MAZDA MX-5 Engine Cover

ヘッドカバー上部に可変バルブ機構の付いたNBロードスター用のヘッドカバーです。 新品をご用意頂きました。

 凹み文字部の塗装については、これまでは結晶塗装の後に塗る方法を行っていましたが、その後フェラーリリモコンキーカバーに熱可塑性の樹脂を詰めたり、ロータスの樹脂製エンジンカバーにポリエステル樹脂を流して型を作ったりと、色々な方法で対応した経緯があったので、今回はここにポリエステルパテを詰めてマスク型を作る事にしました。

 まずはパテが上手く剥がれるよう、離型剤を塗ります。

 周りをマスキングし、ポリパテを詰めます。

 固まって剥がすとこのように型が取れます。

ポリパテの余分を削り落とし、文字だけの状態にしました。

 離型剤を綺麗に落とします。

 ピッタリ嵌めると塗装で埋まってしまうので、下に詰め物をして少し浮くような状態にしました。

部品は新品でしたが油が付いていたので、アルカリ洗浄槽に浸け置きをして油分を取り除き、その後リン酸を使って化成処理を行っています。

プライマーを塗布します。

可変バルブ機構のパーツも同じようにリン酸処理→プライマー塗装を行います。

プラグホールの内側は結晶塗装では無く、ベースコートの黒(艶消し黒)を塗装しておきます。

その後黒く塗った部分をマスキングし、さらに凹み文字部をシルバーで塗装します。

凹み文字部にパテで作ったマスク型を嵌め込みます。

可変バルブ機構の部品も同じようにシルバーで塗装します。これらシルバーの部分はクリアーは塗らない【激安コース】の仕様となります。

 結晶塗装の赤を塗りました。

 その後140℃程の熱を掛けると結晶目が出て来ます。

 文字のマスク型を少し浮かしておいたお陰で溝が埋まらずに仕上がりました。

 結晶塗装はしっかりと膜厚を着けつつ、全体を均一な膜厚にする事で美しい結晶目を表現します。

 塗膜が硬化したら文字部のマスク型を外します。

 何カ所かには塗料が食み出ている為、これらを修正します。

 全体を大まかにマスキングし、

赤が食み出た部分にシルバーで塗装します。

結局殆どの部分で修正を行いました。

 そして完成です。

 パッと見はアルミ素地が残っているように見えるのですが、プライマーが塗装されているので純正品のように経年劣化で腐食・黒ずみが発生したりしません。

 シルバーに使用したメタリックは、粒子が細かく輝きの強いSTANDOX MIX818を採用しています。

透過性塗装 レンズ類 下準備

 先日の続きで、テールランプ裏側を清掃後、レンズ以外の部分をマスキングします。

昔はテールランプを着けたままボディ(車体)を塗るようなケースもよく見かけて、テールランプを外すとボディもテールランプも裏側が塗料ミストでザラザラ(!)なんて事がありましたが、近年はそんな塗り方をする塗装屋さんは居ないので(多分)、中古部品でも掃除さえすれば綺麗になります。

トヨタカリーナのテールランプは前回赤レンズ部分を塗っている時に全体にクリアーを塗っている為、ゴミが着いている個所や傷部分に筆指しをしたクリアーの凸部を研磨して平滑にしておきます。

今回は全て純正部品の為、バリなどの処理は必要無く、#800→#1300(アシレックスレモン→アシレックスオレンジ)での足付け処理のみで済んでいます。レンズ断面もしっかり足を着けておきます。

この後一旦場所を移動して現場と塗装ブース、塗装台、排気浄化装置を清掃し、BRZのテールランプはマスキングシートなど本塗の準備をしておきます。

既に何セットか新しいテールランプも届いていまして、そちらも後日紹介させて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

透過性塗装 レンズ類 下準備

 次の透過性塗装のターンで本塗り予定のテールランプ等レンズ系のパーツです。

 中古の部品は裏側に土が溜まっていたりするので、マスキングをする前にブラシと水洗いで綺麗にしておきます。手前が清掃前、奥が洗浄後の状態です。

同じようにレガシィのテールランプも清掃しておきました。

トヨタカリーナのテールランプは前回赤いレンズ部分&全体にクリアーの下塗りを行っていて、次はオレンジレンズ部分と、全体に極薄いスモークを塗ってさらにクリアーでコーティングします。

画像手前のテールランプは元々オレンジレンズ部の艶が無い状態でクリアーを塗ってみると奥のレンズに比べてオレンジが少し薄いです。なのでこちらも薄い方のレンズを濃い方に合わせ、さらに透過性のオレンジを塗り重ねて色味を合わせます。最後に極薄くスモークを塗りますが、こちらは黒さを出すのではなく、色に深みを出す程度にします(スモークを塗ったとは判らない程度に留めます)。

実は既に次のレンズ系のターンも埋まりつつあって、新たにテールランプ関係の塗装をご希望の方は3ヶ月くらい掛かってしまうかも知れません(今回のZX14Rのレンズもそうですが、何故かここのところ業者様からの御依頼が増えています)。お待たせして申し訳御座いませんが何卒ご容赦の程を宜しくお願い致します。

それでは作業進行しましたらまた紹介をさせて頂きますね。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

R31スカイラインヘッドカバー 本塗り

 先日旧塗膜の剥離を終えていた、日産R31スカイラインのヘッドカバーです。

打痕や深い傷は取りきれませんが、浅い傷や出っ張った個所などはサンダーや手研ぎである程度削っておきます。

 その後リン酸処理を行い、よく洗浄して感想させたらネジ穴をマスキングし、台にセットして本塗り開始です。

通常は「研磨→プライマー塗布→サフェーサー塗布→完全硬化→研磨」、もしくは「二度塗り」といった方法で行いますが、今回は比較的ツルツルとした素地なのでこのまま上塗りまで一気に行います。

 まずは全体にプライマーを塗布し、

 ホースパイプ部をベースコートの黒で塗装しました。

ホースパイプ部については状態が良ければそのままで、腐食や亜鉛メッキが剥がれている場合には今回のようにプライマーを塗ってしまうようにしています。

ただしプライマーのままだと格好悪いですし、かといって本体と一緒に塗ると何か野暮ったい気がするので艶消しの黒にしています。

 ホースパイプ部の黒が乾燥したらマスキングをし、全体を軽くサンディングします。プライマー塗装時についたゴミの頭を撥ねる程度ですね。

 そしてカラーベースの塗装です。

こちらはマツダの「ソウルレッドプレミアムメタリック」(カラーコード:41V)の配合データそのままで、ただし今回からよりメタリック(MIX891)が多く含まれるデータに移行しました。配合データを見る上で、こちらの方が明るさ(輝き感)が強くなるのではと思ったからです。

 また今回はその上に塗るキャンディーカラー(ベースコート)もいつもと少し変えています。

通常はテールランプをレッドテール化する時に使うキャンディーカラーそのままですが、今回はそれに青味のあるピンク系のキャンディーカラーを20%足しました。「レッド:ピンク」=「10:2」としています。

 キャンディーカラーはベースクリアー(樹脂のみ)に混ぜて使い、3コートに分けて塗装します。

尚、ベースコートは「カラーベース+キャンディーカラー」で合計6コートとなり、ここまでのコート数(膜厚)になるとクリアー中の硬化剤が下まで浸透(そして反応)しない恐れがある為、今回のような場合にはベースコートにも直接硬化剤を入れて対応します。

 そして最後にクリアーを塗って本塗り完了です。

 クリアーは高品位なタイプのSTANDOXクリスタルクリアーとなります。

 この後一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を完全硬化させます。

また今回はデータに無い色なので色見本も残しておきました。

それでは完成次第改めて紹介をさせて頂きますね。どうぞもう少々お待ち下さいませ!

内装シフトパネル塗装承ってます

 先日到着しておりましたスズキの自動車内装部品、シフトパネル2点です。この度のご依頼、誠に有難う御座います!

 現状は未塗装の梨地で、表面はザラザラしていますからこのまま塗っても綺麗な仕上りにはならなく、まずはこの下地を「研磨→プラスチックプライマー塗布→サフェーサー塗布→完全硬化→研磨」といった工程で平滑にしてからの上塗りとなります。

尚、SHIFT LOCKの凸文字については下地処理の段階で削り落としてしまう事になりまして、こちらはオーナー様にもご了承を頂いております。

 色は2色で承っておりまして、先に色見本帳をお貸出ししてご希望の色を選んで頂きました。

こちらの外枠の部品はマツダの「シルバーコントレイルメタリック」(カラーコード:25H)で、

内側のパネルはトヨタの「ブルーマイカメタリック」(カラーコード:8Q1)、どちらも艶ありで、クリアーは高品位なタイプの「クリスタルクリアー」で承っています。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きますね。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!