NSXヘッドカバー結晶塗装 本塗り

nsx12こちらもお待たせしました!ホンダNSXのヘッドカバーは無事本塗り完了しておりますので御安心ください。

上の画像はマスキング風景で、塗装屋さんなら判ると思いますが「窪んだ丸」の部分はマスキングが面倒ですよね?なのでここは予めカットしておいたマスキングシートを使います。画像にあるように20mmから各サイズを1ミリ刻みで作っているので穴のサイズにあった箇所にそれらを選んで貼っていけば良いのです。これならわざわざパソコンでデータを作らなくても良いのですが、オイルキャップが付く部分など規格外(笑)の箇所もあるので結局カット作業は行っているのですが・・・。それでも作業時間の短縮にはなります。

nsx8そして本塗り準備完了です。ちなみにマスキング前にはリン酸で処理しています。またマグネシウムは酸が強いと反応が激しいので水で薄めた物を利用します。じゃないと水素(多分)が沢山発生して危ないのです(凄いですよ)。

nsx9そしてプライマーを塗布します。尚マグネシムの場合には耐蝕性の高いエポキシ形のプライマーをお勧めしています(重防錆仕様)。勿論強制では無いのですが、長く乗られる予定であれば御利用頂ければと思います。 ちなみに今回はそのプライマーの使用となりまして、いつもとは違う妙な艶があるのが判ると思います。エポキシ系って感じがしますよね(マニアック過ぎますか)。

nsx10そして本塗り完了です。この時点ではかなり精神的に余裕が無いのでいつもは撮影していないのですが、実は先にBMWインマニの方を塗っていて、そちらはサイズが大きいのでまだこちらを焼く事が出来なく待っているのでその間に撮影しておきました。

見ての通りかなりの膜厚を付けているのが判ると思いますが、結晶塗装はこれくらい塗らないとはっきりとした結晶目が出ないのでこの辺が難しい所でしょうか。通常の塗装と違って何回かに分けて塗る訳にも行きませんから一度に膜厚を乗せるのは結構なハイリスクな訳で、それ故に何個かに一回は失敗してシンナーで洗い流して最初からやり直し、なんて事もよくあります。「だったらそこまで危ない事をしなければいいんじゃないの?」と思われそうですが、この辺で楽をすると恐らく仕事が無くなってしまうので出来る内に色々とやっておきたいんですよね。雇われていたらそんな事も出来ませんし(塗り直しなんてしていたら怒られてしまいますよ)。

nsx11そして本塗り完了です。あれがこれになるなんてちょっと信じられない気がしますがそういう塗料なのですよ。凄いですよね。

ただ塗り方にムラがあったり(膜厚の違い)、塗り足りなかったりすると綺麗な結晶目は出てくれません。上面はどうしても塗り過ぎてしまう傾向にありますから、その辺を意識して塗り方を調整し、全体が満遍なく同じ膜厚になるように塗るのが均一な結晶目に仕上がるコツだと思います。

さらに結晶塗装が難しいのは「焼きあがって初めて仕上がりが判る」と言う事で、出来上がった結晶目を見ても塗っていた時の事を覚えていなければ次には繋がらないのです。この辺りはどうしても回数をこなさないと判らない所でもありまして、自身かなり昔に塗った結晶塗装のヘッドカバーが手元にありますが、今それを見るととても見れた物ではありません(苦)。当時は「塗れば勝手にチヂレる塗料」と勘違いしていたのです(間違いではありませんが実は大きな間違いでした)。

それでは完成次第改めて紹介させて頂きますね。もう少々お待ちくださいませ!

HONDA NSXヘッドカバー 素地調整

nsx5溶剤槽に浸け込んでおいたNSXのヘッドカバーは大分旧塗膜が取れてくれました。

nsx4 ただワイヤーブラシが入らないような細かい箇所にはまだ残っています。強力な剥離剤と違ってシンナー漬け置きだけではどうしてもこの辺は力不足なんですよね。ただこの方法だと無用な廃棄物は発生しませんから私的には気に入っています。あの刺激物は極力使いたくも捨てたくもありませんので・・・。

nsx7と言う事で最後にサンドブラストをかけます。どの道未塗装部分(プラグホールやボルト穴周り)には腐食も発生していたのでそれも一緒に処理しておきます。

nsx6 意外と簡単そうに処理出来ている感じがしますが、私が使っているブラストは吸い上げ式で、ブラスト専門店が使うような強力な「直圧」ではありませんからこれだけでも結構時間が掛かります。「塗装ごと剥がしちゃえば」なんて事をしようとすると一個だけでも数時間掛かってしまいますから最初にある程度塗膜を剥がしておく事が必要なのです。

ちなみに腐食が激しかったり、この方法では時間が掛かり過ぎると感じた時(コストを掛けても良い時)はいつものサンドブラスト専門店にお願いしてしまうので特に今はこの設備で問題ありません。直圧となると機器への負担も大きいのでランニングコストが大変になりますからね。ちなみに先日紹介した腐食のひどいランチアデルタのヘッドカバーは現在そのブラスト専門店に行ってます。専門的な事はその道のプロにお願いしてしまう方が確実ですので。

本塗りのタイミングはもう少し後ですのでとりあえずこの状態で、塗装する当日になったらリン酸で処理してからのスタートとなります。進行しましたらまた紹介しますね。もう少々お待ちくださいませ!

NSXヘッドカバー 旧塗膜剥離

nsx3元々は黒の結晶塗装でその上に赤が塗られていたNSXのヘッドカバーですが、一週間程度溶剤槽に浸け込んでおいたのである程度の塗膜は剥がれてくれました。と言っても単に浸けていただけでは無く途中何度か出しては画像のようにワイヤーブラシで擦って塗膜が剥がれるきっかけを作ってあげています。傷があるとそこから溶剤が浸透し易くなるので比較的剥がれるのが早くなるのです。基本ですね。

もう数日浸けておけば細部まで綺麗に取れると思いますのでどうぞもう少々お待ちくださいませ。同時にBMWのサージタンクも一緒に塗る予定で、そちらは現在アルカリ洗浄槽に漬け込まれています。

NSXヘッドカバー 洗浄後

nsx2先日アルカリ洗浄槽に漬け置きをしておいたNSXのヘッドカバーです。オイル汚れが落ちましたので各部確認して次は溶剤槽に漬け置きとなります。

ちなみにオーナー様より御希望頂いている色はこの色を参考にするのでは無く、「本来の純正のような赤」との事ですのでそれを想定して色を決めたいと思います。となるとこの色は純正の塗装では無いようですね。

現在想定している色は、同じくホンダのインテグラなどのヘッドカバーに採用されている結晶塗装の赤の色をと考えております。朱色っぽく無くドス黒くも無く「血のような赤」といった所ですかね。

ちなみに結晶塗装はこれの他に「CBR250」の物と「ジムニー」の物がありまして、それと一緒にと思いましたがちょっと間に合わなそうですので、先にこれら二個を先行して塗りたいと思います。作業効率的には3セット程度と考えていたのですが、ちょっと前に大変な失敗をしてしまったので全体的に余裕を持ってやろうと考え直しました。ちなみにそちらは既にオーナー様とお話しておりますので他の方は「もしかして俺のか?!」と思われなくて大丈夫です(笑)。どうぞ御安心下さい。

それではどうぞもう少々お待ち下さいませ!

(メガネフレーム二個もそろそろ始まりますのでこちらももう少しお待ち下さいね)

 

NSXヘッドカバー 結晶塗装承ってます

nsx こちらもお待たせしました!ホンダNSXのヘッドカバーです。V6エンジンなので二個で1台分といった所でしょうか(多分そうだとは思いますが車に詳しい訳ではありませんので)。

nsx1現状としては上に塗られた赤の結晶塗装が剥がれて何故か下から黒の結晶塗装が出ています。塗り方(マスキングのやり方)としては純正の塗り方に見えるので恐らく新車時からこうなのだと思います。まあ意外と普通で、私がディーラー在籍時に新車補修をした車両は5回塗りなおされている物もありました。まあ国産車でそれは無いと思いますが外車は結構ありがちな話で業界では結構普通の事ですので。

現在オイル洗浄の為アルカリ洗浄液に浸け置き中です。一週間くらいしたら一旦上げて洗浄~乾燥させ、その後旧塗膜剥離の為に溶剤槽に一週間~二週間ほど浸け置きします。

ご依頼内容としては現状の赤またはこれより鮮やかな感じでとなっております。了解しました。

それではまた作業進行しましたら紹介させて頂きます。改めましてこの度のご依頼、誠にありがとう御座います!