フェラーリ488リモコンキーカバー 下準備

先日お預かりしておりましたフェラーリ488のリモコンキーカバーです。二個の内の一つは先に完成しておりまして、今回は残りのこちらとなります。

こちらのカバーは以前当店で塗らせて貰った物で、ただその後一か所傷(凹み)が出来てしまったとの事で今回改めて御依頼を頂きました。判り難いのですが「F」の上の山のラインの頂点に凹みが出来ています。

凹んだ箇所に直接パテを塗れば作業的には楽なのですが、それだと後で問題が起きるので(跡が出たり剥がれて浮いたり)、凹みの一番底まで削り落とすようにします。

その後ナイロンブラシとウォッシュコンパウンド(液状研磨剤)を使って全体を足付け処理します。

削って低くなった部分をサーフェサーで補填しますが、無用にこれを飛ばすとこの後の研ぎ作業が面倒になるので、まず一旦Ferrariの凹み文字部を隠すようにして端を折り込んだマスキングテープを貼ります。完全にピッタリ貼るとそこで段差が出来てしまうので、サーフェサーの境界線が柔らかくするような感じですね。

さらにその上の山のラインの所に、同じく端を折り込んだマスキングテープを貼ります。

プラスチックプライマーを塗り、続けてサーフェサーを塗布します。範囲が狭いので口径の小さいエアーブラシ(0.5mm)を使っています。

3コート程塗ったら第一段階のマスキングテープを剥がし、

さらに2コート程塗って境界線の段差を均します。

この後は60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させ、後日これを研いでラインを整えたら本塗りです。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

フェラーリ488リモコンキーカバー塗装(一個目)完成

先日到着しておりましたフェラーリ488純正のリモコンキーカバーです。お預りしたのは2個ですが、一個は納期指定(短縮)のオプションで御依頼頂きましたので、傷の無いこちらを先に塗るようにします。

傷がある場合はその部分を「研磨→プライマー塗布→サフェーサー塗布→完全硬化→研磨」といった工程で下地処理が必要ですが、今回は新品状態の物なので足付け処理のみでOKです。「元の塗装は剥がさないの?」と思う方がいらっしゃるかも知れませんが、例えば自動車ボディの塗装をする際、元々塗ってある塗膜を剥がすなんて事はまずありません。状態が良い塗膜であれば、足付け処理を行ってその上に塗り重ねるの事が自動車補修塗装では通常の作業となります。

ちなみに自転車フレームの塗装も当初同じ様に考えていたのですが、あちらの塗装は自動車塗膜のように良質な物が少なく(層間でも密着不良が多いです)、結果全部剥してから塗り直す事を基本としました。ヘッドカバーのような工業金属塗装も同様です。屋外保管で数十年雨ざらしにしても錆が出ないなんていう自動車ボディの塗装は、本当に素晴らしい技術で成り立っているのだと思います。

被塗面に細かい傷をつける事で元々あった艶が消えています。

よく脱脂清掃し、エアーブローで埃を飛ばします。

こちらのパーツは元々赤い着色樹脂に赤い塗装が施されていて、裏側はプラスチック素地のままなので念のためこの部分だけプラスチックプライマーを塗っておきます。

尚、今回の塗色は前回御依頼頂いた物と同様で、これに関しては計量調色で色を作っているので、時期が変わっても基本的に色が変わるという事はありません(メタリックやパールの場合は塗り方で色味が変わる場合があり、また原色自体の色ブレ(lotブレ)が生じる事も無いとは言えないので絶対とは言い切れない所はありますが)。

まずはグレーと今回の青を足した物を下色として塗布します。

続けてご指定頂いた色=フェラーリ純正色「BLU POZZI」(カラーコード:520)を塗布します。

そして最後にクリアーを塗って本塗り完了です。お待たせしました!

クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーの仕様となります。

尚、納期指定(短縮)のオプションは施工事例のある物、対応が出来る物に限ります。例えば初めて触れる物については思わぬトラブルが生じる事がある為、お受付はしておりません。

また仕上りが上がらないのに費用が上がるというのは私的にも望んでおりませんので、特別な理由が無ければ順番通り気長にお待ち頂ければと思っております。

この後は一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。

もう一個のキーカバーを塗るのは数カ月先になるので、残った塗料を瓶に詰めて保管しておく事にしました。新たに作り直しても計量調色なら同じ色が作れる筈ですが、その手間の事を考えるとこの方がこの方が確実ですかね。

そして組付けて完成です。お待たせしました!

最初の状態も紹介します。

左側が全開御依頼頂いて傷が付いてしまった物で、こちらはまだ未着手となります。右の赤い方が今回塗った物ですね。

クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーの仕様となります。

各画像はサイズの縮小以外は未加工となります。

それでは後ほど完成のお知らせメールを差し上げます。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!

フェラーリ488リモコンキーカバー×2 塗装承ってます

先日到着しておりましたフェラーリ488のリモコンキーカバー2個です。この度も当店をご贔屓頂き有難う御座います!

こちらのカバーパネルは以前当店にて塗装を御依頼頂いた物なのですが、

一部(「F」の上辺り)に凹み状の傷をつけられてしまったとの事で、改めて再塗装を御依頼頂きました。

さらに今回はこちらのスペア用のカバーも御依頼頂きました。色はどちらも前回と同じフェラーリ純正色「BLU POZZI」(カラーコード:520)で、クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーの仕様で承っています。

という訳で早速分解を行います。

ドライヤーで温めて接着剤の粘着力を弱めたら、隙間からヘラを差し込み、変形させないよう注意をしながら剥がしていきます。

その後金属製エンブレムのカシメの頭をリューターで削り落とし、無事分解完了しました。

こちらは一度カシメを削り落としているので、エポキシ接着剤部をドリルで揉んで外します。後の事を考えないで接着剤をベッタリ塗ると剥がせなくなってしまいますが、自分でやっている事なのでこちらも問題無く分解完了しました。

尚、今回は一方のみお急ぎ(納期指定有料オプション)で承っておりまして、下地処理の必要が無い(足付け処理のみで塗れる)左側の赤い方を先に塗ろうと思います。

傷のある紺の方は、その部分を研磨して凹みを均し、無くなった部分をサーフェサー(下地用充填塗料)で補うようにして補修を行います。下地処理は塗膜全部を剥がす訳では無く、部分的な補修といった感じですね。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!

ランボールギーニリモコンキー塗装 完成

大変お待たせしました!先日本塗りを終えていたランボールギーニウラカンの純正リモコンキー塗装、本日完成となります。

最初の状態も紹介します。

元々はこのように樹脂素地の未塗装だった物に、

オーナー様の車体に装着されているブレンボキャリパーに合わせた赤で、

Lamborghiniのロゴは黒で塗装を施しました。

クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーの仕様となります。

各画像はサイズの縮小以外は未加工となります。

インジケーターランプ部は灯火するのが判るよう色は塗らないようにしています。

電池は新しい物に交換しておきました。

一度の塗装ではロゴの塗り分けが難しい事、また素地がザラザラとした梨地なので、下塗りをして2行程にする事で艶々の仕上りにしています。

両サイドにある窪みは何かに嵌める為の溝なのかも知れませんが、今回は特に気にせずそのまま一緒に塗っています(埋めてしまう&塗らないようにするには結構大変で別途費用が必要となりますから、使う用途が無ければ今回のように一緒に塗ってしまう方が良いかと思います)。

動画も撮影したのでそちらも紹介します。

それでは後ほど完成のお知らせメールを差し上げます。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!

ランボールギーニリモコンキー本塗り

先日赤で下塗りを行っておいたランボールギーニウラカンのリモコンキーです。その後60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させておきました。細かい梨地でもそのまま直接上塗りをするとこの様に艶引けするのが判ると思います。

全体を#800で研磨して肌目を均し、ペーパーが入らない箇所はナイロンブラシとウォッシュコンパウンドで足付け処理を行います。

インジケーターランプ部は最初にマスキングしたサイズだと塗り重ねた塗膜の断面が見えてしまうので、0.05小さくしたサイズで新たにカットします。

よく脱脂清掃後、少しサイズの小さいマスキングシートをインジケーターランプ部に貼り付けます。

よくエアーブローして埃を飛ばしたら本塗り準備完了です。

既に隠蔽はしていますが、念のため全体に赤のベースコートを塗布しておきます。同じくbremboレッドの近似色となります。

本体の方はLamborghiniのロゴ部を黒くする作業となります。

凹み文字部の周りをマスキングし、

ベースコートの黒を塗布します。

マスキングを剥がし、余分をシンナーで拭きとり&研磨して除去します。下塗りしたクリアーは完全硬化しているのでシンナーで溶ける事はありません。

プラモデル等ではこういった文字部分の塗装(墨入れ)を行う場合、低溶解型の塗料(所謂エナメル)を筆で流し込んだりしますが、それだと下地には足付け処理がなされていない為に経年で剥がれたり、そもそも塗膜として弱い為(シンナーで溶けてしまう)こういった実用する製品への使用には向きません。と言うよりやってはいけない事の一つですね。

その点この方法であれば、自動車外板の塗装と同様の作業方法なので、塗膜の耐久性においてはそれと同様なので耐久性においては安心頂けるかと思います。

そして最後にクリアーを塗って本塗り完了です。

クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーの仕様となります。

カバーはインジケーターランプ部のマスキングを剥がし、こちらもクリアーを塗って本塗り完了です。

この後は一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。

と言う事が数日前で、

その後ちょっと気になる箇所があったので、完全硬化後に再度研磨・足付け処理を行い、

改めてもう一度クリアーを塗装する事にしました。

わざわざ塗り直す程の事でも無かったのですが、一度気になるとその後ずっと考えてしまうので、大きなリスクと損失が無ければ今回のように塗り直す事は多いです。全部を紹介していませんが、現在は5回に1回くらいは何かしらでやり直している感じでしょうか(塗装屋さんなら判ると思いますが、それくらいしないと完成画像を未加工であのように紹介する事は出来ません…)。

それでは完成次第改めて紹介させて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!