先日お預かりしておりましたフェラーリ430の純正リモコンキーです。
ヘラを使ってカバーパネルを取り外します。
フェラーリの七宝エンブレムは表側から外そうとすると傷を着けてしまう為、キーカバーの裏側から穴を開け、
ドライヤーで温めてポンチで押し出して外します。開けた穴は塞ぐ事は出来ますが(そして見えませんが)、エンブレムは傷つけたら代わりが無いのでこの方法が最も安全です。
分解が完了しました。
今回塗るのはこちらの3部品です。カバーの塗装は肌が悪くデロデロ(凸凹)しているのが判りますよね。
カバーは#120→#180のダブルアクションサンダーで塗膜を剥がし、その後手研ぎ#240で均しています。鍵本体は逆アール形状になっているので手研ぎ#180→#240で研磨しています。
この後塗るサーフェサーが密着するよう、ナイロンブラシとウォッシュコンパウンド(液状研磨剤)を使って細部の足付け処理を行います。ペーパー掛けだとしっかり当たらず、かといってウェットブラストだとむしろ時間が掛かってしまうので私的にこの方法が気に入っています。
その後よく乾かしたら芯棒に固定します。
窪んだ箇所にサーフェサーが入るとエンブレムが入らなくなってしまうのでマスキングしています。458のリモコンキーなどで跳ね馬エンブレムの場合は形が複雑でこの方法が出来ないので熱可塑性の樹脂粘土を詰めて行っていますが、四角形であればこれで問題ありません。
同じくボタンゴムが入る部分もサフェが入らないようマスキングします。
鍵本体もカバーパネルが当たる面にはサフェがつかないようにします。かなりピッタリなのでここに厚みがつくとしっかり嵌らなくなってしまうんですよね。
リモコンキーカバーの樹脂素材は不明ですが、恐らくPP=プリプロピレンと思われますので、念のためガスプライマーを使った火炎処理も行っておきます。これについてはこちらの記事が判り易いかと思いますので宜しければご参照くださいませ。
ガスプライマー処理後にプラスチックプライマーを塗布し、サーフェサーを塗布します。
かなりしっかり塗るのでぶつ切りマスキング部にサフェがくっ付いているのが判るかと思います。
このまま固まると鋭利で段差の強いエッジが出来てしまうので、
フチに貼ったマスキングテープを剥がし、最後にシンナーで希釈したサーフェサーを1コートだけ塗ってエッジを均します。溶かして伸ばす感じですね。
こちらも同じくです。
こちらはカバー当たり面は削り落としてしまうので希釈したサフェは塗らず、最後のサフェが塗り終わったら直ぐにマスキングテープを剥がしています。
この後は一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。
それでは完成次第改めて紹介させて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!