1/18VWビートルミニカー塗装承ってます

先日到着しておりました1/18フォルクスワーゲン空冷ビートルのミニカーと、部品取り用に用意していただいた2台の合計3台です。 この度のご依頼、誠に有難う御座います!

現状はシルバーのこちらのミニカーを、

当時オーナー様が所有されていたボディーカラー=パステルホワイト(カラーコード:L90D)への塗装で承っております。

尚、こちらのミニカーは右ミラーが存在していない設定で、

ただオーナー様が当時乗られていた車体にはちゃんと右ミラーがありましたので、こちらのカブリオレのタイプをご用意頂き、こちらにある右ミラーを移植するようにします。

また追加の御依頼としては、前後のナンバープレートを当時の物に作り直します。

他にはサイドステップ上の艶消し黒を元と同じように、また現状グレーの内装シートを艶消し黒への変更で承っています。

フェンダーとボディの継ぎ目やガラスモールは現状黒に塗られていますが、

今回これらは再現せず、ボディカラー(白)そのままにする予定です。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!

Minicar

minicar8以前ご依頼頂いたフォルクスワーゲンビートルのミニカーです。左側のグリーンメタリックを見本に、右側の白い物を塗装しました。

vw 既存の塗膜は恐らく焼き付け型塗料(メラミン樹脂)と思われますので、塗膜は剥がさずに足付け処理をしてこの上に色を塗り重ねます。

塗られている塗料が自家塗装等で使われるラッカー系の場合はそのまま色を塗れませんので(チヂレなどの問題を生じます)、まずはそれを剥離する必要がありますが、そうなると費用はかなり割高になり、またプラスチックパーツなどは溶剤が使えないので塗装自体のお受付が出来ない恐れがあります。ご了承下さいませ。

vw1 色に関しては実はフォルクスワーゲン実車の「サイバーグリーン」そのものをご所望でしたので、一緒にお預かりした見本の色は気にせず、塗料メーカーから配布されている配合データを基に、VW純正色のサイバーグリーンを作成して使用しました。

まずは最初に裏側にベースコートを塗っておきます。

vw2 その後各パーツを台にセットします。

vw3 ドアやボンネット・トランクなど開いて見える個所は裏側も表面同様に塗れるように固定しています。

vw4 ベースコートを塗布し、クリアーを塗って本塗り完了です。

vw5 色は実車そのままで、使用している塗料、作業内容も実車を再塗装する内容と全く同じです。

vw6裏側も艶々です。

vw1 その後熱を入れて強制乾燥し、塗膜が完全硬化したら完成です。

vw ボディ裏側は組み付けた状態だと見えないのでベースコートのみで、その他の部品は裏側までしっかり塗っています。

vw2 今回は分解された状態でご依頼頂きましたので、当店ではこのままの状態で完成となります。

vw3リヤガラスは接着剤がガッチリ固定されていたのでマスキングで対応しました。

minicar3 別件で、こちらのポルシェも塗装をご依頼頂きました。元々はガンメタで、確か市販品では無くディーラーの販促品だったような気がします。色の種類が無かった為、お客様の為に実車のボディ同色でご依頼頂きました。

minicar4 窓はやはり接着剤で固定されていたのでマスキングで対応しています。

minicar7窓の素材はPS樹脂(ポリスチレン)だったらしく、シリコンオフが着いただけで溶けてしまいます。使っている材料は実際の車に使う物なので耐久性は間違いないのですが、模型となるとその辺で注意は必要です。

minicar6ドアトリム(内張り)も接着剤で固定されていたのでマスキングでの対応となりましたが、元々ガンメタだったとは判らない仕上がりに出来たと思います。

今回のような塗装は量産品と違って一品物の作業となりますので、塗装費用に関してはミニカーの製品代を大きく上回ってしまいます。塗装をする上で金額的なメリットは殆どありませんが、どうしても塗らなければならない理由がある場合はご相談頂ければ対応出来るかも知れません。

VWビートルミニカー塗装 完成

vw1大変お待たせしました!フォルクスワーゲンのミニカーの塗装も無事完成となります。元々は白かったミニカーをVW純正色のサイバーグリーンでオールペンとなります。

vwこちらが最初の状態です。

vw 裏側については「クリアーは適当に飛ぶ程度に」といった内容でしたが固定方法が上手くいったので比較的綺麗に仕上がったと思います。

vw2 分解はオーナー様自ら行って頂けたので今回はこの状態で完成となります。ミニカーならプラモデルと違って比較的簡単に分解~組み付けが出来るのでやった事が無い方も是非挑戦してみては如何でしょう。何にしても組み付ける時間は凄く楽しいと思います(私も塗るよりそちらの方が楽しいですので・・・)。

vw3ただ今回はリヤガラスのみ取り外しが困難だったのでこちらで脱着しました。ネジでは無くカシメてあるのでドリルが無いと難しいんですよね。ちょっと無理をされたのか一部にヒビが入っていましたがそこもホットボンドで固定しておきましたので御安心下さい。

私が塗装を始めたきっかけがこのミニカーの塗装で、缶スプレーでどうも綺麗に塗れなくて困っていた所をプロの塗装屋さんが私の目の前で凄く綺麗な艶に仕上げたのを見て感激して塗装屋になろうと思ったのです。そんな経緯があってミニカーの塗装はちょっと感慨深い所があるんですよね。時間があれば今度は自分用に何か塗ってみたいと思います(いや全くそんな時間は取れないのですが・・・)。

それでは後ほど完成のお知らせメール差し上げます。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!

 

VWビートルミニカー 本塗り

vw こちらも大変お待たせしました!無事本塗り完了しておりますので御安心下さい。フォルクスワーゲンビートルのミニカーですね。

手前ボディは足付け処理が終わった状態で塗装表面の艶が無くなっているのが判ると思います。表面に細かい傷を付けて塗装の密着性を高める為の下地処理です。反対にその他の部品は艶がある状態で、このまま塗っても初期密着性は良いのですが時間が経つと塗装は剥がれてしまいます。塗料は接着剤ではないので当然の事なのですが、本物の車体でもこの足付け処理を行わないまま塗られるようなケースがちょっと昔は多かったのです。それのせいで何度酷い目に遭った事か・・・(総剥離です)。

vw1 今回のようなミニカーは各部品が稼動するので内側にも色を塗っておく事が必要となります。ただし裏側も表同様に仕上げるには一度には塗れなかったりするのでどうしてもコスト高になってしまいます。なので今回は最初に裏側にベースコートのみ塗っておき、その後各部を固定した状態で表側の本塗りに挑みます。勿論裏側も足付け処理をしてよく脱脂をしてからベースコートを塗っておきます。

vw2 そして本塗り準備となります。手を付けてしまえばそんなに時間は掛からないのですが順番待ちと言う事もありますし、初めての作業は事前に色々と想定する時間が欲しかったりもするのです。逆にプレッシャーの高い仕事は何日も夢に出て来るので良い加減早く終わらせた方が精神的には楽な筈なんですけどね。

vw3 今回は何とか(予算内で)裏側にも綺麗にクリアーが入らないかと色々考えていまして、この先に裏側にベースコートを塗ってからクリップで固定する方法にしました。いきなり作業し始めてしまうと気転が働かなく後になって「どうせならああやっておけば良かった」と思うことがあるのであながち待ち時間も悪くは無いんですよ。

仕事である以上余計な時間は掛けられないのですが、逆を言えば同じ時間内なら工夫次第で仕上がりが良く出来ると言う事ですからね。時間を省けるところは省いてその分を他に回すというやり方もありますし。

vw4そして本塗り完了です。色はニュービートル純正色の「サイバーグリーン」となります。一緒にお預かりしたミニカーより色は薄い感じですが実際の車にある色はこの色ですから御安心下さい。

vw5 こちらはボンネットです。モール?が刺さる穴に割り箸を尖らせた物を突き刺して、ヒンジ部分をワニクリップで固定しています。

vw6裏側も比較的綺麗に塗れたと思います。

ちょっと雑談ですが、この色を決めるものは塗料中に入った「顔料」でして、メタリックやパールなどは粒子の大きさによって色は変わって見えます。現状見ているのは実車と比べても同じ色ですが、例えば自分がこのミニカーと同じサイズに縮小したとしたらどんな色に見えるのかとちょっと疑問に思いました。普通に考えれば今と同じ色を見ている筈なのですが、自分が18分の1サイズになったら顔料は「18倍」の大きさになっている筈ですから、この色に使われているパールは「超ラメ状態」になっている筈なのです。となるとこの色とは全く違うように見えている筈なんですよね。うーん、そんな事ってあるのでしょうか・・・。

ちなみに染料は媒体(例えば水)に解けてしまうのでその粒子の大きさは存在しない筈です(分子レベルとかでは無く)。対して「顔料」は媒体の中を漂っているだけなので大きさは残るのです。メタリックのアルミ粉は肉眼でもその大きさは確認出来ますし・・・。

さらに考えると、自分が成長する段階でもサイズは変わる筈ですからもしかして顔料を使用して表現された色は自分が小さい事に見ていた物と今とでは違うのでしょうか。そして歳をとってまたサイズが小さくなるとまた違うように見えるのでしょうか・・・。

といった事を考えながら仕事をしていたら疲れました(爆)。もうちょっとマシな事を考えるべきですね。ただちょっと不思議に思いましたので。

それではこちらも完成次第改めて紹介させて頂きますね。もう少々お待ち下さいませ!

ミニカーの塗装 承ってます

minicar8

先日到着しておりましたVWビートルのミニカーです。この度のご依頼、誠にありがとう御座います!

左が色見本としてお預かりしたニュービートルで、右側が古いタイプのビートルです。今回はこの右側の白いビートルを左側のグリーンメタリックの色にとご依頼承っております。

ちなみにこの車体色を見て気が付いたのですが、ニュービートルでグリーンメタリックとなると「サイバーグリーン」なる純正色の設定があって、これであればわざわざ左のミニカーに色を合わせなくてもメーカーが提供するカラーデータがあるのでそれで実車の色を簡単に再現出来たりします。そもそも使っている塗料が自動車を塗る為の塗料なので当然といえば当然の事なんですけどね。

そして今回の「ミニカー」の塗装のご依頼なのですが、実は結構嬉しかったりします。と言うのも、時々お問い合わせはあるのですが実際にご依頼にまで至るケースは少ないのです。と言うか個人の方からでは初めてかも知れません(いや間違いなく初めてです)。

ミニカーとしても塗るとしたら画像のようにバラバラにしなければならない訳でして、ただこんな感じで部品点数が5点、裏表の塗装となるとそれなりに費用は掛かります。

対してミニカー自体の値段はとすると・・・恐らく今回の塗装費用で新車が6台以上買えると思います。これで商売を成り立たせるのは難しいですよね。実車だとすると200万円で買った車に1200万円(!)を掛けて塗装するなんて余程の希少価値が無ければ現実的では無いと思います。

ただ私が塗装屋になるきっかけにもなったのがこのミニカーの塗装でもあって、今回のご依頼は中々感慨深いところがあるのです。人生の最後はこういった極小さな小物を自宅で塗って細々と生きていく事を目標としていますので(笑)、塗装屋の最後はまた初心に戻ってこういったミニカーを塗っていければと思う次第です。まあまだ30年も後の話なんですけどね(いやもう生きてませんか)。

参考までに以前仕事として塗ったミニカーの画像がこちらにあります。宜しければどうぞ。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きますね。改めましてこの度のご依頼、誠にありがとう御座います!