レンズ系透過性塗装 下準備

 次回の透過性塗装のターンで本塗り予定のレンズ系パーツ一式です。順番的にはデリカD5のテールランプ&ガーニッシュ一式を入れる筈だったのですが、そちらは数が多い事、また内容も複雑(赤色を揃えないといけない)といた事から、次回のターンにさせて頂きました。何卒ご容赦頂ければと思います。

代わりにこちらはちょっと早いのですが、ヴァンガードのテールランプを入れさせて頂きました。

 と言う訳で、まずは清掃作業です。こちらは先日お預りしておりましたカワサキZX-14Rのウィンカーで、中に埃が入らないよう目止めを行います。

 泥汚れを水とブラシで洗い流します。ちなみに実際に作業して気が付いたのですが、こちらのZX-14Rのウィンカーは、レンズ下部にある水抜き穴が大きく、巻き上げられた泥がそこから中に入ってしまっている!と言う事で、この後結局中も水で洗い流しました。一般的なテールランプは内部が袋状になっていたりするので内部を洗ったりはしませんが、今回のウィンカーは構造が単純だったのが幸いでした。しかし目止めのマスキングは全く意味が無かったという(笑)。

 その他のパーツも綺麗にしておきます。

 コンプレッサー(&エアードライヤー)の上にある排気口からは廃熱の温風が出て来るので、その上に置いておくと中までしっかり乾燥してくれます(同じく、気温の低いこの時期は、本塗り前にクリアーを入れたスプレーガンをそこに置いておくと粘度が下がって塗り易くなります)。

こちらは先日ミラーと一緒にお預りしたバイク用のスクリーンパネルです。

上部についてたゴムモールは接着剤で固定されていたので、ドライヤーで温めて剥がします。

表側は塗装するのでペーパーで削り落とし、取り付けは接着剤では無く両面テープを使おうと思います。

 スクリーンパネルのような一枚物のレンズは、そのまま普通にマスキングをしてしまうと塗っている時にどれくらいの濃度が判らなくなってしまいますから、半分に反射フィルムを、もう半分は透明なフィルム(粘着糊の弱いカッティングシート用のアプリケーションシート)を貼り付けます。今回はミラーウィンカーとも濃さを合わせないといけないのでいつも以上に気を遣います。

 アルミフィルムの上に養生紙を重ね、フチまでマスキングを行います。

 こうする事で2パターンの濃さが判りますから、本塗りをしながら目指すスモーク濃度に近づけられる事が可能になります。いざ本塗りが始まってしまうとどうにもならないので、保険に保険を重ねていくような感じですかね(こういった事もありスクリーンパネルのスモーク塗装はテールランプ等に比べると高めの設定となっております)。

ミラーウィンカーの方は分解が可能でしたが、取り付ける土台部分は反射板では無く黒(今回の塗装では黒メタリック)になる為、先ほどのスクリーンのように反射フィルムを貼り付ける必要はなく、ただしLEDの基盤が反射板の役割を担っているところもあるので、これを着けた状態で塗装する事にしました。中に塗料ミストが入らないようマスキングをした上でLED基板を取り付け、さらにマスキングを行います。

 そしてこちらは先日お預りしておりましたカワサキZ1用の社外品ウィンカー&テールレンズです。

こちらもやはりテールとウィンカーで濃さを合わせたいので、ウィンカーの方は反射フィルムを二通りにして貼る事にしました。

 右側がレンズの裏側にピッタリ近づけて反射フィルムを貼った物で、左側はレンズから離した状態(実際の反射板に近い感じ)にした物です。同じレンズでもフィルムの位置(貼り方)でスモークの濃さが違って見える為、本塗りをしながらスモーク濃度の調整・確認がし易くなります。

こちらは先日お預りしておりましたNCロードスター用のフロントウィンカーとサイドマーカーです。

画像のサイドマーカーはフチにメッキの枠が着いているので、傷が付かないよう足付け処理の前にマスキングをしておきます(本塗りの前にはまた貼り直します)。

 ZX-14Rのウィンカーレンズも裏から反射フィルムを貼っておきます。こちらはオレンジ&スモークですね。

まずはこのような感じでマスキング作業が完了です。今回は数が少なく見えますが実際には7案件、22個と多めになっております。

一番最初にお預りしたV-MAXのテールランプからその後は結構間が空いていたのですが、ここ2週間くらいで一気にレンズ系のご依頼が入ったので、(V-MAXのテールランプの方以外は・・・)比較的早めに本塗りの順番が来ています。

それでは作業進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

MAZDA MX-5 Side Marker

マツダNDロードスター用の純正サイドマーカーです。画像は作業前の状態で、今回紹介する物と違う案件の物ですが、製品自体は同じ物となります。

土台の部分をマスキングし、表面に足付け処理を行っています。

シリコンオフを使って被塗面を脱脂し、プラスチックプライマーを塗ったらそれぞれレッドキャンディー、オレンジキャンディーのベースコートを塗って最後にクリアーをコーティングしています。

形は似ていますが、フロント用の物がオレンジ、

リヤ側をレッドキャンディーで承っています。

透過性の塗装(キャンディー塗装)は通常の塗装に比べて退色し易い為、クリアーには耐候性の良いタイプの物(現在はSTANDOXクリスタルクリアー)を使用しています。

塗装後には60℃40分程の熱を掛けて強制乾燥ー完全硬化させ、数日寝かした後に完成となります。

 その後オーナー様から組み付け後の画像とコメントを頂きましたので紹介させて頂きます。

先週、完成したフューエルキャップは届いていたのですが、完全に硬化するまで少し置いた方がよいとアドバイスいただいていましたので本日取り付けいたしました。
前回同様、素晴らしい仕上がりなので純正品として準備されていると言っても誰も疑わないのではないかと思います。
以前、pro-fit日記でコメントしていたとおり、実際の使用では普段はだれからも見えませんし、給油も多くて2回程。しかも、セルフで行うことがほとんどなので自分以外にこの部品を見る人はいないのですが… ^^;

報告が遅れましたが、以前作業をお願いしたサイドマーカーも取り付けしてから1年程経過していますが、もちろん劣化することなく綺麗な状態で維持できています。

サイドマーカーの後にご依頼頂いたのがこちらのフューエルキャップで、やはりマツダの純正品を塗装した物となります。以下ページに施工内容を紹介しておりますので宜しければご参考にどうぞ。

Mazda Fuel Cap

NDロードスター サイドマーカー一式塗装承ってます

road229 少し前に到着しておりましたマツダの新型NDロードスターのウィンカーとリフレクターレンズ(反射板)一式です。この度のご依頼、誠に有難う御座います!

ただし今回の反射板はオーナー様自ら光るように改造された「サイドマーカー」の仕様で、またウィンカーのレンズも透明なタイプに変更されています。

road230 今回のご依頼はこれらのレンズをボディカラーと似たような「青」への塗装で、一応色味の確認としてタッチペンもご用意頂くという周到ぶりです。

road237ウィンカーは元々中が見えないレンズだったらしいのですが、わざわざ社外品からレンズを取り外して(と言うよりは剥ぎ取って)接着加工されています。凄いですね・・・。

road231 ただこのレンズをブルーに塗ってしまうと多分発光色は「グリーン」になってしまうと思うので、今回はそこまでならないオレンジに光るギリギリまでのブルーに留めておきます。なのでかなり薄くはなりますかね。ちなみに経年で褪色が懸念されますがそれも御了承済みです。

road232 そしてこちらが元リフレクターレンズで、今は灯火するようになったサイドマーカーです。統一する為に以後こちらは「サイドマーカー」と呼ばせて頂きますね。

ただこちらのサイドマーカーはレンズの構造上、赤のLEDを灯火してもかなり暗くて、とてもじゃないですがこれにブルーを塗ったら紫にしかならないのでは・・・。と言う現状でした。

road233 が、その後オーナー様が強力なタイプのLED球を手配して頂きまして(手前の如何にもと言うのがそうです。笑)、お陰で最初よりは断然光量を確保する事が出来ました。

road234 ちょっと判り難いのですが、手前の方が強力なLED球です。肉眼で見ると全然違いますのでご安心下さい。

road235 そしてこちらはオレンジ色の方(フロント?)です。これはLEDの光量がよく判りますよね。手前が強力なタイプです。

road236 照明を落として撮影してみるとその光量の差は明確です。いやー、安心しました。

ただ実際に塗ってみてどう光るのかと言うのは非常に微妙で、正直それは無理でしょう・・・と言うことだったのですが、オーナー様的に費用はある程度掛かってでも・・・!と言う事で(何だか最近そういう方ばかりなのです)、今回は特別に「通電しながら本塗り」と言う方法で試してみたいと思います。いやはや、一体どうなる事やら・・・(と言いつつ結構楽しみでもあるのですが)。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きますね。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!