先日お預かりしておりましたメルセデスベンツ純正のフロントグリル、ワイパーアーム&カバー、ボンネットオープーナー4点です。
フロントグリルは未塗装の樹脂素地で、表面はツルツルとしていてそのままではこの後に塗る塗料が密着しませんから、素地調整として足付け処理を行う必要があります。
ただこれを一升ずつペーパー掛けをするのは現実的では無いので、
今回は重曹によるウェットブラストを行います。
重曹は25キロの袋でまとめ買いをしていて、そのままだと湿気って固まってしまいますから、購入して直ぐに画像のようなペットボトルに小分けして保管しています。
ただそれでも長期間保存していると容器の中で固まってしまうので、
容器から出した塊を細かく砕き、ザルで濾して粉末状にしておきます。
そこに水を注ぎ、サンドブラストガンを使ってウェットブラストを行います。
判り易いよう動画を撮影したので紹介しますね。
動画ではかなり雑というか適当にやっているように見えますが、これは既にウェットブラストを終えていた物を撮影の為に再度行っているからですね。左手でウェットブラストを行いながら右手のスマホで撮影をしています。
同じようにして、ペーパーでの足付け作業が難しいワイパー裏側もウェットブラストで行います。
こちらのボンネットオープナーも重曹ウェットブラストを掛けておきました。
重曹ウェットブラストのデメリットしては作業前準備と作業後の片付けで、小さいサイズならブラストボックスに入れて作業が出来ますが、今回のようなフロントグリルとなると開放状態での作業となりますから、作業着(合羽)やブース内の床なども全部掃除する必要があります。重曹は弱アルカリ性でも長時間肌に触れていると荒れるので皮膚に触れないようにして行っています。
その後よく水で洗い流して乾かします。
フロントグリルは各升目の壁の側面までしっかり足付け出来るよう、裏表から四方八方にブラストを当てています。
元々ツルツルとしていた樹脂素地表面は、
艶が消えてしっかり足付け処理されたのが判ると思います。細いヘラの先端にペーパー(アシレックス)を巻いて一升ずつ研磨する事も勿論可能ですが(昔はそうしていました)、それよりも均一に隅までしっかり処理出来るのがブラストのメリットでもあります。
ちなみにサンドブラストの場合は使っているメディア(研磨粒子)が粗いのと、摩擦熱で樹脂の表面が毛羽立ってしまいますから、その点#1000程度の目でそのまま上塗りが出来るウェットブラストは今回のような使い方に効果的です。
ワイパー裏側は入り組んだ奥までしっかりブラストを当てた為、
一部塗装が削れて素地が露出している箇所がありますが、こちらは本塗り前にプライマーを塗りますのでご安心くださいませ。こちらもしっかり隅々まで足付け処理されているのが判るかと思います。
フロントグリルとボンネットオープナーはこれで下地処理が完了しましたので、あとはワイパーアーム表面の下地処理を行うようにします。そちらは飛び石が酷いので一旦研磨して既存の塗膜を剥がし、プライマー→サーフェサーで下地を整えてようと思います。
それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!