リカンベントカウルパネル 下準備

cover6 先日塗った軟化仕様のサフェーサーが完全硬化したので研ぎつけます。全て手研ぎで行うのは大変なので最初はダブルアクションサンダーで#320→#400→#600で機械研ぎを行い、その後手研ぎで均します。

cover7一般的には水研ぎの方が「繊細」というイメージがありますが実はそういう事では無く、空研ぎは目詰まりがし易いので実用出来るのは#600まで、それ以上の細かい番手は水研ぎとなるので「細かい作業用」というイメージが付いたのだと思います。同じ#600の番手なら水研ぎよりも空研ぎの方が均一で綺麗な目になるのです。ただし番手の細かい空研ぎ用ペーパーは水研ぎ用のそれと比べると金額が高いのでそんなに気軽には使えない、というところです。

cover8細かい窪みや傷はある程度除去出来ましたがウネリはやはりそれなりに残っています。画像では綺麗に見えますがステーが付く部分には段差も出来ているのでその辺がやはり新品の物に比べるとちょっと劣るかも知れません。ただ今回の色自体はかなり派手で発色も良いキャンディーレッドですからそれらも余り気にならないと思います。これを装着した状態のインパクトは相当だと思いますので・・・。

リカンベントカウルパネル サフェ入れ

cover12 他に何か一緒にサフェーサーを塗れる物があればと考えていましたが、そもそもこちらはちょっと特殊なので(とても柔らかいです)、サフェーサーもかなりの軟化仕様にしなければならないですから結局単体で塗る事にしました。

よく脱脂をしてホコリを飛ばし、プラスチックプライマーを塗布したら少し乾燥させてサフェーサーを塗布します。

cover13 ここまでのサイズでサフェーサーを塗るのはちょっと久しぶりかも知れません。補強は入れていますが素材自体柔らかい事には変わり無いのでサフェーサーにも軟化剤をタップリ(といっても15%)添加しておきます。

cover14車体に固定する為のステーが付く部分がその形通りに盛り上がっていますが、こればかりは仕方無いのですのでそのまま進行しています。新しい部品もあるとの事ですが、それを付けても同じ様に変形する筈ですのでどうせなら傷の多いこちらの部品を塗る事で正解かと思います。

いよいよ本塗りの日も近いですね・・・。どうぞもう少々お待ち下さい!(でも裏側の塗装もあるので完成はまだ先ですが)。

リカンベントカウルパネル 素地調整

cover10 ようやく裏側の補強が完了したので塗装の為の作業に入ります。ここまで来るのに随分と時間が掛かってしまいましたが、何とか塗膜が保持出来る程度までにはしっかりと出来たので安心しました。本当は素材が判らない物に関しては手を出さない事が懸命な筈なのですが、結局なんだかんだ言ってやってしまうんですよね。勿論その為の費用をオーナー様がご納得して頂けると言うのが前提ではあるのですが(毎回すいません・・・)。

cover11実は傷以外にエクボ状の窪みやピンホールなどが結構ありまして、本当は全体にパテを塗って研ぎ出したいところですが、使用用途を考えるとさすがにそれはマズイですので(相当重くなります)、今回はサフェーサーで均す程度に済ませるようにします。勿論軟化剤を入れてフレキシブル仕様にします。

ちなみにこの素材ですが、あれだけ柔らかかったのに切削性は比較的良く、素地調整として#180のダブルアクションサンダー(+スポンジパッド)で全体を研磨しましたが、ポリプロピレンやポリエチレンのように毛羽立つ事も無く綺麗に足も付きました(足が付く=「足付け処理」の事で、被塗面に傷を付けて投錨効果が得られるようにする事です)。ポリカーボにしては柔らか過ぎるのでPVC(塩ビ)?でしょうか。

しかしこの光景どこかで見たような・・・と思ったら実際に見た物では無く私の頭の中にあったイメージで、村上春樹氏の著書IQ84に出て来たあの大きな「繭」でした(これなら解りますかね・・・)。

とりあえずこれ単体では無く、他にサフェーサーを塗る物が揃ったらタイミングを合わせて一緒に塗りたいと思います。そろそろ並行してフラッグポールも着手致します。どうぞもう少々お待ち下さいませ!

リカンベントカウルパネル 補強②

cover4 先週に完了していた作業ですがうっかり紹介が遅れてしまい失礼しました。

先日両サイドをプラスチック製のアングルで補強したリカンベント用のカウルパネルですが、縁に貼ってあった黒いモールを外したらさらにフニャフニャになってしまったので急遽フロント側も補強する事にしました。ただ完全な曲面ですからここにアングルは使えませんのでこちらはファイバークロスで補強する事にします。

cover5ある程度「コシ」が必要なのでファイバークロスは3重くらいに重ね、そこをエポキシ樹脂(接着剤)で固めます。勿論下地処理として足付け処理も行ってあります。

既に完全硬化して硬化の程は良い感じで、これなら塗装も出来そうです。ちなみにカウルの表側には深い傷が何箇所かあって、念の為全体的にサフェーサーを塗って下地を造っておこうと思います。もちろんこれも軟化仕様にして割れ難い塗膜にしておきます。裏側は最後に艶消し黒で塗装します。

それではまた作業進行しましたら紹介させて頂きますね。もう少々お待ち下さいませ!

リカンベント用カウルパネル 補強作業

cover6 こちらも大変お待たせしております。リカンベント(なるちょっと特殊な自転車)のカウルパネルですね。現在はクリアーなのですがこれをキャンディーレッドの塗装で承っています。

ただこちらが予想以上に柔らかい素材だった為、このまま塗っても「持ったら塗装が割れてしまう」と言う恐れがありますので塗る前に補強をしておこう、と言うことになっています。どうも最近塗る以外の作業が増えているような気がしますが気のせいでしょうか・・・。

cover1特に強い力で固定している訳では無く、この素材はこれくらい柔らかいのです。 塗装自体をお断りする事も考えたのですが、やり方次第では何とかなりそうなので色々試してみる事にしました(商売としては駄目ですよね・・・苦笑)。

cover3と言うことで取り寄せたのがこちらのPET製のアングル素材です。10mm幅の物は柔らか過ぎて使い物にならなかったので今回は20mm幅の物を使います。

cover7 補強のアングルは余り長過ぎるとカーブの部分に差し掛かってしまうので、直線の部分のみとして60cmの長さでカットして固定します。両方とも接着面は足付け処理をし、接着材は強力なエポキシ系の3Mオフホワイトを使っています。お手軽な両面テープも検討したのですがやはり駄目ですよね。

cover8 片側ずつ接着を行い無事両方付きました。効果としては抜群で、また全体の形を固定した訳ではありませんからこれなら車体に取り付ける際にも今まで通り固定具の形状にちゃんとフィットするように出来ています。どうぞご安心下さいませ。

cover9前方の丸味を帯びた箇所はまだちょっと柔らかいかと思いますが、あとは塗膜自体を柔らかい仕様(軟化仕様)にしますからそれで対応出来るかと思います。

・・・・と思って安心していたのも束の間、実はこの後に回りの黒いモールを外してみたら、前方の丸味を帯びた箇所が予想以上にフニャフニャになってしまいました・・・。さすがにこのままでは塗れそうも無いので結局そこにも補強を施す事にしました。ただ既に作業は完了していて後は様子を見るだけでして、恐らくはこれで塗っても大丈夫なレベルに出来ていると思います。

作業方法としては両サイドと同じ様なアングル素材は使えませんので(3次元曲面です・・・)、こちらはファイバークロスを貼ってエポキシ樹脂(接着材)で固定する事にしました。見た目はさすがに「補強しました」といった感が出てしまいましたが、裏側は最後に全体を艶消しの黒で塗るので、アングルも含めそんなに目立たないと思います。

ちなみに見た目を優先するとしたら2液ウレタン性のボディーシューツをタップリ塗ってコシを出す、と言うことも考えたのですが(多分これも有効です)、重量的にかなり重くなってしまうのでこちらはボツとしました。防振効果も得られるのでバイクや車だったらこれで良いんですけどね。自転車ではマズイでしょう・・・。

そちらの作業については後日撮影したら改めて紹介させて頂きます。どうぞもう少々お待ち下さいませ!