自転車用カーボンホイール 作業前準備

先日お預かりしておりました自転車用HED製20インチ(406)のカーボンホイール 2個です。

全体的にシリコーンのような油分があるのと、

またステッカーを剥がした跡のようなベタベタ感もあるので最初にしっかり脱脂清掃しておきます。

一部にはひび割れた箇所もあるのでしっかり確認しておいて後で処理するようにします。

またホイールの溝にはリムテープを貼っていた粘着剤(糊)が残っているので、

こちらもシリコンオフ(脱脂用の低溶解溶剤)を使って除去します。

シリコンオフを塗布して少し時間をおき、糊の成分が溶けたらヘラを使って剝ぐようにし、それをウェスで取り除いていきます。気にしないでゴシゴシやると穴からホイール内部に糊の塊が入っていってしまうのでそうならないようにですね。

クリーニングが終わったら埃(研ぎ粉)が入らないようマスキングを行います。本塗り前には全部水洗いして空焼きをするようにしますが、テープ一枚で防げるならやっておいた方が良いですね(とは言っても少し前までマスキングテープも在庫切れでこの先どうなるんだろうと思っていましたが)。

リムの金属部分(アルミ)も途中でペーパー掛けをしますが、とりあえず深い番手の傷が入らないようマスキングしておきます。

この後はカーボン表面を#120~#180でサンディング(足付け処理)、その後先ほどのような割れた箇所に構造用エポキシを充填→全体に同じくビスフェノールA型のエポキシ系プライマーサーフェサーを薄く塗ってカーボン用の下地を作ります。以前施工したBMWカーボンパニアケースや、トヨタパブリカのステアリング修理の時のような方法ですね。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

自転車用カーボンホイール塗装承ってます

先日到着しておりました自転車用HED製20インチ(406)のカーボンホイール 2個です。この度のご依頼、誠に有難う御座います!

現状は未塗装のカーボン素地状態で、

今回こちらを艶ありの白に、またクリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーの仕様で承りました。また白の色味ついては「出来るだけ真っ白に」との事ですので、スタンドックス原色の白(MIX570 or 870)をそのまま使うようにします。

状態としては余り芳しくなく、

全体的に細かい巣穴があります。

またカーボンの厚みが非常に薄く、指で押すと簡単に凹む柔らかさなので、そのまま塗装を行うと塗膜その柔らかさに追従せず割れてしまいますから、各工程で軟化剤を入れるなどしてフレキシブル=軟化性のある塗膜にしていこうと思います。

ここまで大きい巣穴はサフェでは埋まらずパテを使いますが、それについても一般的な物では無く、固まっても割れにくいタイプの物=軟化性のあるパテを使うようにします。工程としては「「研磨→サフェーサー塗布→完全硬化→研磨→パテ塗布→完全硬化→研磨→サーフェサー塗布→完全硬化→研磨→上塗り→完全硬化」といった感じを予定しています(サフェの2度打ちとその間にパテ作業を行なうような感じですね)。

参考までに以前施工した画像を紹介します。

この時はSPENGLEの自転車用カーボンホイールを艶消し黒に塗装しました。

こちらはアルミ製のリムを半艶オレンジで塗装しました。

ただ今回は軟化性のある塗装と言う事で、

ホイール塗装を参考にするよりも、この時の非常に柔らかい素材だったレンジローバーのオーバーフェンダー塗装の内容に近い感じになるかと思います。思い出したら胃が…(至極大変な作業になりました)。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!

自転車ダイナモハブ塗装 完成

大変お待たせしました!先日本塗りを終えていた自転車用ダイナモハブの塗装、本日完成となります。

最初の状態も紹介します。

元々はこの様な艶のある黒の塗装(もしくはアルマイト処理された物)だった物に、

前回ご依頼頂いた時に調色をした色で塗装を施しました。

トップコート=クリアーは艶消し仕様となります。

各画像はサイズの縮小以外は未加工となります。

両端の部分は塗らないようマスキングで対応しています。

前回と同様、スポークが入る穴の部分は丁度良いサイズのスクリュー(ネジ)を嵌めてマスキングしています。

元の黒い被膜を残しつつ(金属素地を露出させず)、違和感の無い仕上がりに出来ているかと思います。

こちらのギアー側の塗り分け箇所は、マスキングテープでは無く丁度良いサイズにカットしたアクリル板を嵌めてマスク型としています。

反対側はナットでは無く丸くカットした薄いABS板を使ってネジを固定しました。

こちらもザグリ=フランジ状になった内側で違和感なく塗り分けられたと思います。

それでは後ほど完成のお知らせメールを差し上げます。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!

自転車ダイナモハブ 本塗り

先日下準備を行っておいた自転車用ダイナモハブです。

被塗面は#500→#800相当の布状研磨副資材(アシレックススカイ→レモン)で足付け処理をしてあります。

ただこちらの被膜がアルマイトかもしれないという疑念を拭えない所があるので(異様に硬いのです)、

前回の作業を倣って今回もプライマーを塗っておく事にしました。

アルマイトでは無く普通に塗装だとしてもプライマーを塗る事は被塗物にとって悪い事は無く、ただ「作業的に面倒臭い事になる」という所はあります。ゴミが付着する率が高くなったり、マスキングを剥がしたらプライマーの色が見えてしまったりという可能性が高くなるので、各工程でそれらが起きないよう注意して作業を行ないます。具体的にはプライマーを塗る場合とその後とではスプレーのエアー圧やガン距離、ガン方向などに気を付けるなどですね。

またこちらも前回と同様、念の為に下色として黒を塗っておきます。ベースコート数の塗膜を極力薄くする為ですね。

続けて前回作った調色済みのベースコートを塗布します。

スポークを差し込む箇所の穴のマスキングにビスを入れていますが、その隙間にプライマーの色が残らないよう各方向からスプレーします。ガン距離も最初より近づけます。

そして最後にクリアーを塗って本塗り完了です。お待たせしました!

クリアーは艶消し仕様で、前回はシンナー希釈量を標準の5割増としていましたが、今回は倍の量としています。その後艶消しクリアーを多く使うようになってこの仕様が良いと判断しています。

スプレーガンも前回の作業に倣って口径0.6mm(IWATA LPH-50)を使いました。通常の希釈率(9%)だと塗り難いですが、倍の18%希釈ならこれでも問題なく塗れます。

艶消しは塗装後の磨き処理が出来ないのでゴミが付かないようかなりデリケートに作業を行う必要があって、このサイズの物を塗る場合でも塗装用のスーツに着替えて本塗りに挑んでます(丁度映り込んでいたので)。

この後は時間の経過と共に艶が消えていきますが、ゴミが付くのが嫌なのでそのまま恒温器に入れておきました。ある程度湿度があれば大丈夫なのですが、乾燥する時期だと遠く離れた場所からも埃が寄って来てくっついたりするので非常に気を遣うんですよね。

この後は一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。

それでは完成次第改めて紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

自転車ダイナモハブ 下準備

先日足付け処理を行っておいた自転車用ダイナモハブです。

沢山ある穴の部分にはスポークが嵌め込まれる箇所で、以前別件でご依頼頂いた違うタイプのホイールハブの塗装では組付けを行う自転車屋さんから「穴の内側は塗らないように」とのお達しがあった為、今回もそれに倣う形にしています。塗装屋さんなら判ると思いますが、かなり難しい内容ですよね…。

という訳で今回考えたのが丁度良いサイズのネジを嵌める事で、丁度良いサイズのタッピングビスに、

これまた丁度良いサイズのワッシャーを作製し、

裏側にそれを当てて、

ビスをねじ込むという作戦としました。

ネジやが多き過ぎると塗らない範囲が残り過ぎて仕上がりが悪くなりますし、六角ボルトを使うとその痕も格好悪いので、色々考えてこの方法としました。

今回のハブはスポークを差し込む穴がザグリ(テーパー状に面取り)されていて、これに丁度合ったのが今回のネジの頭の形状&サイズという訳です。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!