SHURE BETA58Aマイク(レッド&ブラック) 本塗り

先日お預かりしておりましたSHURE BETA58Aボーカルマイクです。

本体は#800相当で空研ぎ、グリルボールはナイロンブラシとウォッシュコンパウンドで足付け処理を行っています。

今回はこのようなデザインでご指定を承っておりますので、こちらに沿って作業を行います。

まずは隠ぺい力の高いシルバー(VW社のリフレックスシルバー)を1コート塗り、その上に粗目のメタリック(MIX598)を2コート塗って輝きの強いシルバーの下地を作ります。

 グリルボールは全体を黒に塗装します。

その後指触乾燥したら中央のリングの上下以外をマスキングします。

この状態からマイク本体と同じようにシルバーを塗り、

 続けて透過性の赤=キャンディーレッドを塗布します。

マスキングを剥がしました。こちらはこれで一旦保管しておきます。

マイク本体も同じようにキャンディーレッドを重ねます。艶が出ていますがこれもベースコートです(顔料分が少なく硬化剤も入れているので艶が出ています)。

micその後黒を塗っていき、イメージイラストを参考にグラデーションを掛けていきます。

指触乾燥=テープフリーな状態になったら、予め作成しておいたマスキングシートを貼り付けます。直前までデカールにするか考えたのですが、上手くカット出来たので塗装で行う事にしました。

 黒を塗り、マスキングを剥がしました。

 ここまでがベースコートで、

 最後にトップコート=クリアーを塗ります。

尚こちらは普通のクリアー(艶あり)で、この時点では「下塗り」の状態となります。

この後60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。

完全硬化後、再び塗装準備を行います。まずはプレート部分のマスキングを貼り直し、

研磨~足付け処理を行います。

先ほどの画像だと見た目が美しくないですが、これは下塗りだったのでクリアーを控えめにしていた事、またBETA58AはSM58に比べて素地の状態が悪い(旋盤痕が深い)ので、磨き処理をしないとその痕が目立つ傾向にあります。以前は艶消しなら大丈夫だと思っていましたが、やはその痕が見えてしまったので今は二度塗りにしています。

 最終#1300のペーパーで均したらよく脱脂清掃し、

今度は艶消しクリアーを塗ります。こちらも艶ありと同様2液硬化型のウレタン塗料です。垂らすと修正が出来ないので艶ありの時に比べると控えめに塗っています。

 その後時間が経って艶が消えた状態です。

  一旦下地を整えてから塗っているのでツルンとした美しい艶消しに仕上がっているかと思います。

ロゴの部分はよく見ても段差は感じられないと思います。

ここでグリルボールも合流して一緒に艶消しクリアーを塗りました。

この後は一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。

それでは完成次第改めて紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!