RB26→RB28タイミングベルトカバー凸文字加工&塗装承ってます

先日到着しておりましたスカイラインGT-R RB26エンジン用タイミングベルトカバーです。この度のご依頼、誠に有難う御座います!

塗装の御依頼を頂いたのはこちらの黒いタイミングベルトカバーで、

いつものようにこちらの「6」を削り落とし、新たに「8」の凸文字への加工を承っております。

アルミ素地の腐食も発生していますので、下地処理にはサンドブラスト作業(軽め)も承りました。

こちらのタイミングベルトカバーは色の見本用にお預かりした物です。

塗色は恐らく「ミレニアムジェイドメタリック」(JW0)と思われますが詳細は不明で、今回はこちらの色に合わせての調色作業(有料)も承りました。

参考までに以前施工した同型部品の画像を紹介します。

こちらも元々は「RB26」だった物で、今回と同じ様に元々塗られている塗色=この時は紫系パールの艶消し塗装に合わせて調色作業を行いました。RB26のタイミングベルトカバーの加工&塗装は色々やっていますが、艶消し塗装は割り増し費用が必要な為、この時が一番高額となっています。

他にはRB30仕様なども行っていて、こちらはその後アメリカのラスベガスにまで渡っていたようです。

とにかく今年はこのタイミングベルトカバー施工の御依頼が多く、業者様からの御依頼で紹介していない案件も幾つかありますが、今回の物で7個目くらいになるかと思います。二カ月に一個は塗っている感じだったのですね・・・。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!

RB26→RB28タイミングベルトカバー 調色

先日到着しておりました日産GT-R用RB26エンジンのプラグカバーです。現在施工中の同車タイミングベルトカバーの色見本として送って頂きました。

色はR35GT-Rに採用されている日産純正色「アルティメイトシャイニーオレンジ」(カラーコード:EBG)で、これに関してはメーカーから配布されている配合データもありますが、今回はさらに調色作業(有料)も承りました。

今までの一般的な調色方法としては、メーカーから配布されている配合データから色を作って実車(見本)と照らし合わせて調整を行う方法がありますが、今回は珍しく平面部分があったので、測色機=アクワイヤーを使って配合データを出してみる事にしました。

ただ使うのが余りにも久しぶり過ぎてソフトの使用期限が切れていた事に気が付かず、困ってデモマンの方に連絡したところ、緊急の対応方法を教えて頂き無事使えました!

カメラで読み込んだ画像を基に修正が行われた配合データを使って塗料を作成します。

ちなみに自動車のボディ色であれば各塗料メーカーからその配合データは配布されていますが、塗料の原色はメーカー毎に違っている為、今回のように予め再塗装されていた物だとしても同じ色が出来るとは限りません。と言うより同じ色になる事はまず無いです。

さらには実車の色も車体毎に色ブレは生じていて、以前作成しておいた色でも、同じ車種なのに今回の車両とでは全く違う!なんて事も普通にあります。

バイクのパニアケースやフロントグリル等であれば多少の色ブレがあっても目立ちませんが、例えば四輪車のドアを交換した場合はそれだけを塗ると隣接するパネル=フロントフェンダーとリヤクォーターパネルとの色違いが目立ってしまいますから、調色作業をした上でさらにどちらのパネルにもベースコート(色)のボカシ作業(塗装)を行うのは基本的な作業だったりします。コストを極力抑えたいという実費作業ならブロック塗装を行う事もあり得ますが、保険作業でわざわざボカシ無しで1パネルのみの塗装にする事は普通しないですよね(勿論メリットよりデメリットが上回る場合は何とかしてブロック塗りを行う場合もありますが)。

と言う事で今回は測色機を使えたのでちょっと安心していた所もあったのですが、やはりと言うかブロック塗りとなると(タイミングベルトカバーだけの塗装となると)全ての方向=正面&斜め&透かし全てを合わせようとするのは難しく、結局かなりの時間を要してしまいました。

配合データそのままだと正面で見た時のメタリック感=MIX895のオレンジメタリックが強く、それを抑える為にその他の原色=主にマルーン系を増やし、

さらに斜めの角度で正面の黒さを出しつつ、透かしの透明感のある白さを出す為にフリップコントローラー=MIX008を使って調整を行いました。

尚ベースコートだけだと艶が無いので色の確認が出来ませんから、途中まではシリコンオフをスプレーして色味を確認していますが(缶スプレータイプの艶出し剤と同じです)、ある程度のところまで来たら実際にクリアー(硬化剤は入れず主剤とシンナーのみ)を塗って色味を確認します。

完全とは言いませんが、配合データそのままに比べると大分良くなったと思いますので、こちらを本塗りに使おうと思います。

ちなみに調色で作った塗料は0.03L程度なのでこれでは足りず、なのでこれとは別に下塗り用を配合データそのままで作り、最初にこれで完全隠蔽してから調色して作った色を最後の2コートに使います。小物の塗装の場合、塗料を無駄に余らせても使い道が限られますから、出来るだけ無駄を無くす為ですね(それにしても塗料の高騰が止まりません…)。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

RB26→RB28タイミングベルトカバー サフェ入れ

先日アルミ板から切り出した「8」を取り付けておいた日産GT-R用RB26エンジンタイミングベルトカバーです。

「8」の厚みは3mmで、このままだとこれだけ出っ張ってしまっていますから、

#120で研磨して高さを合わせます。ちなみに土台自体がカーブしているので「8」は同じ厚みでは無く、右側が少し分厚い感じになります。

フチに筆塗りしたエポキシプライマーサーフェサーを研磨します。刷毛目の段差を均しつつ、足付け処理を行うといった感じですね。

その後よく脱脂清掃し、台にセットします。

サンドブラストしたのに汚く見えるのは、その後行ったリン酸処理による物です。

裏側もリン酸処理してあります。サンドブラストだけで十分ではありますが、洗浄を兼ねているところもあります。

ついでに私物(バイクのトップブリッジのネジ)もプライマーを塗らせて頂く事にしました。買ったのが4月で、本体は既に結晶塗装をしてありますが、こちらはようやくプライマー塗装まで漕ぎつけました。どうしても自分の事は後回しになってしまいますね…。

まずは裏側にプライマーを塗布し、

続けて表側にもプライマーを塗布します。

プライマーは金属と塗料とを密着させる事と、腐食(錆)を防止する効果があります。

続けてサーフェサーを塗布します。

サフェ自体にもプライマーの効果はありますが(プラサフ=プライマーサーフェサー)、厳密にはそれだけではプライマーの効果が低いので、サフェの前にそれを単体で塗るようにしています。ディーラーの内製工場(一応メーカーの集中センター正社員)で働いていた時はこんな事はせず直接サフェを塗っていて、その後ISOを取得する為と、塗料メーカー(当時はDUPONT)のライフタイムワランティー(塗膜永久保証)のプログラムに参加して「プライマーは必須」と言う事を習いましたが、結局採算性優先の状況&個人で責任を負わない状況では、誰もそんな事をしていなかったのが現状でした(特にその後社内外注さんが入って来て、さらに効率優先の姿勢が顕著になりました)。

 

その後独立して全ての責任を私一人で負うようになると、自然と「どうやったら問題なく長持ちする塗膜をつくれるか」と言う事を考えるようになりました。今の時代では当然だと思いますが、昔は足付け処理とかしないまま(安易に密着剤を使って)塗装するような場面が結構よく見られたんですよね。

サフェはこの後の研ぎでライン出しを行う役目があるので、しっかりウェットコートで5回程塗り重ねました。一度に厚く塗るとトラブルが起こるので、コート毎に15分程度のフラッシュオフタイム(コート間の乾燥時間)を設け、1時間以上掛けて塗っています(雇われの身だったらこういった小物にサフェを塗るだけで1時間以上掛けていたらクビになるか相当な陰口を言われていると思います)。

この後は一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

RB26→RB28タイミングベルトカバー 凸文字取り付け

先日旧塗膜を剥離しておいた日産GT-R用RB26エンジンタイミングベルトカバーです。

表面の素地には腐食があり、裏面には溶剤では取り切れなかった塗膜が残っているので、

それらをサンドブラストで除去します。

一度出来た腐食は浸食されたその根元の奥に残る為、サンダーを使っての表層だけの研磨だと残った腐食が後から再発する可能性が高いのでNGです。

その後リン酸処理を行います。また新たに取り付けるこちらの「8」も一緒に行います。

その後良く乾燥させ、接着剤を塗布します。

使用するのは3M社のDP460 オフホワイトで、「優れた強度と高い耐衝撃性、耐疲労性を備え、厳しい接着条件を満たすことができます。多くの用途でボルトやビス、ネジ、リベット、スポット溶接の代わりに使用することができます」といった優秀な接着剤となります。

出来るだけ強く抑えたいのですがズレると大変な事になるので、細いマスキングテープを上からそっと落とすようにして貼っていき、数を重ねて圧力をかけていきます。

その後60℃30分程の熱を掛けて硬化を促進させます。冷めるとカッターでは歯が立たなくなってしまうので、熱々で柔らかい内に、

食み出た部分を除去します。

「折角隙間が埋まっているのに勿体なくね?」と思うかも知れませんが、固まってしまうと切削性も非常に悪くなるので(アルミの方が削れてしまうので)、大丈夫そうな感じでも余分はしっかり除去しておきます。

その後は改めてエポキシサフェをフチに塗っておきます。こちらもビスフェノールA型なので通常のサーフェサー(ウレタン系)に比べると切削性は悪いですが、削れない事は無いのでまだマシなのです。「だったらここはウレタンサフェで良くね?」と思うかも知れませんが(しつこくてすいません…)、当店ではアルミに直接ウレタンサーフェサーは塗らないので、それ単体で防錆効果が高く且つ厚塗りが出来るエポキシ系サーフェサーを使っています。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

RB26→RB28タイミングベルトカバー 旧塗膜剥離

先日お預かりしておりました日産GT-R用RB26エンジンタイミングベルトカバーです。その後アルカリ洗浄槽に浸け置きし、溶剤槽に沈めておきました。

それからおよそ一か月経った状態です。

ワイヤーブラシで軽く擦る感じで大体の塗膜は剥がせました。

塗膜の下から出てきたアルミ素地は全体に腐食が見られるので、恐らくは何もせずそのまま艶消し黒か何かの塗装を塗られていたのだと思います。ちなみに旧塗膜は溶剤では溶けなかったのでラッカーでは無く、焼き付けまたは2液ウレタンだと思います。

今回はRB26の「6」の凸文字を「8」への変更で承っておりますので、まずはグラインダーの砥石を使って粗研ぎします。

続けて#120のシングルサンダーで残りを削り落とします。

ただシングルだと綺麗に削ったように見えて実は凸凹なので、

その後#120のダブルアクションサンダー&当て板 を使ってラインを整えます。

新たに取り付ける「8」は金属加工屋さんにデータを送って作って貰っていますが、やはりと言うかレーザーカットだとバリとかが残っているのでそれを整え、またテーパーを意識して周りを削っておきます。

この後サンドブラストとリン酸処理を行ったら構造用エポキシ接着剤を使ってこの「8」を固定します。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!