アルファロメオヘッドカバー 下準備

 先日下塗りをしておいたアルファロメオGT 2.0 JTSのヘッドカバーです。見た目は本塗り後と変わりありませんが、気合を入れていないので(リスクを高くする必要が無いので)仕上りの肌が悪いのが判ると思います。

 全体を#800の水研ぎでラインを整えます。細かい歪と肌を取る為の作業です。

 研ぎ難い個所もしっかりと面を当てて研ぎ出します。スジ状の研いだ跡を残さないよう、常に研ぐ方向を変えながら行います。

 そしてAlfaRomeoの凸文字を削ります。最初はダブルアクションサンダー#120を使ってある程度の高さまで削ります。

4ミリくらいまでになったら、手研ぎで面を揃えながら研ぎつけます。

 良い具合になったので測ってみると、およそ3.6ミリでした。

ノギスの下にあるのが当て板とペーパーで、この時点では#120で終了とします。

全体のペーパー掛けが終わったら、スコッチとナイロンブラシ、布状の研磨副資材(アシレックスレモン)&ヘラを使って足付け処理を行います。

この後良く洗浄し、水気を乾かしておきます。次はいよいよ本塗りです。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

アルファロメオヘッドカバー 下塗り

先日AlfaRomeoの凸文字の隙間をサフェーサーで埋めていたアルファロメオGT 2.0 JTSのヘッドカバーです。良く脱脂清掃し、マスキングをしました。

鋳造したAlfaRomeoの文字部分や、サフェを研ぐ際に素地が露出した金属部分にプライマーを塗布します。

 続けて下色を塗ります。今回は塗装自体が「下塗り」なので、隠蔽し易くさせる為の下色の塗装も必要は無かったのですが、一応いつも通りの作業としました。

 続けて赤を塗ります。こちらも下塗り用の赤で、今回の本塗りに採用する色とは違う色となります。業者様からのご依頼の塗色と同じく、(確か)VWのトルネードレッドです。

 そしてクリアーを塗って下塗り完了です。

今回の下塗りの主な役目としては、サフェ研ぎの際のペーパー目を抑える為の物と、全体のラインを確認する為(艶があると判り易くなります)、そして後付けしたAlfaRomeoの凸文字を確認する為です。

サフェで隙間を埋めてはいますが、やはりトップコートが(クリアー)が塗られていないと安心が出来ないので、一旦は下塗りをしておこうと思った次第です。本塗りが終わった後に「隙間がぁああああ!!」と言うのはどうしても避けたかったのです。

クリアーの肌が悪いのは下塗りだからで、この時点では無用に塗膜の厚みをつけないよう注意しています。

貼り付けたAlfaRomeoの文字の隙間は良い具合で、これなら次に行う本塗りでも問題は無さそうです。

この後60℃40分程の熱を掛けて塗膜を完全硬化させ、凸文字を削って高さを合わせたら全体を研いで細部まで足付け処理をし、いよいよ本塗り工程となります。一応チヂレ対策として2~3度焼きにしておこうと思います。

どうぞもう少々お待ちくださいませ!

アルファロメオヘッドカバー 凸文字下処理

 先日、鋳造したAlfaRomeoの凸文字を接着しておいたアルファロメオGT 2.0 JTS のヘッドカバーです。

 今回は結晶塗装では無く「艶有り仕上げ」での塗装となる為、貼り付け時の接着材は極力外に食み出ないようにして作業をしています。

ちなみに結晶塗装であれば、素地の粗は殆ど目立たなくしてくれるので、多少接着剤が食み出ても問題は無く、また食み出た分はカッターの刃やピックツールを使って削り落とす事も可能なので、そんなに気を遣わなくても大丈夫です。

結晶塗装時の凸文字接着については以下の記事が判り易いかと思いますので宜しければご参照下さいませ。

日産L型ヘッドカバー 凸文字貼付け

また艶あり仕上げにする場合、極わずかな隙間でも目立ってしまう為、それらを埋めておく作業も必要です。塗膜には表面張力が働いてしまう為、少しの隙間でも塗料がハジくようになって余計に目立ってしまいます。

この辺については判り易いようイラストを作製してみました(しかし手抜きですいません・・・)。

今回の場合は接着剤を食み出したく無いので、ヘッドカバーとAlfaRomeoの凸文字とでは少し隙間が空いている個所がありますが、このままの状態で塗装をしてしまうと表面張力の働きにより、隙間が残ってしまいます。

無理に埋めようと塗り込んでも隙間は塞がらず、さらに表面張力によってフチに塗料が溜まり、余計に隙間が目立ってしまいます。結晶塗装の時はこの時点で筆を使って誘導してあげたりもするのですが、艶々の塗装は非常にデリケートな為、そんな事は出来ません(後処理が大変です)。

 と言う事で、予めこの隙間にサフェーサー充填して埋めるようにします。

わずかな隙間でもしっかり埋めておくと塗料はスムーズに繋がり、ヘッドカバーと凸文字に一体感が生まれます。髪の毛が入らないくらいの隙間ですが、意外とこの辺が重要だったりします。

 サフェーサーは通常通り2ウレタンで、ただしいつもよりもシンナーを多くしてシャブくし(粘度を低くし)、筆先を隙間に当てて毛細管現象を利用して流し込んであげます。

 凸文字を接着している材料が弱い物だと、隙間に流し込んだシンナーで溶けて剥がれてしまいますが、今回使っているビスフェノールA型のエポキシ接着剤であれば問題はありません。と言うかこうなると剥がす事が無理なので、ここからやり直すとしたらサンダーで削るしか方法はありませんでして・・・。

と言う訳で、このような感じで隙間全てにサフェを行き渡らせました。

 サフェは2液ウレタンなのでこのまま上塗りを行うとチヂレを発生しますから、再び60℃40分程の熱を掛けて硬化させます。

次はグレーもしくは赤系の下色でヘッドカバー全体に下塗りを行い、完全硬化させた後、もう一度足付け処理を行ったらいよいよ本塗りとなります。

凸文字は鋳造後に簡易フライスで表面を削ったままで、この状態ではまだかなりの厚みがありますから、こちらは下塗りが終わった時点である程度の高さまで削っておこうと思います。現状は恐らく4~5ミリ程で、これを3~4ミリにする予定です。

それでは作業進行しましたらまた紹介をさせて頂きますね。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

アルファロメオヘッドカバー 凸文字接着

少し前に型に流し込んで作った金属製の「AlfaRomeo」の文字を、先日サフェ研ぎが終わったアルファロメオGT 2.0 JTS のヘッドカバーに接着します。位置についてはお任せ頂いておりますが、オーナー様から頂いたイラストも参考にしています。

ある程度の位置が決まったら鋳造に使ったMDF製の型を使い、鉛筆で内側に印を付けておきます。

 鋳造した文字の接着には、構造用接着剤の3M DP-460 オフホワイトを使用します。主に強度が必要な金属同士の接着に使うエポキシ系の接着剤で、可使時間が長いので今回のような使用に適しています。構造用接着剤では同様に3Mのオートミックス パネルボンド(8115)がありますが、あちらは補強材として珪砂のような物が入っている為に粘度が高く、今回のような作業には適していません。

樹脂中に入れる補強材については、以下の記事も参考になるかも知れませんので宜しければご参照下さい。強度のアップとは違いますが、リゴラック等のポリエステル樹脂にタルクやタンカルを入れると粘度が高くなって樹脂パテ(ポリパテ)に出来たりもします。

https://pro-fit.ne.jp/wordpress2013/wordpress/2017/11/10/gmc%E3%83%9B%E3%82%A4%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%83%83%E3%83%97-%E3%82%A8%E3%83%9D%E3%82%AD%E3%82%B7%E3%83%AC%E3%82%B8%E3%83%B3%E6%B3%A8%E5%9E%8B/

 プラスチック棒の先端に植毛された筆指し用のツールを使い、接着面に満遍なくオフホワイトを塗ります。

 鉛筆で付けた印に合わせて凸文字を置き、位置がズレないようマスキングテープで固定していきます。

 同じくRomeoの方も、少しずつテープを仮貼りしながら、

徐々に力を入れてしっかりと押し付けるようにテープを貼っていきます。

この状態で一日常温で寝かし、位置がズレないようになったらマスキングテープを剥がして60℃40分程の熱を掛けて接着剤を完全硬化させます。

それでは作業進行しましたらまた紹介をさせて頂きますね。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

アルファロメオヘッドカバー サフェ研ぎ

 先日サフェーサーを塗布しておいたアルファロメオGT 2.0 JTS のヘッドカバーです。その後60℃40分程の熱を掛けて塗膜を完全硬化させ、ガイドコートとして全体に黒をパラパラと塗ってあります。

 適当なサイズの当て板に糊付きのペーパーを貼り、平らになるよう全体を研いでいきます。

 車の板金塗装では市販の当て板を使っていましたが、小物の塗装をするようになってからはアクリル板の端材などを多用するようになりました。

 研ぎ難いからといってペーパーのコシだけを使って撮合とすると綺麗なラインになりませんので、作業がし難い個所でもかならず堅い物をペーパーに当てて研ぐようにします。

 素地の粗を見逃さないよう、ガイドコートの残り方を確認しながら研いでいきます。

 研ぎ方を間違えると線状に深い彫り跡を残してしまうので、カミソリの刃を肌に当てるようにする感じで表面を削っていきます。

 最後は当たりの柔らかいスポンジパッドを使って全体を研いでいきます。画像は3Mのスポンジパッドを小さくカットし、面にペーパーを貼ってあります。小さいので簡単に剥がれてしまいそうですが、さすが3M同士と言う事で剥がれません。

 と言う訳で、何とか数日掛かりで全体を#320で研ぎ付けました。

 ただしこれで終わりでは無く、パーティングライン(継ぎ目)の溝が残った個所や、

 巣穴等をパテで埋める作業もしておきます。

ここまでが研ぎの第一段階で、通常であればこれと同じ作業を#400、さらに最終は#800まで細かく仕上げるのですが、今回は凸文字の貼り付け作業もありますので、本塗りの前に一旦下塗りを行う事でその辺りの作業を軽減(相殺)させようかと思っています。

それでは作業進行しましたらまた紹介をさせて頂きますね。どうぞもう少々お待ちくださいませ!