バイク用ブレンボキャリパー マスク型作製

 先日お預かりしておりましたバイク用のブレンボレーシングキャリパー一式です。

現状フロントキャリパーの一個の凹み文字部に黒くマジックで塗られた跡があったのでまずはそちらを除去します。

シンナーを使って掃除しましたが、どうやらここだけ黒アルマイトの掛かり方が弱いと言うか、素地が荒れたような状態になっています。元の塗料成分が残ったまま素地調整が行われたのでしょうか。

リヤキャリパーは以前作製したデータがあったので、まずはそちらを使って合わせてみます。

ピッタリではありませんが、マスキング用として使うには十分な感じです。

 こちらは分割された反対側です。こちらも普通なら使えそうですが、今回はサンドブラストで使うと言う事でここからデータを修正していきます。

 そしてフロントキャリパーです。

こちらは一部で彫りが浅い箇所と、なんとプレスラインに差し掛かっている!と言う事で、普通にマスキングシートを貼ってもコシが強くて反発=剥がれてしまいますから、今回はいつもと違う方法で行います。

まずは基本となる輪郭のデータ化からです。ここはいつもの通り石刷りの方法でロゴの形を紙に写し、

それを剥がしてスキャナーでぱPCに読み込みます。

それを基にベクトルデータを作製します。以前使ったデータを応用出来るのではと思っていましたが、良くみると全然形が違うので一から作る事にしました。

何度かの修正を行い、大体良い感じになりました。

今回は色々考えたのですが、まず両面テープを貼り、その上にマスキングシート(PP製)を重ねるのが良いと判断しました。

基本的にはサンドブラストのマスキングにはこの緑色のマスキングシート一枚だけで大丈夫ですが、それだと粘着力が足りないので、それの補強&厚みを確保する為に間に両面テープを入れるという作戦です。ほぼ一か月間毎日考えてこれが良いと判断しました。

ただしその場合普通のカッティングプロッターでは切れないので、レーザー加工機を使ってカットします。カッターの刃で切るのと違ってレーザーが当たった箇所は消失してしまう為、その分を考えてデータを修正&テストカットを何度も繰り返しました。少しでも食み出たらアウト(アルマイト処理屋さんでのやり直し)な為、どんなトラブルが起きても100%上手くいくようシュミレーションを行いました(お陰で胃が・・・)。

カットデータが出来たら接着面をよく脱脂し、シールを石鹸水に濡らして位置を合わせます。

各パーツへのマスキングが終わったらそのまま自然乾燥させる為に一日置きます。

そして翌日、曲がって浮いている部分を指で押さえてピッタリ貼れた事を確認します。現時点では素晴らしく良い感触でした。

さらに一日寝かしてマスキングシートが浮いていない事を確認し、周りを養生していきます。まずはマスキングテープで糊が残らないようにします。

 その後補強の為にガムテープを貼ります。

これでサンドブラスト作業の準備が完了です。さらに一日寝かしてマスキングシートが浮いたりしないかを確認しておきます。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!