オーディオパネル塗装 完成

audio8 大変お待たせしました!長らくお預かりしておりましたオーディオパネル(オープンリールデッキのフロントパネル)、グレーの艶消し仕様で完成となります。

audio9 今回はプライマーだけでは無くサフェーサー(勿論2液ウレタン)で下地を整えているので打痕後なども綺麗に除去出来たと思います(私が見る限りは残っている箇所はありません)。

audio10 ちなみに「缶スプレーの艶消し黒」でもこれくらい綺麗に塗れたりはしますが、勿論2液ウレタンの艶消しクリアーに比べれば耐久性が違います。普段触れない物であれば1液性(ラッカー系)でも問題は無いと思いますが、スイッチ操作などでよく擦れたりするとその部分だけ艶が出てしまい「使用感」が強く出てしまいます。耐擦り傷性の良いクリアーであればそういった事も極力抑えられますので御安心ください。尚、缶スプレーが悪いという訳ではなく、使用目的や用途、トータル的なコストを考えて選ぶと宜しいかと存じます。

audio11パッと見は黒く見えますが、実際にはこのようにかなり白が入ったグレーです。工具箱天板の黒いゴムマットと比較すると判りやすいかと存じます。

それでは後ほど完成のお知らせメール差し上げますね。既に梱包も完了しておりますのでいうでも発送OKです。

この度のご依頼、誠に有難う御座いました!

 

オーディオフロントパネル 本塗り

audio3先日塗っておいたサフェーサー が完全硬化したので表面を研ぎ付けます。2液のウレタンサフェーサーはそれなりに硬く膜厚もあるので「研ぐぞ」と思うくらいの意気込みが必要です。油断してペーパーだけで研ごうとすると肌目さえ残ってしまうのでちゃんと当て板を使って研ぎ付けます。画像は一階作業場の流し台の上で、塩ビの床シートの端切れを敷いてその上で研いでいます。魚を捌くのと同じ様に汚れても直ぐに流せるので結構便利です。ちなみに魚は捌けませんが・・・。

audio4 そして本塗り準備完了です。平面に見えますが上下が少し内側に曲がったような形になっているのでそこに上手く嵌るようにダンボールをカットして下に敷いています。ちなみにサフェーサーを塗った時と同じ物を使っています。

audio5 事前に作っておいたグレーのベースコートを塗ったらよく乾かし、続けて艶消しクリアーを塗ります。艶消しクリアーは「クリアーに艶消し剤を入れるタイプ」の物では無く、最初から艶消し剤が練りこまれた「艶消し専用クリアー」を使っています。昔は前者のタイプが主流でしたが、近年は後者のようなものがメーカーから出ていて、材料費としては結構なコスト高になりますがこれの方が安定して艶が消えてくれるので間違いがありません。予め軟化剤が入っていたりもするので柔らかい物でも大丈夫です。艶消し・半艶では散々悩みましたが(塗装屋さんなら判るかと・・・)、今はこういった便利な材料があるのでストレスは相当無くなりました。

audio6そして強制乾燥後の状態です。見事にムラ無く綺麗に艶が消えましたよね。良い材料のお陰です(笑)。

ちなみに艶消し&半艶は塗装後に磨きが出来ませんから(艶が出てしまいますので・・・)、実は通常の艶有り塗装よりも余程シビアな塗装になります。艶有り仕上げであればゴミが付いても磨きで判らないように出来ますが、艶消しや半艶仕上げではそうはいかないからです。ラッカー系の1液塗装であればそんな心配も無いですが、塗膜自体の耐擦り傷性が弱いので、触れている箇所がテカテカと光ってしまったら嫌過ぎると思いますし・・・。

という事で、今回の本塗りを終えて塗装ブースの出来具合もかなり良い事が判りましたので、これでようやくテールレンズ系の透過性の塗装もOKとなります。艶消しの場合は磨きが出来なくても塗り直せばまだフォローは出来ますが、テールランプ等のスモーク塗装やキャンディー塗装ではそれさえも通用しませんので本当に気を付かうのです。

それでは完成次第改めて紹介させて頂きますね。どうぞもう少々お待ち下さいませ!

 

オーディオパネル 下地処理

audio3先日色は作成しておいたので旧塗膜を剥がします。と言うか、塗膜自体は特に問題が無ければ全部剥がす必要は無く(まともな塗膜と言うことが前提ですが)、剥がすと言うよりは傷がある塗膜を削って平滑にするといった作業になります。今回の場合は小傷が全体的にあるので、一つ一つを拾っていくよりもエアーツール(ダブルアクションサンダー)を使って全体の塗膜を削ってしまった方が早いと言う事なのです。同様に自転車フレームの塗膜を剥離するケースも殆どがそうですね。パッと見は気付かなくて小さな傷は沢山あるので一つ一つ処理するくらいなら全部剥がしてしまった方が余程早い(安く済む)のです。

audio4アルミ素材の場合はちょっとした傷でもこういった打痕が残っているケースが多いです。この程度なら2液のサフェーサーで埋まるので(埋めた後に研ぐので)特にパテなどは使いません。塗膜を削らないで傷をパテだけで埋めようなんて事は通常有り得ません。

audio7また全体をダブルアクションサンダーを使ってやろうとすると、こういった細かいフランジのプレスラインなどは削り過ぎてラインを崩してしまう恐れがある為、こういった箇所は最後に手研ぎで処理します。

audio5そして下塗り準備完了です。裏側は全面にマスキングテープを貼ろうと思いましたが、2液のサフェーサーやクリアーなどは比較的膜厚が付くのでフチに塗料のバリが出来てしまいますから、今回は上下のフランジ部分に合わせてカットしたダンボールを敷くだけにしました。パネル自体の自重があるのでこれなら裏に塗料も飛ばないと思います。

ちなみに純正の塗装はちゃんとプライマーが塗られています。電化製品等の場合、大抵は金属に直接上塗り塗装が施されているケースが殆どなのですが、今回のようにわざわざプライマーが塗られているのは結構稀です。こういった事は昔の物の方がちゃんとやってあるように見受けられます。まあ現代では内需だけの戦いでは無いですからメーカーも大変なんでしょうけどね。

audio6ちょっと写真が一枚足りませんが、最初にプライマーを塗ってからサフェーサーを塗っています。プライマーは薄く2コート、サフェーサーはいつもよりもシンナーで多く希釈して薄目にしたものを4コートに分けて塗っています。例えば希釈しなければ2コートで塗って同じ膜厚にも出来ますが、その場合は「肌」が荒れてしまうので(凸凹の山と谷の落差が大きくなるので)、こういった研ぎ作業で角の下地を出し易いような場合は極力肌が滑らかになるようにしておきます。まあ結局後で自ら研ぐのですから出来るだけ楽で確実に出来るようにしておくのは当然の事なんですけどね。ただ元がせっかちな性格だったので、若い頃はこれが出来なく色々と苦労をしましてでして・・・(笑)。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きますね。もう少しです。

オーディオパネル 色作成

audio こちらもお待たせしております。オープンデッキのフロントパネルですね。こちらは下地処理の為に既存の塗膜を削り落とすので、その前に色を作成しておく事にします。うっかり先に剥がしてしまったらもう取り返しが付きませんからね・・・(いつかやるんじゃないかとかなり怖いですが)。

ちなみに紙コップの中に入っているのは原色の黒です。パネル単品で見ると「黒」に見えないでもないですが、こうやって比べてみるとその違いはよく判ると思います。そうなんです、色単体では個人的な見方でしかないので、それが本当にその色なのかは実は判らないんですよね。故に大切なのは比べる事、つまり「比色」になるのです。色の基準なんて本当は自分の中に作ってしまってはいけない事だと思っていたりもしますので・・・。

audio1 で、かなり白を入れました。大抵は白の他に赤(実際は錆びのような茶色)と黄色(これも濁ったオーカー)、後は緑か青で調整するのですが今回は黒と白のみで近くなりました。

audio2と言っても本来の「調色」はこんなやり方では行いません。こうやって筆(では無く実際は指)で塗ったものとスプレーガンで塗ったものでは色の見え方は違うのです。さらにはクリアーを塗るか塗らないか、そのクリアーの種類や膜厚でも違って見えます。

ただしそこまで行うと時間が掛かり結構な工賃が発生するのでそこまでは特にお勧めはしていなく、殆どの場合は今回のような「簡易的な色の作成」で宜しいかと存じます。こういった方法であればスプレーガンを用意したり洗浄したりする手間は無く、5分以内での作業であればサービスの範囲内で出来ますので無料で対応しています。

または自動車のボディカラーであれば配合データは殆どありますので、車体毎のブレは間違いなくありますが、小物部品程度であれば配合データそのままでも問題はないかと思います。二輪車の場合はデータが無いケースも多いので事前に色番号を教えて頂ければ調べられます。

それではまた作業進行しましたら紹介させて頂きますね。

ちなみに本日は通常営業初日からかなり忙しく未だ工場を出られない状況です。今日中に帰れない気もしますが、仕事があるというのは有り難い限りですね。居眠り運転にならなければ・・・なのですが(自転車なのでそれは無いでしょう。笑)。

 

オーディオパネル塗装承ってます

audio こちらもすっかり紹介が遅れました。オープンデッキなるオーディオ機器のフロントパネルの補修塗装を御依頼いただきました。この度のご依頼、誠に有難う御座います!

こちらはオーディオ製品のフロントパネルで、現状塗られている塗装の状態が余り宜しく無いとの事でこの度御依頼承りました。

意外とお問い合わせが多いのがこういったオーディオ関係のパーツで、ただ一品物の塗装となると(特に下地処理も含めた修復関係の場合)それなりに費用が掛かるので対費用効果としては中々御依頼に至るケースが少ないのが現状です。まあこれはオーディオ製品に限る事ではなく、全般的にどうしても仕方の無い事なのですが・・・。

audio1 元々は「グレー」の艶消し塗装で、各部に細かい傷や擦れて変な艶が出てしまった箇所が全体的にあります。

audio2艶消し仕上げの場合、日常的に擦れてしまう箇所だったり、何かの理由で強く擦ったりすると中途半端に艶が出てしまい取り返しの付かない事態になります。コンパウンドでは艶は出せますが、ムラ無く艶を消す方法となるとウェットブラストまたは再塗装しか思い浮かびませんので・・・。

部分的に深い傷もあるので、下地処理としては全体的に表面を研磨、そしてサフェーサー塗布→研磨で下地を作り直してからの塗装を予定しています。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きますね。作業着手はまだ当分先になるかと思いますが何卒御容赦の程宜しくお願い致します。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!