TOYOTA 5Mヘッドカバー結晶塗装 完成

5m3 大変お待たせしました!トヨタの5M-GEUヘッドカバー、黒の結晶塗装で本日完成となります。

実はいつもの窓際で撮影していたのですがどうも上手く撮れず(何故か真っ青になります)、一応室内の照明を使って撮影してみました。案の定窓際で撮った画像はひどかったので室内で撮影したこちらを紹介する事にします。

5m4 このヘッドカバーは形状がフラットなので塗装作業自体は比較的難しくはありませんが、凸部の面積が広いので最後の仕上げでここを光らせるのが実は結構大変です。時々業者さんで「削ら無くて塗りっぱなしで良い」と言う場合もあるのですが多分凄く後悔されているのでは、と少々心配になりますので・・・。

5m5こちらは窓際で撮った画像の中の一枚です。余り好まないのですが結構修正をしました(それでもipeg画像なので大幅には無理でしたが・・・)。塗った色は当然黒なのに到底黒には見え無く、仕方ないのでRGBのブルー値を下げてようやくこんな感じです。本物はちゃんと黒くなっておりますので御安心下さい。

それでは後ほど完成のお知らせメール差し上げますね。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!

 

TOYOTA 5Mヘッドカバー 凸部研磨

5m 先日結晶塗装を行った5Mエンジンのヘッドカバーの凸部分を研磨します。

作業方法としては「削るだけ」ではありますが、対称が金属なのでペーパー傷を残さないようにして番手を徐々に上げていきます。例えば今回は#80→#120→#180→#240→#320→#400までを空研ぎペーパーで行い、その後違うタイプの研磨材に替えて#320→#600→#1200で仕上げます。ここまで密に段階を踏んでいかないと逆に面倒な事になるんですよね。キレの悪いペーパーを使い続けると角が丸まってしまうのでペーパーもバンバン新しいのに替えていきます。

5m1 #240までは機械研磨(エアーツール)で、その後は手研ぎで行います。引越しの際に昔使っていた3Mの当て板が出て来たので今回はそれを使う事にしました。やはり握りやすくてこれは良いですね。

ちなみに作業場所は塗装ブースの中で、例の排気装置の真ん前で作業をしていますから粉塵もどんどん吸い込んでくれます。普通であれば防塵マスクを装着していないとやってられないような作業でも風上に居れば全く問題ありません。粉塵も周りに飛び散る事がありませんから迷惑も掛かりませんしね。

5m2そしてよくエアーブローをしたら最後に露出したアルミ素地にクリアーを筆で塗ります。金属に直接クリアーを塗ってもいずれ剥がれてはしまいますが、何もしないよりは腐食の進行を遅らせられますので有効ではあると思います。という事なのでこの作業はサービスですから、御希望の方はお気軽に御用命下さい。まあ特に何も言われなくてもやっておきますけどね。ただ業者さんからの御依頼でフェラーリの場合だけは確認するようにしています。腐食云々では無く「純正の状態」に拘る方はやはりいらっしゃると思いますので、その場合もやはり事前にお知らせ頂ければと思います。

それでは完成次第改めて紹介させて頂きますね。来週早々には発送出来る予定です。もう少々お待ち下さいませ!

TOYOTA 5Mヘッドカバー 本塗り

5m3 いきなりの紹介になってしまいましたが無事本塗り完了しておりますので御安心下さい。

現在お預かりしているヘッドカバー系の塗装は6件で、まずは上記3点を進行させております。手前のフィアット以外のパーツは旧塗膜があったので長い事溶剤槽に漬け置きしておいて旧塗膜を剥離しました。ちなみにフィアットのヘッドカバーも液体ガスケットの残りがしつこかったので同じく溶剤槽に沈めておきました。耐油性の高いシーラーは中々除去し難いのですが溶剤に浸けておくと比較的取り易いのです。

5m4溶剤での剥離が終わったらら続けてリン酸で表面の処理をし、よく洗浄したら一旦熱を掛けて水気を飛ばしていよいよ本塗りとなります。と言ってもいきなりトップコートは無いですね。時々金属に直接クリアーを塗って欲しい旨のお問い合わせを頂きますが、プライマーの塗装無しにトップコート(上塗り塗装)を行っても密着はしないのです。

5m5 そしてプライマー塗布です。プライマーの効果としては「防錆」と言う面が強いですが、金属素地と上塗り塗料(色&クリアー)との橋渡し的な役割も担っています。プライマーに含まれている顔料にそういった特性の物が入っていて、これが上塗り塗料には無いのでそれだけだと剥がれてしまうのです。金属に直接クリアーを塗って剥がれる原因として「クリアーには気孔が沢山あるから」といった物理的な事もありますが、それ以前にクリアーにはその特性が無いので化学的にも無理なのですよ・・・。そういえば最近火で炙るタイプのプライマーを耳にしませんがその後どうなったのでしょう(業界の話です)。

5m6そして無事本塗り完了です。お待たせしました!

画像では既に焼き上がった状態で、結晶塗装を塗った直後は通常の塗膜と同じ状態ですが、それに140℃程度の熱を掛けると徐々にチヂレ目が生じて来ます。塗膜中の下の層と上の層での伸縮率の違いを利用したような感じですかね。ヘッドカバー以外ではカメラの部品なんかにも使われていたりします。その温度まで加熱出来る物であれば他にも応用出来るとは思いますが、例えば自転車フレームにこれを塗ったとしても似合うかどうかと言うと・・・私的にはちょっと微妙な気がします。空気抵抗も増えそうですしね(多分そこまでシビアでは無いでしょう。笑)。

後は数日寝かしたら凸部表面を面研して鏡面状に光らせます。どうぞもう少々お待ち下さいませ!

 

TOYOTA 5Mヘッドカバー 結晶塗装承ってます

5m1ようやく移転先工場の整備もある程度の山を越えましたので、届いていた御依頼品の確認~撮影作業を順番に行っています。諸々お待たせして申し訳御座いません・・・!

画像はトヨタ5M-GEUのヘッドカバーで、現状「結晶塗装の黒」に塗られてはいますが仕上がりがちょっと微妙との事で今回御依頼承りました。御依頼内容としては現状と同じく黒の結晶塗装となります。

5m2

オーナー様が仰る通り、結晶塗装は全体的にムラになっていて、場所によっては結晶目が出ずに艶が出た箇所もあります。取り付けてしまえば普段は見えない場所ですが、一旦気になるとモヤモヤとした気分が延々続いてしまうと思いますから、オーナー様の心情としては装着する前に綺麗にしておきたいのでしょうね。判ります判ります。

ちなみにちょっと前にお納めしたホンダアコードのヘッドカバー結晶塗装(こちらはガンメタ)のオーナー様よりその後の御感想を頂いたので紹介させて頂きますね。以下画像がそうです。accord「先日は結晶塗装にて大変お世話になりました。洗車する際ボンネットの中も洗っておりますが、いつみてもいいですね!(笑)

首都高で走ったあと、PAでボンネットを開けてクーリングしてると、
おおっ!?って感じで見られます^^

車仲間の友人達からは大変好評でして、その中でポルシェの964ターボに乗ってる友人が、
インタークーラーに結晶塗装をしてみたいと言っております。」

との事です。本当は最後まだこのまま御相談内容に続くのですがそちらはまだ未定ですので勝手に文章を完結させて頂きました。御容赦下さいませ。しかし普段は見えない箇所でも結局は見るんですね(笑)。

5mちなみに中古ヘッドカバーの場合は開封後撮影を済ませたらそのままアクリル洗浄槽に入れてしまいます。油まみれの場合もありますからそのままその辺に置く訳にはいかず(感染してしまいますので嫌なのです)、これなら次に出す時は綺麗に油汚れが落ちていますから扱いが非常に楽になるのです。

で、その洗浄槽も昨日無事設置が終わりまして、その次に入れる剥離用溶剤槽の設置も完了しました。この辺りの汚れ役の設備達は扱いが難しい所もあるので置き場所には色々と気も遣うのですが(特に後者は危険ですので)、何とか無事良い場所が見つかりました。序々にですが通常業務が出来る体制が出来つつあります。

こちらも溶剤槽を出る頃には諸々の作業環境も整っていると思いますのでどうぞもう少々お待ち下さいませ。作業進行しましたらまた紹介させて頂きますね。

改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!