ヤマハショルダーキーボード塗装 完成

先日本塗りを終えていたヤマハKX5ショルダーキーボードです。

塗装した鍵盤にはそれぞれ裏側に金属製のプレートが着いていたので、

それらを基に戻します。基本的に数パターンで形が決まっている物だと思いますが、念のため番号を書いておき、それぞれ同じ様に組み合わせていきます。

それらど土台に装着し、

組付けを行ったら完成です。大変お待たせしました!

最初の状態も紹介します。

元々はこの様な状態で、

通常通り白い鍵盤だった物を、

艶ありの黒に塗装を施しました。

クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーの仕様となります。

各画像はサイズの縮小以外は未加工となります。

塗ったのは白鍵のみで、

元々黒い黒鍵はそのままとなります。

外側のカバーパネルを塗る御依頼は今まで何件かありましたが、

鍵盤の塗装を御依頼頂いたのは今回が初めてです。ちなみに個人的な趣味(サンプルの作成)としては、一度クロマフレア風顔料で塗った事はあります。

カバーパネル塗装のお問合せは結構あるのですが、「プリントされている文字を残して」といったご要望となるとかなり難しくなりますので、御依頼に至るケースは極稀です。一件だけ、ベースカラーがシルバーと言う事で、その上にピンクのキャンディーカラーで塗った事があるくらいですね。

それでは後ほど完成のお知らせメールを差し上げます。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!

ヤマハショルダーキーボード 本塗り

先日お預かりしておりましたヤマハKX5ショルダーキーボードです。

それぞれを#800~#1300相当の布状研磨副資材(アシレックスレモン~オレンジ)で研磨して足付け処理を行い、脱脂清掃をしておきます。

こういった数が多い物を一つずつ塗ると塗装費用が大きくなってしまいますが、専用の治具を作って一度に塗れるようにする事でコストを落としています。

本体に固定する箇所には塗料を着けないようマスキングをし、10個程度ずつを纏めて手で持って塗れるようセットしています。

最終脱脂処理を行ったらプラスチックプライマーを塗布し、

まずはベースコートの黒を塗布します。

・・・が!1コート目に黒を塗った時点で素地の表面が塗料に侵されて荒れているのが判ります。

今回のプラスチック素材はシリコンオフで溶けなかったのでPS=ポリスチレンでは無く恐らくはABS樹脂で、これであれば塗装に問題は無いのですが、こうしたトラブルが起こる事は時々あります。

ABSは「アクリロニトリル」「ブタジエン」「スチレン」から構成される樹脂で、これらのバランスによって耐溶剤性なども変わってくると思われ、塗装を前提としている自動車部品であれば余り見られないのですが、パソコンパーツなどの家電製品ではよく見受けられたりします。

と言う訳で、この後はベースコートでは無く、1コートソリッドの黒=STANDOX2Kエナメルを使う事にしました。

1コートソリッドはトップコートの一種で、イメージとしてはクリアーに直接顔料(色)が入った塗料です。ベースコートに比べると溶解力が弱く素材を侵し難いので、これをベースコートの代わりとして使う事にしました。仕上りについては通常の方法と遜色無く、デメリットとしては作業時間が増えるのと材料費が余計に掛かるというのみですのでご安心くださいませ(2Kエナメルはクリアーより高額です)。

2Kエナメルの黒でしっかり完全隠蔽させたら、

あとはいつも通りにクリアーを塗って本塗り完了です。お待たせしました!

クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーの仕様となります。

ちなみにこの方法はソリッドカラーでのみ対応可能で、パールやメタリックでは使えません。2Kエナメルはソリッドカラー専用の塗料だからです。

ちなみにこういった場合の他の対処方法としては、ウェットオンウェットでのノンサンディングフィラーや、2Kエナメルの代わりにクリアーを使っての2度塗りなど、対処方法は色々あります。そもそも塗装は日々何かしらのトラブルが出るのが当たり前なので、限られた時間の中で如何にそれらを排除し、ある一定以上の品質を提供出来るかが重要だと思っています。

この後は一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。

今回は組付け作業もあるので完成までは少しお時間掛かるかと思いますが、出来上がり次第改めて紹介させて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

ヤマハショルダーキーボード塗装承ってます

先日到着しておりましたヤマハKX5ショルダーキーボードです。この度のご依頼、誠に有難う御座います!

本体そのままお預かりしておりますが、今回塗るのは鍵盤部分のみで、

こちらの白い鍵盤を「艶あり黒」への塗装で、またクリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーの仕様で承っています(黒い鍵盤は塗りません)。

キーボードの鍵盤塗装について御依頼を頂くのは今回が初めてですが、以前個人的な趣味で塗った時の物がありますのでそちらを紹介させて頂きます。

こちらはカバーパネルと黒い鍵盤を、見る角度で色相が変わるクロマフレア風の顔料を使って塗装しました。今回はこれと逆といった感じですね。

こちらのKORGのキーボードは鍵盤では無くボディを塗った物ですね。今回は白い鍵盤を黒に塗る訳ですが、例えばこの鍵盤をボディと同じ水色にする事も可能という訳です。

と言う訳で早速分解する事にしました(初めて行う物だと構造が判らないので実際に分解出来るのか不安ですので)。

見てない箇所に爪での固定だと破損するリスクがありますが(実際破損しないと分解出来ないような物もあります)、今回の製品はネジがメインなのでその点は気が楽です。

裏ブタを外すとキーボードの土台を固定するネジが出てきます。ただ配線のコネクターが表側に回っていたので、結局そちらのカバーパネルも外す事になりました。

と言う訳で鍵盤部をゴッソリ丸ごと外しました。

取り外す前にマジックで番号を書いておきます。順番通り元に戻らないと気持ち悪いですからね。

今まで分解したタイプとはちょっと違っていましたが、問題無く白い鍵盤を取り外せました。黒い鍵盤は何もしないのでそのままにしておきます。

取り外した鍵盤はそれぞれ金属製のプレートが着いていて、それも簡単に外れてしまうので予め番号を書いておきたいのですが、

グリースが付着しているので、

先に中性洗剤を入れた水に浸けて油分を取り除いておく事にしました。いつも使うアルカリ洗浄液やマジックリンでは無く一般的な食器用洗剤なので長く浸けておいても安心です。

その後数日間浸け置きし、ある程度のグリースを除去出来ました。

金属製のプレートを取り外し、元々着いていた鍵盤が判るよう番号を振っておきました。裏表も元通りに出来るようにしておきます。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!