以前ご依頼頂いたフォルクスワーゲンビートルのミニカーです。左側のグリーンメタリックを見本に、右側の白い物を塗装しました。
既存の塗膜は恐らく焼き付け型塗料(メラミン樹脂)と思われますので、塗膜は剥がさずに足付け処理をしてこの上に色を塗り重ねます。
塗られている塗料が自家塗装等で使われるラッカー系の場合はそのまま色を塗れませんので(チヂレなどの問題を生じます)、まずはそれを剥離する必要がありますが、そうなると費用はかなり割高になり、またプラスチックパーツなどは溶剤が使えないので塗装自体のお受付が出来ない恐れがあります。ご了承下さいませ。
色に関しては実はフォルクスワーゲン実車の「サイバーグリーン」そのものをご所望でしたので、一緒にお預かりした見本の色は気にせず、塗料メーカーから配布されている配合データを基に、VW純正色のサイバーグリーンを作成して使用しました。
まずは最初に裏側にベースコートを塗っておきます。
その後各パーツを台にセットします。
ドアやボンネット・トランクなど開いて見える個所は裏側も表面同様に塗れるように固定しています。
ベースコートを塗布し、クリアーを塗って本塗り完了です。
色は実車そのままで、使用している塗料、作業内容も実車を再塗装する内容と全く同じです。
裏側も艶々です。
その後熱を入れて強制乾燥し、塗膜が完全硬化したら完成です。
ボディ裏側は組み付けた状態だと見えないのでベースコートのみで、その他の部品は裏側までしっかり塗っています。
今回は分解された状態でご依頼頂きましたので、当店ではこのままの状態で完成となります。
リヤガラスは接着剤がガッチリ固定されていたのでマスキングで対応しました。
別件で、こちらのポルシェも塗装をご依頼頂きました。元々はガンメタで、確か市販品では無くディーラーの販促品だったような気がします。色の種類が無かった為、お客様の為に実車のボディ同色でご依頼頂きました。
窓はやはり接着剤で固定されていたのでマスキングで対応しています。
窓の素材はPS樹脂(ポリスチレン)だったらしく、シリコンオフが着いただけで溶けてしまいます。使っている材料は実際の車に使う物なので耐久性は間違いないのですが、模型となるとその辺で注意は必要です。
ドアトリム(内張り)も接着剤で固定されていたのでマスキングでの対応となりましたが、元々ガンメタだったとは判らない仕上がりに出来たと思います。
今回のような塗装は量産品と違って一品物の作業となりますので、塗装費用に関してはミニカーの製品代を大きく上回ってしまいます。塗装をする上で金額的なメリットは殆どありませんが、どうしても塗らなければならない理由がある場合はご相談頂ければ対応出来るかも知れません。