NISSAN S20ヘッドカバー結晶塗装 完成

s2016 大変お待たせしました!昨年よりお預かりしておりましたスカイラインGT-R(KPGC10)のS20ヘッドカバー、本日完成となります。

s206最初にあった塗膜はどうも結晶塗装では模様で、見た目は悪いですが未補修の物ですから塗装屋としては上物と感じます。中には削り過ぎて凸文字が薄くなってしまっている物もありますからね

s2017 色は濃い目のグリーンで、初期の頃に某レストア屋さんからよくご依頼を頂いていた色です。当時は3個同時に塗っていたりしたので普通の自動車部品かと思いきや後で聞いたらかなり貴重な物らしく、以前間借りしていた工場の社長さんも昔ハコスカに乗っていたらしいのですが、「どうして君の所にこんなにこれが集まるのか全く意味が判らない」みたいな事を言っていました。うーん、なるほど(笑)。

s2018作業で気をつけている事は凸文字をむやみに削らない事で、塗装は何度でも塗りなおす事が出来ますが、削った凸部はもう元に戻らないので、必要最小限に留めるようにしています。もう個人の都合でどうにかして良い車と言うか部品では無くなって来ていると思うので、凸部の厚みも極力後世に残せればと思っています(少しズレている感は否めませんが)。

s2020ちょっと写し方の問題で真っ青になってしまっていますが、結晶目は近くで見るとこんな感じになっています。この後は整備屋さんで組み付けをされるらしいので、是非評価伺ってみて下さいませ(と言ってもそちらのショップさんも当店がいつもご贔屓頂いているところなのですが。笑)。

それでは後ほど完成のお知らせメール差し上げますね。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!

NISSAN S20ヘッドカバー 凸部研磨

s2014 先週本塗りを終えていた日産ハコスカのヘッドカバーです。画像はまだ作業前ですが、フィンの部分は予めマスキングをしておいたので素地のアルミが出ています。ただしこれはサンドブラスト処理された状態ですので、ここもこれから削って光らせます。

本日は週明けで、事務的な業務が色々あって一日殆どデスクワークになってしまったのですが、せめて何かしら現場作業を・・・と言うことで、途中でこれだけ何とか作業していました。

s2015素地の表面は腐食によってボツボツと侵食されていますから、最初は#120のシングルサンダーである程度削ります。ただここで余りやり過ぎると角ばかりを削ってしまうので程々にし、その後はダブルアクションサンダーを使って平滑に削り、#180からは当て板を使って手研ぎで行います。

最終的に#800まで使って光らせたらよくエアーブローして清掃し、最後にクリアーを筆塗りして完成です。クリアーはいつもの2液ウレタンなので硬化するのに時間が掛かりますから、念のため3日程度寝かして木曜日くらいには発送出来る予定です。

どうぞもう少々お待ち下さいませ!

NISSAN S20ヘッドカバー 結晶塗装 本塗り

s209 先日サンドブラスト屋さんより戻って来ておりましたスカイラインGT-R(KPGC10)のS20エンジンカバーです。本塗りはもう少し先を予定していたのですが、本日は(一応)休日と言うことで時間的に余裕があったので本塗りを行いました。

ちなみにブラスト屋さんから戻って来た時は乾燥剤と一緒にラッピングされているので、作業着手のその日まで開封はしません。折角綺麗に一皮剥いて貰ったのに酸化させてしまったら勿体無いですからね。

s2010 リン酸処理を行い、綺麗に洗浄~乾燥させたら各部をマスキングします。塗装後に面研する凸部も、多少なり後で作業が楽になるように適当にマスキングしてあります。

s2011 今回は「重防錆仕様」で承っていますので、使用するプライマーは浸透型エポキシプライマーとなっています。プライマーでこんな艶が出るのってエポキシ系くらいですよね。

s2012 色は「濃い緑」と言う事で、昔レストア業者様からご依頼頂いてよく塗っていた色を採用しています。黒・青・オレンジ・白の結晶塗料を混ぜて作っています。画像は既に熱を掛けて結晶目が出た状態です。

s2013日産のFJエンジンとこのS20のアルミはとにかく硬くて、最後に面研して鏡面状に光らせるのがかなり大変です。かといって機械研ぎ(サンダー)を使うと角だけが減って余計に凸を削ってしまうのでそれを使うのは最初だけで、あとは殆ど手研ぎで1時間くらい掛けて削ります。これに比べるとフェラーリとかアルファとかのイタ車のアルミはもっと柔らかいんですが、一体何故でしょう・・・。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きますね。どうぞもう少々お待ち下さいませ!

NISSAN SKYLINE GT-R Eengine Cover

s2095年前くらいに施工したKPGC10型スカイラインGT-RのS20ヘッドカバーです(一緒に写っているカブのは今回は関係がありません)。結晶塗装では無く、「艶々で」といったご依頼になっています。

ヘッドカバーで結晶結晶じゃないのは珍しいのですが、とある方面からは何故か人気が絶大で、私的な見解としては恐らくもう他にやるところが無いのでは・・・(完全にレストアをやりきってしまった)と思っています。

s208既に塗られていた結晶塗装は新車時の物では無くその後再塗装された塗膜だと思うのですが、プライマー(金属用)が塗られていなかったので経年でペリペリと剥がれてしまいます。そこを新車時の塗装に忠実に再現とかする必要は無いと思うのですが。

s20結晶塗装の利点としては「鋳造のような粗い素地でもそのまま塗るだけで美しく見える!」と言う事があって、今回のような通常の塗装の場合は素地の粗さが余計に目立ってしまいますから、下地処理はいつもの通り「研磨→プライマー塗布→サフェーサー塗布→完全硬化→研磨」といった工程を踏みます。

サフェーサーは通常通り2液ウレタンで、画像のようにかなりタップリ塗っていますから、この形でこれを全面平滑に、且つ研ぎスジを付けない様にと言うとどれくらい大変なのかは塗装屋さんなら判ると思います。

s206サフェ研ぎで素地のアルミが露出してしまっている箇所もあるので、再び全体にプライマーを塗ります。

s205後で凸部を研磨した時に、断面にプライマーの白(明るいグレー)が見えてしまうのは気持ちが悪いので、色を塗る前に予め面研しておきます。

s204そして全体にベースコート(赤)を塗ったら再び凸部の面研をします。通常はタブーですが、この時はこの上に(アルミ素地の上に)そのままクリアーを塗るので、面研はいつも通り番手を細かく仕上げておきます。

s203そしてクリアー塗装です。使っている材料は通常の2液ウレタンで、「ヘッドカバーなのに耐熱塗料じゃなくて大丈夫なの?」と思うかも知れませんが、ヘッドカバーであれば問題ありません。

稀に、塗膜に熱を掛けた時に塗装が浮いてしまった!と言う事がありますが、それの原因は大抵がポリパテです。それ以外では中に水分が残っていたとか(水分が気化する時の膨張で塗膜が膨れます=ブリスター)何かしらの原因があって塗料のせいではありません。まずは自分の作業内容を疑いましょう(勿論経験済みです)。

s202と言う感じで完成です。

s201お納めした後に綺麗でびっくりされる事があるのですが、しっかりサフェーサーを塗っていればこれくらいは普通に仕上がります。大抵の場合はサフェを研ぐのが面倒でそこを省いてしまいますから、艶が引けたような仕上がりになるのです。これを磨く事は出来ませんから誤魔化しが効かないんですよね。

s20実は近々同じ様な内容のご依頼が来る予定で、久しぶりなので作業内容の予習復習にと以前の施工例を見ていました。

費用は通常行っている結晶塗装の倍くらいになりますので、余り需要は無いのが現状でしょうか・・・。

S20ヘッドカバー 結晶塗装承ってます

s206  先日到着しておりました、スカイラインGT-R(KPGC10)のS20エンジンカバーです。この度のご依頼、誠に有難う御座います!

ご依頼内容としては「濃い緑」の結晶塗装で、以前施工した時の画像がありますので紹介させて頂きますね。

s208画像で見ると黒にしか見えないのですが少し緑味掛かった深緑となっていて、9年前の当時はよくこの色で塗っていました。ちなみに上の画像では塗装したのみの状態で、ここから凸部を面研して光らせていきます。

s207現状は塗装の下から腐食が出ていまして、オーナー様的に「これくらいの予算は見ているので」と言う事ですので、今回は強力な直圧サンドブラスト処理&重防錆仕様で作業承っております。ちなみに当店にあるのは直圧タイプでは無いので、サンドブラストはいつもお願いしている専門のショップさんにお願い致します。

ちなみにオーナー様が当店を知って頂いたきっかけはこちらのサイトのようでして、当店に営業マンが居なくても仕事が集まって来るのはこういう方々のお陰でもある訳ですね。有り難い限りです。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きますね。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!