ヴィオラ・ダ・ガンバ カーボンケース 組み付け中

viola39一応まだ二日間程夏季休暇が残っているのですが、休めば休む程後で自分が苦しくなるのもよく判っていますので本日より通常運転再開しています(ただ体裁上は「休日」と言うことで、比較的のんびりやらせて貰っていますが)。

先日塗り終わって寝かしておいたヴィオラ・ダ・ガンバのカーボンケースは塗膜が十分に硬化していますので、さっそく組み付け作業を行いました。

viola8これらが元々着いていた部品で、元々はアルミリベットで着いていたのですがどうもそれの見た目が安っぽいので、今回はそれら全てをネジにする事にしました。

viola40ただやってみて判ったのですが、部位によってケースの厚みが全然違って、ネジの長さを使う場所によって調節しなければなりません。なるほどここでようやくリベットが使われていた理由が判りました。 何て大変な道に進んでいってしまったのかと・・・(恐)。

viola41 しかも実際に色が着いて気づいたのですが、どうも今回採用した淡いブルーメタリックが真鍮のゴールドに合わないような気が・・・(苦)。なので一応予備に購入しておいたステンレスのネジを合わせてみると、やはりこちらの方が合っているようです。

うーん、ステンレスのネジを切るのは結構大変なのでどうしようかと少し悩んだのですが、この辺については一任されていますので、当初の予定を変更して、ネジが単体で装着される場所とメッキパーツが付くところには銀色のネジ(ステンレス)を、黒い金具を固定する場所には金色のネジ(真鍮)を使うことにしました。形状はどちらも同じ様にナベのスリワリ(マイナス)で統一します。

viola42 また一部ではリベットじゃないと付けられないような所もあったのですが、ナットの方にバンドソーで切り込みを入れて対応したりもしました。確かスプレーガンの一部にもこういったナットが使われていますよね。

viola43先ほどの切り込みを入れたナットを使ったのはホック(スナップ?)ボタンになった部分です。これなら後で外す事が可能です。

viola44 ステンレスのネジが使われた表側はこんな感じです。今回塗った色のイメージがどうも先進的な感じがして、これには真鍮の黄銅色よりも、ニッケルメッキとかステンレスなどのちょっと鈍い感じのシルバーが似合うと思ったのです。

viola45固定部分のパーツは艶消し黒で、それの一部には元々真鍮素材が使われているのでここに使うネジはそれに合わせて真鍮で統一する事にしました。やはりここには黄銅色が似合いますよね。しかしもう完全に塗装屋の仕事から逸脱しているような気が(苦笑)。

ちなみにステンレスのネジはそこまで使う予定では無かったので、全部使い切ってしまって現在追加発注中です。また今回ネジを切る時にちょっと怪我をしてしまいましたので(ステンのネジがやはり堅くて堅くて・・・)、これも含めて今後は少しローペースでの作業にさせて頂くかも知れません。まあ幸いにしてまだ休みが一日残っていますので、養生しながら少しずつペースを上げていこうと思います。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きますね。どうぞもう少々お待ち下さいませ!

ヴィオラ・ダ・ガンバ カーボンケース 磨き

viola38 先日本塗りを終えていたヴィオラダガンバなる弦楽器用のカーボンケースです。

塗装後はいつも赤外線ヒーターを当てて熱を掛けるのですが、今回はどうも元々塗ってあった塗装の下地が余りよくない感じだったので(恐らくラッカーパテの多用)、赤外線ヒーターの使用は少しだけに控え、その後は工場の屋根裏で寝かしておきました。この時期の屋根裏は温度が50℃を超える程になるので丁度良いんですよね。

viola36表面の磨きが終わったら裏返して「フチ」を黒で塗装します。ケースの内側には溝があったりウレタンマットがギリギリまで貼ってあったりと、ちょっとマスキングがやり難くて塗り分けが上手くいっていない箇所もあったので、最後にエアーブラシを使って断面を薄く黒く塗ってシャープ感を出しておきます。画像はありませんがもう一個の方も同じ様にやっています。

viola37現在は工場二階の事務スペースで保管していまして、もう少し寝かしたら外しておいた付属品を組み付けていく予定です。そちらもちょっと時間が掛かると思いますので、予定としてはお盆休み中に出てきてゆっくりやるつもりです。どうぞもう少々お待ち下さいませ!

ヴィオラ・ダ・ガンバ カーボンケース 本塗り

viola30 大変お待たせしました!ヴィオラ・ダ・ガンバ用のカーボンケース、無事本塗り完了しております。

残っていた裏側のマスキングを終え、ケースス本体が台に直接触れないようにする為に間に段ボール箱を置いてセッティングしています。

viola31 そしてベースコートの塗布が完了です。いつもの小物に比べると比較的面積が大きいのですが、実は作っている色(塗料)自体はそんなに多くは無く、(今回は200ccです)、ただそれでは全然足りないので、こういった場合は在庫している塗料(要は余って残っていた塗料)を使ってこれと似た色を作り、それを下色として塗って完全に隠蔽してから本来の色で仕上げています。

塗装の仕事ではまさか「色が足りない!」なんて事はあり得ませんので大抵は色を余らせてしまうのですが、そういった塗料は結構色々な種類があるので、例えば今回はシルバーともう少し濃いブルーメタリックを混ぜてこれに似た下色を作っています。これはコストを抑える為でもありますが、とにかく無駄にゴミを出すのが嫌なので、こうやってリサイクルしてやらせて頂いております。仕上がりには関係ありませんのでご安心下さいませ。

viola32 そして十分にベースコートを乾燥させたらクリアーを塗って本塗り完了です。最近一気に気温が高くなったので硬化剤・シンナー共に揮発温度の高いタイプに変更しています。

viola33 硬化剤は4種類、シンナーも4種類あって、気温や作業内容によってこれらの組み合わせを変えて使います。

viola34色はPORSCHEの純正色「HORIZONT BLAU」(カラーコード:37X)で、使われているメタリックの粒子感は比較的細かく上品な質感に見えると思います。

viola35全体的に素地調整を行なったお陰で被塗面はかなり美しくなっていると思います。ただ最初の状態からして、恐らく熱を掛けるとカーボン繊維の模様がまた大きく出て来てしまうと思いますので、今回は熱の温度を控えめにし(50℃程度)、その分時間を掛けてじっくり硬化させようと思います。お待たせして申し訳御座いませんが、組み付けまで二週間くらい寝かしてあげたいので、何とぞもう暫くお待ち頂けますようお願い申し上げます。折角綺麗に出来たのに、熱を掛けてプクっとブリスターとか出たらショックが大き過ぎますので・・・(FRP製品は時々そういった事が起こるのです)。

組み付け作業に入りましたらまた紹介しますのでどうぞもう少々お待ち下さいませ!

ヴィオラ・ダ・ガンバ カーボンケース 下準備

viola28 先日サフェ研ぎを終えていたヴィオラ・ダ・ガンバなる管弦楽器のカーボンケースですが、時間が経って見るとやはりと言うか再び表面にカーボン模様が出ていました。多分下地でラッカーパテが多用されている為かと思いますが、ただそれでも最初に比べれば全然綺麗にはなっていますので(と言うかもう気になってしまう症候群みたいな感じでして)、一応全体をもう一度研磨だけしておきます。

viola29裏側には最初にマスキングしておきましたが、一応こちらも一旦全部剥がして内側をよく清掃しておき改めて貼り直しておきました。手前のカバーはマスキングテープが貼れるフチがあるのでしっかりと養生出来るのですが、向こう側のカバーは裏面全面にウレタンマットが貼ってあって、何故かこれにはマスキングテープがくっつきませんから(ウレタンでは無くポリエチレンかも知れません)、もう少し強力なパイオランクロステープ(緑色のテープで主に建築塗装や梱包などで使うテープです)を最初に貼っておき、残りは本塗りする当日に貼ることにします。

今週末の休み中には色を自宅で作っておき、来週中にはいよいよ本塗り予定となります。どうぞもう少々お待ち下さいませ!

あとオーナー様のウェブサイトも伺っておりまして、御許諾頂きましたので後日こちらで紹介させて頂きたいと思います。さすが超プロというかウェブサイトも凄く格好良くて、本当にもう羨ましい限りでして・・・(笑)。

ヴィオラ・ダ・ガンバ カーボンケース 色確認

viola26ヴィオラ・ダ・ガンバのオーナー様にお貸し出ししておりました色見本帳が戻って来まして、それぞれの上の段にある淡いブルーメタリック3色のいずれかで検討中との事です。

私的な見解というか好みとしては、上の三色からすると一番右のポルシェのブルーが一番メタリックの粒子が細かく、また色の発色も良い(濁りが無い)ので、あのケースのサイズを想定するとこれが一番綺麗なのでは、と思う次第です。

viola27ちなみに先ほど見ている状態が所謂「ヘッド」(正面)で、この画像のように寝かして角度を付けた状態で見る事を「サイド」(透かし)と呼びます。正面と透かしで色相に変化を与えると色の表現が豊かになるのですが、余り変化が大きいと派手にもなるのでこれくらいで宜しいかと存じます。

その他ご不明な点が御座いましたらお気軽にご連絡ください。どうぞご確認の程ご検討宜しくお願い致します!