G-SHOCKカバー 本塗り

gshock3 先日エヴァ初号機の紫色を作成していたのでそのままの勢いで本塗りまで進行させてしまいました。ちなみに今日は第一土曜日で、確かPRO_Fitの休業日の筈だったような気がするのですが・・・(って毎回同じ事言ってますか)。

下地処理としては基本どおりの「足付け処理」ですが、形がこんな感じですし素材が柔らかい為、ペーパーだけの処理では足り無く、今回はさらにウォッシュコンパウンド+スコッチブライトとナイロンブラシを使って素地調整を行います。

gshock4 布状のペーパー「アシレックス」が登場してからはすっかりスコッチの陰が薄くなってしまいましたがこういうったケースではやはり頼りになります。#800といいつつこれでガラスを擦ったら大変な事になりますからね(耐水ペーパーの#800では傷が付かなくてもスコッチだと傷だらけになります。しかも取れません・・・苦)。

gshock5 綺麗に洗い流してよく乾かしたら本塗りのセッティングを行います。意外とこの作業が重要で、ここの出来が悪いと非常に塗り難く仕上がりが悪くなってしまいます。固定する方法は被塗物が変わる度に違うやり方になるので結構大変で時間が掛かっているのです。

gshock6 先ほどの素地調整で良い感じの状態になっているのが判ると思います(塗装前の状態として塗装屋からの視点で「良い感じ」です)。

ちなみに二個上の画像に写っている状態では水を弾いていましたがこの段階では完全に親水性になっていて、これが塗装の密着性に大きく比例しているのです。詳しくはソフト99辺りのお客様サポートでどうぞ(笑。多分よく知っていると思います)。

gshock7 裏側は見えないので塗らなくても良いと思ったのですが、ここを綺麗にマスキングする方が難儀だったので色だけ塗っておく事にしました。ちなみに最初に全体的に下塗りとして白を塗っています。

gshock8 ベルト等の極柔らかいパーツについてはクリアーは塗らずにベースコートのみで終了とします。さすがにこれにクリアーは塗っても使っていて割れてしまうと思いますので・・・。

gshock9 固定している金属棒は先日端材として購入した物で、それぞれ微妙に違ったサイズの穴にも丁度良い感じの物を選び、挿してだけで固定出来るようになっています。

gshock10 ベルト止めは中も見えると思ったのでそこもしっかり色を入れておきました。最初に中を塗って後から外を、といった塗り方をしています。

gshock11 そしてメインのセンターカバーは軟化仕様にしたクリアーを塗って本塗り完了です。

gshock12内側が汚く見えますがあれは固定用のマスキングテープなので気にしなくて大丈夫です。特に問題なく塗りあがっていると思いますのでご安心下さいませ。

完成後の使用についてはオーナー様にも気をつけて頂く旨をお伝えしていますが、現状では結構良い感じで出来たのでは、と思っています。「バンドの塗装は割れないの?」と思いそうですが密着性さえちゃんと確保していれば塗膜が堅くて割れる、と言うことは今までの例からして大丈夫だと思います(繰り返しますがクリアーは塗っていない仕様です)。電話機のカールコードも、合成ビニールの事務椅子も普通に使っていますが全く問題なく使えてます。ちなみに柔らかい素材用の塗料といえば「染め○」が有名で、私もこれで自分のバイクのシートを塗った事がありますが・・・・・・・・・今は使っていません。

メインのセンターカバーに塗ったクリアーは軟化材が入っている分完全硬化が遅くなりますので、完成はいつもより遅めになるかと思います。ではどうぞもう少々お待ち下さいませ!

G-SHOCK エヴァカラー作成

eva_1 こちらもお待たせしました!G-SHOCKの腕時計カバーの塗装も作業着手しておりますのでご安心下さい。

塗色はエヴァンゲリオン初号機の紫で承っていますので、以前その為に取り寄せたエヴァのフィギアを参考に色を作成します。

eva_2色々並んでいますが実際には白とバイオレットとパープルの3色のみで構成されています。

ちなみに画像に写っている小ボトルは市販されている物では無く自分で空ボトルに入れてシールを貼った物です。実際の原色(ベースコート)は全て自宅にあって、以前は使う予定の色をわざわざ工場まで持ってきて調色を行っていましたが、やはりと言うか「あああ!あれがあれば・・・(終)」なんて事がよくあったのでこういう物を作りました。中にはパチンコ球が入っているので容器を振れば攪拌出来るようになっています。といってもそれでは攪拌は不十分なところがありますので、基本的には自宅でちゃんとミキシングマシンにセットされた原色を使って色を作成し(計量調色です)、簡易的な使用はこういった形で対応するようになっています。海外の人がこれを見ても文章は判りませんから「日本だとこんなパッケージがあるのか・・・」と勘違いするでしょうね。

G-SHOCK時計カバー塗装承ってます

gshock こちらは先日到着しておりますカシオG-SHOCKの腕時計の外装一式です。この度のご依頼、誠に有難う御座います!

御依頼内容としては「エヴァ初号機の紫色に」との事で、私的には「遂にこの日がやって来たのか・・・」と、ただただ感無量で御座います(笑)。いや、まあいつかは来るのでは無いかと思っていたんですよ。

gshock1ただ懸念する点は幾つかあり、ベルトの部分はかなり柔らかいので普通に塗ると塗装が割れてしまうと思います。中央の丸い部品に関してはある程度の堅さがあるかと思いきや、クリアーの方はベルト同様にかなりの柔らかさです。丸い黒い方は比較的堅いのでこちらは問題ありませんが、何故かベルト止めは黒いほうが柔らかく、クリアーの方がしっかりしていたりします。ちょっと???な感じがします。

gshock2ただ素材自体はPU(ポリウレタン)なので塗装との相性は悪くはありません。以前行ったエアーホーンのホースは素材が不明で塗料が全く密着しないなんて事態に陥りましたが、今回その点は大丈夫なのでは、と思っています。ただクリアーはさすがに割れてしまうのでベルトの部分はベースコートのみ(硬化剤は入れます)、メインのレンズ周りの丸い部品はクリアー仕上げで艶々にと承っています。

エヴァ初号機の色については御存知無い方もいらっしゃると思いますのでちょっと紹介させて頂きますね。

eva5 自分の為に何かを塗ると言うことは殆ど無いのですが、衝動的に思いついて何かを始めたりする事は時々あります。社外記を見ている方なら知っていると思いますが、黒電話をエヴァカラーに塗ろう、と言う例のアレですね。

eva6今回のG-SHOCKはこの「紫」で塗る予定で、レンズ周りは艶々の紫、ベルトはクリアーを塗らない(塗れない)ので艶消し~半艶の紫になる感じで、私的には艶一辺倒よりもその方が良い感じになると思います。

ちなみにこういったネタが紹介されている「社外記」の存在ですが、私設なブログではありますが実は仕事の一環として大きな役割を担っています。今回の御依頼に繋がった事もそうですが(無くても繋がったかも知れませんが・・・)、とにかくサイト全体へのアクセス数は以前よりも飛躍的に多くなっています。日記の方は御依頼いただいている案件についてだけなので、その時に依頼をされていない方からするとちょっと他人事なところもあると思いますが、社外記の方であればカメラや自転車やDIY工作など普段の塗装の仕事とはちょっと違った趣向の物事を紹介しているので「ふーん」くらいには楽しんで頂けるのでは、思った次第です。まあ表向きは仕事とは関係の無い位置づけなので私的には息抜きも兼ねているんですけどね。ただ仕事と全く関係ないとなると私の場合全く続きませんので・・・(そういう性格でして・・・)。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きますね。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!