MAZDA 6 Engine cover

 マツダアテンザの純正樹脂製エンジンカバーです。

表面の素地はザラザラとした梨地で、通常これに塗装を行うには「研磨→プラスチックプライマー塗布→2液ウレタンサフェーサー塗布→完全硬化→研磨」といった下地処理を行って平滑な下地を作る必要がありますが、今回は「艶消し仕上げ」とする事で、素地のザラザラはそのままの状態で上塗りを行う事にしました。

カバー中央の方は梨地では無くパターン 化さらた模様となっている為、そこの部分は何もせず最後までそのままの状態で残す事とします。

 裏側をマスキングします。

 梨地の部分は#800で足付け処理を行います。ペーパーが入り難い溝の部分はヘラを使って処理します。

 良く脱製清掃をし、プラスチックプライマーを塗布します。

 今回は彩度が高く隠ぺいの悪い塗色の為、最初に下色として白を塗布します。

 色はKawasakiの定番でもある「ライムグリーン」で、最後に艶消しクリアーをコートしています。

 その後60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させ、数日寝かしたら完成となります。

塗り分けをする手間は掛かっていますが、塗装面積が少ないので金額的にはどうちも変わりない程度です。とにかく下地処理を省けているので大きなコストダウンを可能としました。

尚、梨地のまま艶あり仕上げにすると非常に汚い仕上がりになる為、そちらは全くお勧めしません。艶のある仕上がりにしたい場合はやはりサフェーサーで下地を平滑にしてからの塗装が基本となります。

アテンザフロントグリル塗装 完成

atenza46大変長らくお待たせしました!マツダアテンザの純正フロントグリル、2トーンカラーの塗装で完成となります。

最初の状態も紹介致します。

atenza4元々はザラザラとした梨地で、本来であれば「研磨→プライマー塗布→サフェーサー塗布→完全硬化→研磨」といった工程で平滑な素地を作成するのですが、さすがにこのサイズと形でそれを行うとかなりの手間と費用になってしまうので今回は二度塗りと言う方法で行っています。

梨地の目が荒い場合には対応が出来ませんが(むしろ酷い仕上がりになります)、今回の部品は比較的凸凹が細かいのでいつもこの方法で対応しています。

atenza52一番上のフィンはフロントグリルとは別部品で、撮影の為に仮装着しています。隙間が開いているのはしっかり挿していないだけで問題ありませんのでご安心下さいませ。

ちょっと画像だけだと塗り分けが判り難いので作業内容書も紹介しますね。

atenza1今回のご依頼は少々複雑で、上段の別体となるフィンと同様に、そこから下部のグリル本体と一体となったフィンの色を変えています。単純そうに思えるのですが、各見切りをきっちり塗り分けるとなると中々手間が掛かるのです。こういうのは少しでもラインからズレると格好悪いですからね。

atenza48今回の完成イメージとしては、各フィンはまるで外して塗ったのでは、と思うような感じにしてあります。塗り難い奥まで艶々に仕上げています(まあこれはいつもの事ですが)。

atenza47尚、一番上のフィンはしっかり嵌め込むともっとピッタリ着きますし、また穴の周りとフィンの爪の部分はご指定通り塗らない様にしていますのでご安心下さいませ。

atenza53当店の塗装としては、派手なラメを多用したりエアーブラシを使ってフリーハンドで画を描いたりは出来ませんが、その代わりに塗膜本来の美しさや、まるで人が塗ったとは思えないといった機械的な仕上がりになるようにしています。また元々が「元に戻す」といった補修塗装が基本となっていますので、経年でも劣化しないような強固な塗膜の形成や下地処理に重きを置いています。

atenza54こういった奥まった箇所は後から磨きの調整などは難しいので、とにかく肌を荒らさないよう事前に塗り方をイメージして最速でクリアーが塗り終わるようにしています。途中で迷ったりしたらもうお終いですよね。

atenza49この辺の塗り分けはピンセットでマスキングテープを貼っていて、勿論手でも貼れるのですが、一旦足付け処理をした被塗面にベタベタと触れると後で指紋の跡が出てきたりするので極力素手では触らないようにしています。車の部品となると完全に実用的な物となりますから、そういう所でも結構気を遣う必要があるのです。

atenza502色を塗る順番としては、今回は敢えて手間の掛かる方で行う事としましたが(作業性としてはフィンは後からの方が楽だったと思います)、お陰で曲線ラインの見切り部分も綺麗に仕上がっていると思います。

それでは後ほど完成のお知らせメール差し上げますね。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!

アテンザ内装パーツ一式塗装 完成

atenza105 大変お待たせしました!マツダアテンザの内装パーツ一式、本日完成となります。ちなみに先日溶着で取り付けていた部分が手前メーターパネルのベロ部分となります。何故ここに布が貼ってあるのかは不明で、恐らくはハンドルが上下する部分なのでフレキシブルにしてあるのでしょうか。マニュアルシフトノブの土台のような感じですかね。

atenza71最近うっかり忘れていましたが、届いた時の状態も紹介させて頂きますね。

atenza106梨地でザラザラだったパーツはそれぞれ下地処理を経て艶々の仕上がりとなりました。単に塗るだけでこうなる訳では無く、それなりに手間の掛かる下地処理作業を行ってここまでの仕上がりになっています。

色は黒に見えますが実際にはパールが入ったマツダ純正カラーのジェットブラック(カラーコード:41W)で、クリアーは高品質なタイプの「クリスタルクリアー」に変更しています(オプションで選べます)。

atenza107 メーターフードの内側は光が反射して見難くならないようにと半艶ブラックで御指定頂きました。実際の効果もそうですが見た目も上品になったと思います。

atenza108 ウィンドウスイッチパネルとメーターパネルについては元々未塗装品で、素地が梨地やシボ模様があったので「研磨→サフェーサー塗布→完全硬化→研磨」といった工程で平滑にしていますが、こちらのモニターパネルは素地自体は平滑でそれに艶消しの黒が塗られていたので下地処理としては簡易的な「足付け処理」のみで塗装可能でした。周りにあるスイッチの分解が難しそうだったのでこれは幸いで、もしここも梨地だったら例え危険でも分解しなければ塗装は難しかったと思います(出来たとしても粉塵やら研ぎ汁が中に入ってしまいますので)。

atenza109スイッチは周りに隙間があったのでそれのお陰で綺麗に出来たと思います。失敗した場合のリスクを考えるとちょっと怖いですが(塗料が垂れて流れ込んだら終了です・・・)、「これは無理」とお断りするよりは諸々の御了承さえ頂ければ対応出来る事もありますので宜しければ御相談下さい。逆に何も事前連絡無しに依頼品を送るのは避けて頂ければと思います(最近これが多くて困っております・・・。返送するにも手間が掛かるのです)。

それでは後ほど完成のお知らせメール差し上げますね。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!

アテンザ内装パネル 組み付け

atenza43 大変お待たせしました!アテンザの内装パネルは最後の組み付け作業も終え、来週早々には完成の御案内が出来ると思います。

画像はメーターパネルで、元々これには下側に人工皮革とプラスチックのパーツが付いていました。取り付けは人工皮革に開いた穴にメーパーパネル本体から出た突起が通り、その先を熱で溶かして潰したような固定方式になっています。

ライン製造ではこの方が楽なのかも知れませんが塗装の際の脱着となると・・・です。

atenza44元々付いていたダマはカットしてしまっていますので新たにABSの樹脂棒を溶かして持っておきます。イメージとしてはカフスみたいな感じですかね(着けた記憶はありませんが・・・)。

モニターパネルの方も取り外したモールを貼り付けておき、スイッチの状態も確認しましたら良好のようです。ほぼ完成ですが最終チェックを行い各パーツを撮影しましたら改めて紹介させて頂きますね。どうぞもう少々お待ち下さいませ。

マツダアテンザメーターパネル内側塗装

atenza101 先日塗り終わっていましたアテンザのメーターパネルです。塗膜は完全硬化していますので最後の仕上げにメーター内側の部分を「半艶の黒」で塗装します。ちなみにきちんと硬化していないまま塗るとチヂレが生じて最初からやり直しです。

atenza102 今回は2コート仕様では無く「1コートソリッド」での半艶とします。何もないところにバツ切りで新たに塗膜を重ねるので、塗膜の際を出来るだけスムースに仕上げたい、と言うことですね。隠蔽性の良い濃色であればこれは有効です(勿論貼り方と塗り方によりますが・・・)。

ちなみに通常の1コートソリッドであれば「艶有り黒」に「艶消し剤」を既定量入れて「反艶の黒」を作成しますが、今回は元々艶消し剤が練りこまれてパッケージ化された「艶消し黒」に艶有りの黒を入れて作成する事にします。勿論どれにも50%の硬化剤を入れます。

パッケージ化された「艶消し黒」はちょっと珍しいかも知れませんが(STANDOXユーザーでも普通は知りませんよね・・・)、縁あって入手した物があるので今回はこちらを使います。ちなみに出所は内緒です(勿論製品としてはちゃんとした物ですのでご安心下さい)。

atenza103 ブツ切りマスキングの際は2mm幅の「ラインテープ」を二重に貼っています。二回目に重ねるテープは最初に貼ってあったテープを若干食み出るような貼り方にして「ひさし」のような感じにするのです。こうすると際が少しボケたような仕上がりになって段差が軽減されます。ただ「食み出る」といっても0.1ミリくらいなのでパッと見は判らないですけどね。

atenza104元々塗られている色は黒に近いメタリック(パール)で、これはほぼ黒と変わりありませんからその上に塗る黒も1コートあれば十分です。実際には最初に様子を見ながら全体に満遍なく塗りこみ、そのまま続けてウェットに塗り込みます。塗り残しが無いのを確認したら直ぐに際のラインテープを剥がして塗膜が馴染むようにします。まあ先ほど紹介した「ひさし」の効果がちゃんと出ていればそんなに急いで剥がす必要は無いのですが、何に関しても「保険」を掛けておけば安心ですからね。

後はこちらが完全硬化したら最初についていたモールやら人口皮革やらを取り付けて完成となります。来週始め~遅くても半ばくらいには完成出来る予定です。もう少々お待ち下さいませ!