S-WORKSカーボンフレーム&フォーク サフェ研ぎ

sworks34 先日旧塗膜の剥離を行ってサフェーサーを塗っておいたSPECIALIZED S-WORKSのカーボンフレームとフォークです。その後熱を入れて塗膜を完全硬化させましたのでサフェーサーを研ぎ付けます。

sworks33 ボトムブラケットのベアリング周りのアルミ枠はフレームと一体構造になっている為、こちらは予め外周をノギスで径を計ってピッタリのマスキングシートを作成してマスキングに使っています。またサフェーサーを塗る時は膜厚で段差が付くのが嫌なので、さらに1ミリ程大きくしたマスキングシートを重ねて本塗りと同じ位置でブツ切りにならないようにしています。

sworks36 サフェーサーの上に塗った黒い点々は研ぎ忘れ防止のガイドコートで、これを見ながら研ぐとどこが低いのかやラインが崩れているのか一目で判ります。軽く研いでいますが、ボコボコなのが判ると思います。

柔らかい当て板を使うとこういった凸凹はそのまま残ってしまうので、最初は固い板を使って多少ペーパー目が深く入ったりカクカクしたラインになるとしてもその辺は構わず研ぎ付けます。

sworks35こういった細いパイプ状の面はつい柔らかい当て板を使って素早く研ぎたくなりますが、こういった個所も一旦は固い当て板を使って多角形的に仕上げ、その後柔らかい当て板を使って曲線的なラインに仕上げていきます。

ちなみに本来は当て板を斜めの方向にスライドさせるように研ぎたいのですが、このようなカーボンフレームのチューブはクロモリパイプなどの円柱形とは違って3次元的に複数の曲線が入り組んでいる為、その動かし方だと当て板の角が当たってスジ状に彫れてしまうのです。

なので一旦縦方向に研ぎ付け、その後角を取る方法にしています。

sworks37 空研ぎは#320→#400で行い、この後は水研ぎに移行します。

sworks38 空研ぎ用の#600や#800のペーパーも勿論ありますが、それだとどうしても研磨力が足りなく深いペーパー目が残りがちなので、水を使っても大丈夫な場合は#600→#800は水研ぎで行う事が多いです。

sworks39 ここでも#600は当て板を使って面出しを行い、その後ペーパーのコシを使った手研ぎで目を均していきます。最終は#800の水研ぎペーパーと、#800相当の布状研磨副資材(アシレックスレモン)で仕上げます。

sworks40同じようにフォークもサフェ研ぎを行います。

sworks41良く水気を拭き取って乾燥したら付属品(マスキング用のイモネジ)を外し、三回目の計量を行っています。

剥離作業前の重さが1138.3gで、旧塗膜を剥離後は1057.2gで81.1g減、今回サフェーサーを塗って研いだ状態がこちらの1112.9gとなります。

一応新車時よりはまだ軽いですが、この後の本塗りは2回に分けて行う予定ですので、恐らく40g×2=80g程は上がるのでは、と思う次第です。この辺はサフェーサーで全体のラインを修正しているので余分が出るのは仕方ないですかね。ちなみに今回は重量増の事については特にご指摘は無く(そもそもここまで剥離作業をするつもりもありませんでした)、てっきり普段乗りかと思いきや、普通にレースに出られているようでビックリしました。と言うかもう一台S-WORKSをお持ちと言う…(恐)。

それでは次回は色の検証を行おうと思います。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

 

S-WORKSカーボンフレーム&フォーク サフェ入れ

sworks25 先週までに旧塗膜を剥離しておいたSPECIALIZED S-WORKS VENGEのカーボンフレーム&フォークです。

sworks26 よく脱脂清掃し、各部をマスキングして台にセットします。

sworks27 金属(今回はアルミのみ)部分にはサフェーサーの前にプライマーを塗布します。直接サフェーサーでも大丈夫と言えば大丈夫なのですが、サフェーサーよりもプライマー単体の方が確実に耐蝕性が高いので間違いはありません。

sworks28 フォークの方も一部にはアルミが組み込まれています。

sworks29 続けてサフェーサーを塗布します。

sworks30 サフェーサーはウェットで5コート程塗りました。

サフェーサーは出来上がりで300グラム程作っていますが、実際にどれくらい乗っているのか後で測ってみたいと思います。

sworks31フロントディレーラーを固定するステー部はリベットで止まっている為、サフェーサーはマスキングで対応しています。本塗り時は一旦そこも一緒に塗ってしまい、後にそこだけ元と同じようにつや消し黒で塗れば綺麗に仕上がりますのでご安心下さいませ。

sworks32フォークのホイールが着く部分は元の通りマスキングしていて、フレームの方も反対側はマスキングをしていますが、こちら側は一緒に塗られていたようなので同じようにマスキング無しでサフェーサーを塗っています(見え難いのですが画像左側のエンド部分です)。マスキングし忘れている訳ではありませんのでご安心下さいませ。

今日は自然乾燥で一日寝かし、先週本塗りしてあるコペンのバンパーセンサーと一緒に明日60℃40分程の熱を掛けて強制乾燥する予定です。

その後一旦寝かす期間を設けまして、その間に色(キャンディーグリーン)をテストピースに塗る予定です。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

S-WORKSカーボンフレーム&フォーク 旧塗膜剥離

sworks21 先日に引き続き旧塗膜の剥離作業を行っています。

カーボン素材は溶剤やサンドブラストを使う事が出来なく、またエアーツール(サンダー)が使える部分も限られているので、旧塗膜の剥離はほぼ手作業(手研ぎ)となっています。

sworks22 フォークにあった塗膜も大体削り落としました。

ちなみに今回は以前行ったTREKのカーボンフレームのように「カーボン地を活かしたクリアー仕上げ」と言う訳ではありませんのでここまでの剥離は想定していませんでしたが、何か気になる所があると結局やらざるを得なく、結果としてこのような状態になっています。

sworks24折角なので重量も測ってみました。フレームは付属品の無い状態で1057.2gとなります。

剥離作業前が1138.3g(同じく付属品の無い状態)となりますので、今回の剥離作業で81.1g減らせた感じです。フォークの方は計っていませんからもう少し削れている感じですね。

ちなみにカーボンフレームの製造工程について判り易い動画があったので掲載しておきます。1:22辺りからカーボン貼りの作業で、中々興味深いと思いますので宜しければどうぞ。

今後の作業としては細部の足付け処理→清掃→マスキング→脱脂清掃といった感じで、サフェーサーの塗装は今週末辺りか、或いは来週以降になる予定です。

サフェーサーを塗ったら次はいよいよ色の作成となります。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

尚、現在年末に向けて業者様からのご依頼も多くかなり混みあっております。何卒ご理解の程宜しくお願い致します。

S-WORKSカーボンフレーム&フォーク 下準備

sworks14 各ロゴの配置は先日データ化しておきましたので、本日より実作業も開始しています。

まずは付属品やシールなどを取り外しておきます。

sworks15 ちょっと削り始めてしまったのですが、今回も最初の状態の重さを計っておきました。実際はこれよりも0.2gくらい重いかも知れません。

sworks16下地処理はダブルアクションサンダーと#120~#180を使って旧塗膜を研磨します。

ポップナットやディレイラーステーなどリベットで固定されている物は前回と同様外さずにマスキングで対応しています。外すのはドリルで揉むだけなので問題無いのですが、取り付ける時にカーボンが割れるを避ける為ですね。

sworks17  今回は旧塗膜を完全に剥がす事は想定していませんでした、結局かなりの層を削り込んでいます。これでまだチューブ1本分にもなっていません。

sworks18 既存の塗膜は5層~6層といった感じです。

sworks190 さすがに一日で作業は終わらず、また一度に長くやると体が壊れてしまいますので数日に分けて作業しようと思います。全身粉だらけになるので本当は一気にやりたいんですけどね。

sworks20こちらはその後追加でご依頼頂いたパワーメーターのカバーパネルとなります。素材はプラスチックでグレーメタリックに塗装されていますが、こちらもボディカラー同色のキャンディーグリーンに塗装し、ロゴは塗装で入れ直します。ロゴの色もフレームと同じ白を使う予定です。

それではまた作業進行しましたら紹介させて頂きますね。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

S-WORKSカーボンフレーム&フォーク 白ロゴ イメージイラスト

sworks11先日紹介したイメージイラストはロゴが黒でしたが、今回はそれを白に変えています。また色味も少し彩度を上げてみました。

実際の色については今後テストピースを作成しますので、今回はあくまでもロゴを白にした場合の際立ち方のイメージとしてご確認頂ければと思います。

またはロゴが「黒だとちょっとクド過ぎる気が…」と言う事でしたら少しメタリックが入ったガンメタ(ブラックメタリック)なども良いかも知れません。シルバーだとちょっとボディカラーに埋もれてしまうかもですね。

どうぞご確認の程ご検討を宜しくお願い致します!