休日も

スタンドックス

「休日も」では無く休日しか出来ない仕事がありまして、要はお金にならない仕事って事ですね(苦笑)。まあ自営業の方は皆さんこれが定番でしょうから、休みの日には材料を仕入れる為にホームセンターに行ったり、普段出来ない整理事や掃除はゆっくり出来る日(?)にやっておく必要があるのです。いつもギリギリの状態でやってますからとても普通の仕事日にこれは出来ないんですよね。解ります解ります(笑)。

しかしこれじゃ年中休みも無いんじゃ?って感じですが、実際には結構好きでやっている事なのでそんなに苦では無いのです。じゃなければ最初から公務員を目指していましたし(いや、到底無理ですが・・・)。

と言う事で、この休日は自宅にある塗料を小分けボトルに移し、先日作成しておいたラベルを貼って工場でも調色作業が出来るようにしておきます。今までは必要な塗料をその都度カブに積んで行っていましたからこれによりかなり身軽になれるのです(自転車で通勤出来る機会が増えるって事です)。

 

ちなみに元々塗料が入っている缶はこんな感じです。

ミキシングマシーン

缶の上には専用の蓋である「アジテーターカバー」が装着されていて、これの上に付いている回転軸を回すと缶の内部にあるプロペラ状の羽が回転し内部の塗料を攪拌してくれるのです。

さらにこのアジテーターカバーを装着した缶をこの巨大な「ミキシングマシーン」にセットする事で、モーターからのベルト駆動によりセットされた全ての塗料缶を自動的に攪拌してくれます。しかもタイマー機能つきで(じゃないと底に穴が開きます…)。

そして缶の中の塗料が無くなったら蓋だけを新しい塗料缶に付け替えれば良いですから塗料を移し替えるといった作業は全く必要無く、とてもスマートに塗料の補填が出来るのです。これは本当に素晴らしいシステムです。

ただしこのアジテーターカバーだけでも一個¥5、000とかしますから、この塗料セット丸ごとをまともに買おうとすれば300万円くらいはする筈です。とても趣味で買えるような代物では無いんですよね・・・。

ただボディショップ(板金塗装工場)として新規に塗料をセット入れる場合、塗料メーカー(販売店)は今後の売上度も考えて実はかなりのサービス価格で売ってくれたりします。プリンターの機械が性能の割には異様に安いのと一緒で、最初は損をしてでもその後インクを買って貰えれば元が取れると言う事ですかね。ただお陰で私ような個人事業者でもこんな贅沢な塗料が使えるのです。

「STANDOX」なんて本当は個人レベルでは到底使えないような超贅沢品ですから凄く良い機会だったと思います。

買ってしまいました・・・

RMカラーマスター私が使っている塗料は「STANDOX」なるメーカーの物ですが、ちょっとしたきっかけがあって、こちらのRM社の色見本帳を買ってしまいました。普通に買えば40万円くらいはする筈ですが、ネットオークションで非常に安価に出品されていたので、つい手を出してしまったのです。まあ桁が違いますからお買い得だったとは思いますが・・・。

このRM社の色見本帳である「カラーマスター」なるシステムは、他社の色見本に比べてちょっと特殊でして、一般的な色見本帳は「自動車メーカー別」に分かれているのが一般的ですが、これは全く違います。例えば「赤」なら一つの引き出しに、赤ばかりの色見本が連続して入っているのです。

RMカラーマスター「レッドソリッド」このようにRM社の色見本帳には「メーカー別」といった概念が無く、赤といったら赤系がズラーっと並んでいますから、ベンツもBMWもアウディも「同じ赤」を使う可能性があったりします。

他の塗料メーカーで育った人間がこのシステムを見ると「そんな適当で良いの?!」と思ったりするのですが、実は車体色なんてそんなもんだったりします。作っている時期や製造国によってかなりのバラツキがありますから、「これのどこが同じ色何だよ!」って呆れてしまうものも普通に存在します(勿論それを感じるのは人それぞれですが)。

なのでこのRM社のカラーマスターの場合、自動車メーカーとカラーコードから調べると指定の色見本が選びだされ、後はその近辺にある微妙にズレた色の中から塗りたい色に一番近い色を見本を選び出し、その配合データ通りに作れば比較的簡単に希望する色が作りだせると言う方式です。まあ実際はここでも色ぶれは生じてるでしょうが・・・。

ただ使っている塗料のメーカーが違えばこういった色見本は全く意味の無い物で、何故私が今これを手に入れたかと言うと、この色見本帳はRM社の「水性塗料」にも対応しているとの事だからです。本当か嘘か解かりませんが、RM社の人間が「実はこの色見本は水性塗料で塗られている」と言ったらしく、これが本当なら溶剤系より水性の方が色ブレが少ないって事なのですが、まあこの辺りを本気で信じている訳では無く、いつか使うかも知れないと言う事で衝動買いをした次第です。

ちなみに水性塗料のネックとしては、一度媒体となる水(と硬化剤または添加剤)を混ぜると「可使時間」が決められてしまう事で、確かRMだと4時間くらい?だったと思いますが、溶剤系なら溶剤が揮発したらまた溶剤を足せば済む話ですが、水性塗料の場合は可使時間が決まっていますから、粘度の高いままだと色の確認が出来ず(もしくはその都度捨てる)、調色作業が出来ない!と言う事態になるのです。溶剤なら100回でも200回でもテストピースに塗装をしたりしますが(普通はしませんが)、水性でもそれが出来るのか・・・といったところです。

と言うことで、エンドユーザー(塗装屋)はこの「微調色」を極力減らす(無くす)為に優れた色見本帳が必要になり、塗料を選ぶのは材料自体の良し悪しとは別にこういった事も大きな判断材料の一つとなり、もしかしたら私もいつか来るであろうその日の為に備えてみたという次第です。

しかしそれにしてもこの色見本、凄く重くてとても邪魔なんですが(苦)