します。

look55その後ダウンチューブに貼ってあったマスキングを剥がします。

look56そしてクリアーを塗布します。先ほどプライマーを塗ったアウターも一緒に塗ってしまいます。見た目的に何か違和感がありますが全く問題ありませんのでご安心下さいませ。

look57やはりと言うか全体的に巣穴があったので画像のようにハジキのような箇所が100個くらいあります。ただ根まで貫通しているのは30箇所くらいなので、それらはクリアーを筆指して埋めておき、次に塗るスモーク塗装でもそれが下塗りになるので大丈夫だと思います。ダウンチューブに関しては「クリアー塗装→完全硬化」の工程は都合3回行うことになりますので、中々手間と時間(と費用)が掛かってしまいます。どうか御理解下さいませ。

次の工程としては、ダウンチューブ以外の箇所にサフェーサーを塗布する予定です。クリアーを完全硬化させて寝かしてからとなりますので少し時間が空くかも知れませんが(早いとチヂレる可能性がありますので・・・)どうぞもう少々お待ち下さいませ!

 

LOOKカーボンフレーム&フォーク ブラスト処理

look45 旧塗膜の剥離はほぼ完了し、あとはペーパーで処理出来ない箇所の作業となります。

look46 全ての塗膜を剥がす必要は無いのですが(下地はしっかりしています)、最後に塗ってあるクリアーがどうやら足付け処理をしないまま塗ってあるようなので、とにかくその層は全部剥がします。

ちなみに前回も紹介しましたが、ワイヤーガイド(アウター)に関しては今回はわざと外していませんので念の為(外せない訳では無く色々理由があるのでして)。

look47 ブラストボックスの中に入れ、アウターやリヤホイールを固定する箇所にサンドブラストを掛けて塗装を剥がします。

look48 こんな感じで旧塗膜を剥がしました。

look49 フチやラグの溝などに若干旧塗膜は残っていますが、下地自体はちゃんと密着していますので問題ありません。新車塗膜としては十分よく出来ています。それだけに・・・。

ちなみに以前、カーボンチューブとクロモリラグの組み合わせのフレーム&フォークを塗装ご依頼頂いた時は、ラグ周りの剥離もあったのでそちらはサンドブラスト屋さんに御願いしました。今回はアウターだけだったのでそんなに手間では無く、当店で行ってしまったという感じですね。そもそもここまで剥がすつもりも無かった訳でして・・・。

look50と言う訳でこれで剥離作業は完了となります。

次は通常サフェーサー(とアルミの部分はプライマー)となるのですが、今回はダウンチューブに入れる「LOOK」のロゴをカーボン抜きで(カーボン素地を活かしたクリアー塗装です)、しかもそこは若干のスモークを入れるのでちょっと複雑になります。

現状画像だと比較的綺麗な素地に見えますが、やはり巣穴などはあるのでそのままスモークに行くと穴の周りに表面張力で塗料が溜まり、そこだけスモークが濃くなるという事態になる可能性があります。もしかしたらならないかも知れませんが、通常の隠蔽する塗装と違って、スモーク塗装を含む透過性のキャンディーカラーは最後までその影響が残ってしまうので、念には念を入れて一旦下塗りクリアーを行い(ダウンチューブのみ)、完全硬化したらもう一度同じように今度はスモーク塗装で仕上げます。

そしてダウンチューブが艶々のスモーク仕上げになったら今度はそこ以外の箇所にサフェーサーを塗布します。

とりあえずそこまでは来週中に何とかして、その後二週間くらいじっくり寝かしたいと思います。どうぞもう少々お待ち下さいませ!

LOOKカーボンフレーム&フォーク 旧塗膜剥離(二日目)

look44 先日に引き続きLOOKのカーボンフレームとフォークの旧塗膜剥離作業を行っています。こちらはフロントフォークですね。

look43 ちなみに通常フォークの先端には出っ張りがありますが、今回のフォークはそちらが既に削り取られたような状態でした。一応その跡は残っていますのでこの辺は研ぎ過ぎ無いように注意して削っています。

look39フレームの方は昨日までに#120のダブルアクションサンダーで粗研ぎを行っていましたが、今日はさらに手研ぎで細部まで塗膜を落とし、さらに全体を#180→#240で均しています。

ここまでやるつもりは無かったのですが、結局殆どの塗膜を削ってしまいました。折角なので最初に重量を測っておけばよかったですね。以前施工したcannodaleのカーボンフレームを参考にすると多分80グラムくらいは削れたのでは無いでしょうか(結局また塗装はするのでトータル的に軽くなる訳では無いのですが)。

look40カーボンフレームの場合は旧塗膜の剥離に溶剤やサンドブラストは使えませんが(どちらも素材にダメージが・・・)、全て手作業で行うと言う訳では無く、とにかくエアーツールを駆使します。

ちなみにカーボン素材は切削性が良い為、シングルアクション系のサンダーでは削り過ぎてしまいますから仕様するエアーツールはダブルアクションサンダーか、ギアーサンダーとなります。唯一使っているシングルアクション系のツールとしては、穴の中の塗装を削る為のリューターですね。

look41ラグの谷の部分にはヘラにペーパーを貼って削り、穴の中はリューターの先の砥石にペーパーを巻いて使います。

ペーパーは裏側に糊が付いているので当て板やヘラにそのまま貼り付ける事が出来、また手研ぎでも指にくっ付くので使い易いです。

look42イメージ的には硬い方が削れ難い感じがしますが、実際のところは硬い為が切削性が良い場合があり、カーボンフレームなどはサンダーで削ろうと思えば幾らでも削れてしまうので注意が必要です。サンドブラストの場合も柔らかい物には全然効かないのに、陶器などに当てると簡単に穴が空いてしまう!と言うような感じですかね。

ちなみにシートチューブ周りのラグは塗膜の密着が甘い部分があったので一応全部剥がしておきました。継ぎ目の部分には若干残っていますが全く問題ありませんのでご安心下さい。

ボトムブラケット周りのラグは多少塗膜が残っていますが、こちらはしっかりしていますので無理に剥がす必要もありませんからこれ以上は行いません。元々剥がれていた一層目のクリアーは全て剥がしてあります。

と言うか全体的にここまで剥がす必要は無かったのですが、やってもいないで「大丈夫」と言うのも何か嘘っぽい感じがしたので、一応やるだけやってからそう説明したかった次第です。

この後はワイヤーガイド(アウター)に残った塗膜をサンドブラストで除去し、その後まずはダウンチューブをクリアーで下塗りし(そこはカーボン地を活かした文字抜きですので)、そして全体にサフェーサー(とアルミ部分にはプライマー)を塗る予定です。

そこまで行けば一旦寝かしとして休憩となりますので、その他のご依頼品を進行させる予定です。来週半ばまではこちらに付きっきりになると思いますがどうぞもう少々お待ち下さいませ!