ヴィオラ・ダ・ガンバ カーボンケース 仮組み

viola25先日サフェ研ぎを終えていたヴィオラ・ダ・ガンバなる弦楽器のカーボンケースです。元々付いていた付属品はリベットで固定されていて、今回塗装した後の組み付けにはそれでは無く新たに用意した真鍮製のビスとナットに替えたいので先に仮組みをしてみて様子をみておきます。

vila10真鍮製のマイナスネジと言うのが中々市場に無くようやく見つけたのがこれらで、長さは15mmと20mmの二種類しかないのでそれぞれをカットして使う必要があります。

viola21ネジをそのまま使うとこんな感じに飛び出てしまいます。中に入る楽器は相当重要な物ですからこのままって言うのは有りえませんよね(そうじゃなくても有り得ませんが)。

viola20 素材がステンレスだったら切るのが大変でしたが真鍮製であれば圧着ペンチに付いているねじ切りの為のおまけ機能?を使って好きな長さに切ることが可能です。それぞれネジのサイズが記載されている穴に切りたい真鍮ネジを指し込み、グっと握れば結構簡単に切れてくれます。

viola22 ケースは場所によって厚みが違うのでネジの長さもそれに合わせて切らないといけないのですが、とりあえずはこれくらいだけ切って仮組みをしてみる事にします。

viola23 こんな感じで丁度良くなりました。きっとこの辺の調整とかも面倒なのでリベットで付けてあるんでしょうね。

viola24そして表側ですが、リベットに比べると真鍮のネジは頭が若干大きくなりますから、もしかしたらストッパーの蓋の邪魔になるかも?と思っていましたが、これは全く問題なくクリアー出来ました。ストッパーに使われている真鍮のシャフトとお揃いで見た目的にはこれの方が雰囲気が出て良いですよね。

それでは外装色が決まりましたらご連絡頂ければと思います。または他に希望の色味が御座いましたら色見本お貸し出ししますのでお気軽にご用命下さい。どうぞ宜しくお願い致します!

ヴィオラ・ダ・ガンバ カーボンケース 下準備②

viola19先日サフェーサーの塗布まで完了しておりましたヴィオラ・ダ・ガンバのカーボンケースです。サフェーサーが完全硬化したので全体を研磨して平滑にします。

ケースの内側にはウレタンフォームが全体に貼ってあって、そこにサフェーサーの研ぎ汁が付くと取れなくなってしまいそうなのでサフェ研ぎは全て空研ぎにて行ないました。一昔前は空研ぎ要の細かいペーパーは無かったのですが近年は研磨粒子(とその付着方法?)が発達したので磨きも含める全行程が空研ぎだけで可能になっているのです。ただそれなりにコストも高くなってしまうので使うかどうかはケースバイケースですけどね。

と言う事でウレタンサフェーサーは#320、#400、#600、#800をそれぞれ機械研ぎや手研ぎで研磨してサフェ研ぎを完了しております。

本塗りの前に金具等付属品の仮組みを行いますのでそちらも進行しましたらまた紹介させて頂きますね。お好みの色が決まりましたらご連絡頂ければと思います(ごゆっくりで構いません)。どうぞ宜しくお願い致します!

ヴィオラ・ダ・ガンバ カーボンケース 下準備

viola10 こちらも遂に実作業開始しましたのでご安心下さいませ。ヴァイオリンより大きい弦楽器のヴィオラ・ダ・ガンバ(し、舌を噛みそうな・・・)用のカーボンケースです。

ちなみに付属品を固定しているリベットを外した際にケース内側のウレタンフォームを部分的にカットしていますが、最後にここを塞ぐウレタンシートをようやく現在の物に近い物を見つける事が出来ました。取り付けはリベットでは無くネジ&ナットで固定する予定で、現状の穴よりも大きめにカットして両面テープを貼って取り付けるか、穴に詰め込むような感じにする予定です。穴が密集している所は四角くカットして貼った方がスマートそうですかね。

viola11 そして作業前に裏側を養生しておきます。今回は汚れるのが嫌なので水は使わず全行程空研ぎで行くつもりです。

viola12 ちなみに下地処理を要する箇所は傷部分のみを想定していましたが、やはりと言うか傷が無い箇所でも塗膜の状態は余り良くありません。うーん、何ででしょう。

viola13 傷のある部分を削ってみて判ったのですが、どうやら既存の塗装ではカーボン樹脂の上にラッカーパテを多用している模様です。茶色いのが多分そうで、それ故にあのような痩せたような模様になっていたのだと思われます。日本だと昭和の時代に終わったようなやり方ですが(少なくとも私が塗装屋になってからこういうやり方はやっていません)、まあこの辺は仕方無いですかね。

viola14 と言う事で、当初はサフェーサーは部分的に留める予定でしたが、結局全体的に#180~#240を掛けて全面下地処理を行なう事になりました。まあいつもの通りですね。

viola16 ちなみに今回ちょっと気になっていたのですが、それぞれのカバーの断面は角が立った状態で、これのせいで蓋を閉じる時に塗装が剥がれていた箇所もあったので、今回はここの面を取って極力滑らかに開閉出来るようにしておきます。まあ厚みが1ミリくらいしか無いので意味があるかはどうかは微妙ですけどね。ただやっておけばスッキリしますので。

viola17 と言う訳で素地調整が完了です。傷自体はそんなに無いのですが広範囲に散らばっているので部分的な補修では意味が無く、しかも何でも無いところの素地もあんな感じでしたから結局最後はこんな感じになってしまいますよね。

viola18カーボンは比較的薄く全体的にたわむのでサフェーサーには軟化剤を入れて塗膜を割れないようにしておきます。と言うか軟化剤を入れなくてもサフェーサーが割れるくらいなら先にカーボンが割れますから、今更ながらこれが無意味だと言う事に気付きました・・・。まあ入れて悪いことは無いのでその点はご安心下さい。

とりあえずこの状態で数日寝かし、他に何か熱を入れる時にこれも一緒に当てておく予定です。その後はサフェ研ぎですが、その前に一度各付属品を仮組みしてみようかと思います。新たに入手したネジは長過ぎるのでカットしないといけないんですよね。ただ素材が真鍮なのでそんなに大変では無いと思います。もう少々お待ち下さいませ!

ヴィオラ・ダ・ガンバ カーボンケース用の真鍮ネジ

vila10 先日分解しましたヴィオラ・ダ・ガンバなる弦楽器用のカーボンケースですが、それらに付いていた付属品の固定に使っていたアルミリベットがちょっと残念と言う事なので新たに真鍮製のビスを取り寄せてみました。

ネジの頭は全てマイナスで揃えて、元々付いていたリベットに合わせてそれぞれの太さも揃えました。、ただこれらの入手が思っていたよりも難しく、また黄銅製(真鍮の事です)なのでてっきり鈍い黄金色をしているのかと思いきやニッケルメッキが施されていたりと、理想通りの物を揃えるまでにかなり余計な物まで買ってしまった始末です。まあある程度は判っていましたし、これもいつもの事ですけどね。

viola8 外した部品はこんな感じで、これら全てリベットで留められていた物を新たに真鍮製のマイナスネジに替えよう、と言う作戦です(まだ決定と言う訳では無く、一応オーナー様に最終確認を行う予定です)。

vila11 真鍮のネジに替えたかった理由としては、元々付いていた固定具のシャフトやカシメにこの真鍮素材が使われていた事で、どうせ一度外してまた付けるのであればアルミのリベットよりも全部を真鍮に揃えてしまった方が断然素敵なのでは、と思った次第です。またいずれ再塗装をする再にも全てネジであれば破壊せずに分解が可能なので断然作業は楽ですしね。

vila12 リベットの変わりだとこんな風になる感じです。新たなネジはまだ真鍮の輝きがありますが使っている内に良い感じの鈍い光り加減になる筈です。

viola2 蝶番の部分は黒で統一されてますのでこれでも悪くは無いのですが・・・

vila15 ここもこんな感じになるとちょっとクラッシックっぽくなって良いですよね。と言ってもこれは完全に私の趣味なのですが・・・。

vila16ちなみにニッケルメッキのマイナスネジもあるのでこういった箇所はそれでも良いと思います。ただ真鍮は金メッキのような輝きはしませんから組み合わせとしては悪く無いと思います。なんて言ったって錆びないですし、しかもすりわりですからね!(=マイナスネジの事です・・・)。

と言う事でかなり暴走気味ですが、まずは上記ご確認の程御希望などをお伺い出来ればと思います。マイナスネジでもニッケルメッキの物もありますので是非御希望をお聞かせ下さいませ。

本体の作業の方はテールランプ関係の塗装が終わってから始まる予定です。どうぞもう少々お待ち下さいませ!

ヴィオラ・ダ・ガンバ カーボンケース 分解

viola3 先日お預かりしておりました「Viola da gamba」なる弦楽器用のカーボンケースです。実作業はもう少し先になりますが、新たに取り付けるネジ等の手配もあるので先に分解しておく事にしました。

viola9付属品の固定には全てリベットが使われていて、これについては自動車の板金塗装をやっていれば慣れているので問題は無いのですが、如何せん取り外しがとても面倒です。場合によってはドリルだと空転(共周り)してしまうのでベルトサンダーとかで外すような事になりますからね。しかも50個くらいあったりと・・・。

viola4 と言う事で片っ端からドリルで揉んでいきます。リベットの両側にはカーボンが割れないようにワッシャーで挟むようにして取り付けられています。

viola5 ケースの内部には全体にウレタンマットが貼ってあって、リベットを外す部分はそこをカッターで切り抜きます。単にリベットの膨らみだけならば小さい穴で済んだのですが、ワッシャーがある為にその分少し穴が大きくなってしまいます。最後に同じような素材を貼って違和感の無いようにしたいと思います。

viola6 そして分解完了です。思ったよりも大変でしたが、組付けはリベットでは無くネジとナットを使う予定なので次回また分解するような時は断然作業は楽になるかと思います。

viola7 ケースの中に着いていたクッションパッドや固定ベルトなどです。楽器に合わせて位置が決まっていると思うので一応判るようにしておきました。

viola8 そして付属品です。着いていた場所や向きが後で判るように外す前の状態で全て撮影してあります。

初めて触れる物だと手探り的な所があってどうしても時間は掛かりますが、むしろ毎日同じ事を繰り返す作業よりかは楽しめるような気がします(商売としては良く無いんでしょうけどね)。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きますね。次はガッツリ研ぎ作業になりますのでタイミングを見計らって少し先になるかと思います。どうぞもう少々お待ち下さいませ!