日産S20ヘッドカバー 下塗り

先日サーフェサーを塗っておいたKPGC10型スカイラインGT-R(ハコスカ)のヘッドカバーです。その後60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させ、ガイドコートとして黒のベースコートをパラパラと塗っておきました。

研ぎ作業はとても長く辛い作業なので、体に負担が掛からないよう時間がある時にゆっくり行いました。また今回は「下塗り」を行う事にして、研ぎ作業を大幅に軽減する事にしました。コストは上がりますがもはや仕方ありません。

鋳造製品は歪があるので、まずは#320から始めて粗研ぎを行います。

その後#400→#600→#800→#1000→#1200→#1500といった感じで全体を研いでいく訳ですが(実際は布状研磨副資材を使ってもう少し省略します)、これを少しの研ぎ残しも無く隅々まで行おうとすると骨が折れるので(私の頚椎が大変な事になるので)、今回は#400まででストップとします。

その後凸部を#80→#120で粗研ぎし、表面の腐食と歪を取っておきます。

 全体をよく脱脂清掃します。

フィンの部分(凸部)は後でまた削り落しますが、面倒なので簡単にマスキングをしてあります。

 そしてベースコートの黒→クリアーを塗って下塗りが完了です。

一回多めに塗装を行う事で時間は余計に掛かりますが、この方が体への負担は低く済みます。

また艶が出ると歪や深いペーパー目(スジ目)がよく判るので、さらに仕上がりが良くなります。この後は#800で細かいラインを修正し、#1000~#1500で目消し、足付け処理を行います。

ちなみに今回ご指定頂いている色は日産純正の「ミッドナイトパープルⅡ」(カラーコード:LV49)で、

こちらは見る角度で色が変わるクロマフレア顔料が使用されている為、既存の塗料(STANDOX原色)では色を作る事が出来ず、パッケージでの注文となります。現在、メーカー(STANDOX)にお願いして作って貰っているところです(海外からやって来るのでしょうか)。

クロマフレア顔料については以下の記事が判り易いかと思いますので宜しければご参照くださいませ。マジョーラにも使われている米国の顔料ですね。

特種塗料と言うかクロマフレア顔料

当然お値段も凄い事になる訳ですが、どうしてもという事で今回材料費もご負担頂いて対応をさせて頂いております。通常はお受付出来ませんのでご了承くださいませ。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

日産S20ヘッドカバー 下準備

いつもご贔屓を頂いている業者様から、二か月くらい前にお預かりしておりました日産スカイライン(ハコスカ)用のS20エンジンヘッドカバーです。ご承諾を頂いたので紹介をさせて頂きます。

現状はグレーの結晶塗装が施されていますが、もはやチヂレ目と言うより干ばつで出来た地割れのような状態になっています。

熱を入れるタイミングが遅かったか、使用期限を切れた塗料を使ったのではないでしょうか(ここまで酷くは無いですがこういった兆候が出た場合はやり直しています)。

  以前ご依頼を頂いたTOYOTA2000GTのボスに塗られた結晶塗装も凄かったですが、これで完成として出せる精神力が羨ましい限りです。

と言う訳で、その後アルカリ洗浄槽、溶剤槽に浸け置きをして旧塗膜を剥離しました。

前回の塗装はこの状態からそのまま上塗りを行われた筈ですが(なので塗装が密着していなく剥がれています)、

 マスキングをしてブラストボックスに入れ、

 サンドブラスト(軽め)を行いました。

その後凸部を#80→#120で粗研ぎし、

リン酸処理→洗浄を行いました。表面が黒っぽくなっているのは不働態被膜が出来ているからで、これだけでも一応は防錆効果があるのですが空気に触れていると劣化してしまうので、

その上にプライマーを塗り、サーフェサーを塗っておきます。

鉄にメッキが掛かった金属はそれ自体で防錆処理はされている訳ですが、屋外に置いておくと錆が発生するのはメッキが薄かったり気孔を水分(水蒸気)が通ってしまうからです。

その場合は屋外でも耐えら得るメッキ層にするか、その上に塗装を施す事で腐食は防げます。塗装の主な役割は「美観」「識別」「保護」となりますが、元々塗られていた塗装はその役目をどれも果たしていなかったのではと・・・。

この後は一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。

尚、ご依頼内容は日産純正色の「ミッドナイトパープルⅡ」(カラーコード:LV4)で、艶あり仕上げで承っております。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

NISSAN GT-R(KPGC10) S20 Engine Cover

 いつもの業者様からご依頼を頂いていた、日産スカイラインGT-R(KPGC10)のS20ヘッドカバーです。

 現状は濃いグレーの結晶塗装が施されていて、ただしその後使った痕はありません。

 オイルキャップのネジ山まで塗られているという、中々男前な仕様です(使っている内に塗膜片が中に落ちて行くのでは・・・)。

 この型のヘッドカバーとしてはあるあるの、端のネジ穴部分が折れて溶接されています。

この部分の表側には、塗装を剥がした後に凸凹のビード跡が出て来たので、エポキシパテで均しておきました。

 塗膜を剥離後、サンドブラスト処理(軽め)を行います。

その後リン酸処理→プライマー→サフェーサーを塗布し、表面を研磨します。

当て板の入らない細かい部分は、2ミリ~3ミリ厚のアクリル板を使って平らに研いでいきます。番手は#320→#400となります。

 その後はいつもだったら#600→#800まで仕上げるのですが、今回は腐食による浸食痕などが目立った為、

一旦艶ありの黒で全面を下塗りとしました。サフェ作業も行っていますが、さらに2度塗りも行います。

 その後熱を掛けて塗膜を硬化させた後、同じように今度は#600~#800で水研ぎを行います。

 浸食されていた部分は凹んでいる為、その都度拾いパテ(ラッカーパテ)で埋めるのが大変だったので、代わりにクリアーを塗ってしまおう、と言う作戦です。また#320~#400のペーパー目の目消しにもなります。

 艶のある所が研いでいない部分で、艶が消えている個所は全て当て板(主にアクリル板)とペーパーを使って研いだ部分です。

 その後凸部を#120→#180で荒砥ぎしておきます。今回既に一度研磨(塗装)されて凸文字部が薄くなってしまっていたので、エアーツール(ダブルアクションサンダー)は使わず全て手研ぎで行っています(この辺の作業が体に良くなかった為か、その後調子が悪くなってしまったので、ヘッドカバーの艶あり塗装は当面これを最後の仕事とさせて頂く事にしました)。

そしてスコッチとナイロンブラシとウォッシュコンパウンドを使って足付け処理を行います。

そして本塗り完了です。

(今回は掲載する予定では無かったので途中画像が余り無く、作業内容はかなり飛んでいます)。

色はスカイラインHR31 1987年 GTS-R(800台限定)の「ブルーイッシュブラック」(カラーコード:BG8)となります。黒に見えますが濃紺で、パールやメタリックは入っていないソリッドカラーとなります。

 その後熱を入れて塗膜を硬化させ、さらに数日寝かしたら完成となります。

 凸部を研磨した個所は最終#800仕上げとなります。

 アルミ素地を出している凸部分には多少腐食が残っています(黒い点々状の個所)。

シングルサンダーを使ってもっと削ればこれらも取り除けますが、部分的に削ると歪むのでその場合は全体的に、ただそうすると「2000」と「NISSAN」の文字部がさらに薄くなってしまうのでここまでに留めておきました。

 この部分が折れていた部分です。ポリエステルパテは熱に弱いので使わず、エポキシ接着剤(3Mパネルボンド)のみで成型しています。

 オイルキャップのネジ山部分にあった塗膜も取り除いておきました。

今回のヘッドカバーは梨地では無いのですが、プラグホールとプラグホールの間に凹みや歪があるので、平滑にする為の下地処理(サフェ研ぎ)が必須となります。単に塗るだけでこういった仕上りにはなりませんのでご注意下さいませ。

 今回のような作業は身体への負担が大きい為、現在はお受付を停止させて頂いております。

ただし一部のヘッドカバーは対応している物もありますので、詳しくはこちらの業務連絡のお知らせをご確認くださいませ。

日産S20ヘッドカバー塗装 完成

 大変お待たせしました!日産スカイラインGT-R(KPGC10)のS20ヘッドカバー塗装、本日完成となります。

最初の状態も紹介しますね。

元々はグレーの半艶に再塗装されていた物を、

旧塗膜の剥離~サンドブラスト処理を行い、

「プライマー塗布→サフェーサー塗布→完全硬化→研磨」といった下地処理を行って下地を平滑にし、

 艶々の仕上りにしました。

 色は色はスバルの「ダークグレー」(カラーコード:61K)でご指定頂き、クリアーは高品位なタイプの「クリスタルクリアー」への変更で承りました。

 ヘッドカバーの向きを反対に変えました。

 こういった部品の場合は「当時と同じ様に」といったご要望が多い気がしますが、これらのヘッドカバーが着く車両(ハコスカ)はそういった事を既にやりきってしまわれたようで、今回のように「艶々に」といったご依頼は結構多いです(ただし費用も大きくなるのでご依頼に至るケースは稀です)。

 原色の中では一番粗いメタリック(MIX598)が使われている為、近くで見るとメタリックの荒々しさを感じられます。

 艶が出ると粗が余計に目立つので、鋳造製品をそのまま塗ってもこのようには仕上りません。特にこの型のヘッドカバーはプラグホールとプラグホールとの間に「凹み」があって、それがそのまま残ると格好悪いです。

現在同じように、ランエボ(マグネシウム製)のヘッドカバーと、ランエボⅩの樹脂製ヘッドカバーも「艶々」でご依頼を頂いておりまして、マグ製の方は初のキャンディーピンク塗装で、こちらも業者様からのご承諾を頂けましたので後日紹介したいと思います。

それでは後程完成のお知らせメールを差し上げますね。この度も当店をご利用頂き誠に有難う御座いました!

S20ヘッドカバー 本塗り

 先日サフェ研ぎまでを終わらせておいた日産ハコスカ用のS20エンジンヘッドカバーです。最終脱脂処理を行い、いよいよ本塗りとなります。

 サフェ研ぎの際にはアルミ素地が露出している個所もあるので再びプライマーを塗布します。これは部分的にでも構わないのですが、サフェーサーの上に重なっても問題は無いので全体に塗ってしまいます。ただし肌を荒らすと仕上りに影響が出る為(艶引け)、全体に塗るのは1コートのみとしています。

最初は様子を見る為に適当なベースコート(今回はメルセデスのブルーブラック)を塗り、色が着く事で素地の粗が判りますから、そこからさらに研ぎ作業を行います。ここからが結構長い作業となります(今回で2時間程)。

 研ぎ痕などを除去したら、ご指定頂いた塗色(スバル「ダークグレー」61K)を塗りベースコートが完了です。

 ベースコートを十分に乾燥させたら凸部の周りをマスキングし、研磨します。

 番手は#240から始め、最終#1300相当で仕上げます。

 アルミ素地を光らせる際にはペーパーは新しい物を使う必要がある為(パテや塗装の研ぎと違って傷が残り易いのです)、本塗り中にも関わらず色々と物が溢れます。

 研磨した際の研ぎ粉はエアーブローだけでは落ちないので、タッククロス(不織布に粘着剤が塗布された塗装作業専用の物)を併用して塗装面をクリーニングし、アルミ素地が露出した個所には密着剤を塗って、最後にクリアーを2コート塗ったら本塗り完了です。お待たせしました!

 アルミ素地の個所は塗装後に研磨して光らせるという方法でも良いのですが、腐食して曇っていくなら多少でもそれを遅らせられればと言う事でクリアーを塗っています。クリアー自体に防錆効果はありませんのでご注意下さい。

この後は一晩以上自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を強制乾燥させます。

それでは完成次第改めて紹介をさせていただきますね。どうぞもう少々お待ちくださいませ!