Lancer Evolution Engine Cover

三菱ランサーエボリューション用のマグネシウム合金製ヘッドカバーです。

色は「国土交通省の標識 (RGB:25-113-255、 HEX:#1971FF)」で、これに「若干のメタリック足し」といったご指定を承りました。

ただこういったパステル系の色にメタリックを入れると色が濁ってしまうので、2コートパール、または3コートキャンディーカラーのどちらかでとお伺いする事にしました。

2コートパールとしてはこちらのたホンダストリーム用の内装カバーパーツに塗装したスバル純正色「WRブルーマイカ」(カラーナンバー 02C )が似ているような感じで、

メタリックを感じられたいのであればこちらのスカイラインER34タペットカバーに塗装した3コートキャディーカラーが良いのではと言う事で、結果としてはこちらの方向となりました。

色味は「国土交通省の標識 (RGB:25-113-255、 HEX:#1971FF)」に似せるという事で、まずはシルバーメタリックMIX593に標準的な青=MIX859を入れた水色メタリックを下色としました。

最初はコバルトブルーKK-04が良いかと思いましたが、先に塗った色板でどうも色味が違ったので、

KK-13 BURPLEを重ねて見本に近い色にしました。

本来ならもっと塗り重ねた方がキャンディーカラー特有の深み(コントラスト)が出て格好良くなるのですが、

今回はあくまでもこちらの色に似せるという事で、キャンディーコートは控えめにしておきます。普通はこれくらいは塗り重ねます。

色味が決まったら凸文字を研磨して金属素地を光らせ、

最後にクリアーを塗って本塗り完了です。

その後60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させたら完成です。

各画像はサイズの縮小以外は未加工となります。

この度も当店をご利用頂きまして誠に有難う御座いました!

Lancer EVO Engine Cover

先日業者様からご依頼頂いていた三菱ランサーエボリューションの新品マグネシウムヘッドカバーです。

既存の塗装は剥がさずそのままで、全体を#800相当の布状研磨副資材(アシレックスレモン)で足付け処理し、よく脱製清掃を行ったらプライマーを塗布します。

中古のマグネシウム製ヘッドカバーの場合はブラスト専門の会社に委託する等でどうしても費用が高くなってしまいますから、新品が手に入るのであればこの方がトータルでのコストは下げられるかと思います。

まずはマツダソウルレッドプレミアムメタリック(カラーコード:41V)のカラーベースを塗り、

続けて当店規定の透過性の赤=キャンディーレッドを塗布します。こちらはいつもテールランプで使用している色で、少し前にお納めしたスバルWRX S4のインマニと同じ仕様ですね。

そして最後にクリアーをコートして本塗り完了です。

クリアーはSTANDOXクリスタルクリアーで、合計2コートを塗布しています。

この後は一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。

さらに数日寝かしたら完成となります。

今回は塗るだけの内容となりましたが、フィンを全部削り落としたり天面を削って光らせたりする事も可能です(ただしマグネシウムは腐食し易いので余りお勧めは出来ません)。

各画像はサイズの縮小以外は未加工となります。

結晶塗装より難しそうに見えますが、今回のように新品で塗装済み品の場合は「足付け処理をしてそのまま塗るだけ」で済みますので、費用はこちらの艶あり仕上げの方が安く済みます(逆に素地の状態が悪い場合には、その粗を目立たなくする特徴がある結晶塗装の方がトータルのコストは抑えられるという訳です)。

こちらの業者様からはいつも同型のヘッドカバーやキャリパー塗装でご贔屓頂いておりまして、参考までに他の案件も紹介させて頂きます。

この時は「鮮やかなライムグリーンで」という事で、当店規定の色相環No.4を採用しました。

Lancer Evolution Engine Cover

 

こちらは先ほどのライムグリーンと、見る角度で色が変わる光干渉型のパール=当店規定のHL-150をグラデーションで塗り分けしています。

Lancer Evolution Engine Cover

 

こちらのキャリパーもキャンディーレッドですが、下色には純粋なシルバーメタリック(粗目)を使用しているので、今回のヘッドカバーよりも鮮やかな赤となっています(ただし作業時間が増える為に金額が高くなります)。

Mitsubishi Lancer brembo Cnady Red

キャリパーの塗装に関しては、サーキットでタイムアタックをするような走り方でも全く問題は起きていないとのお墨付きを頂いております。

いつもご贔屓いただき誠に有難うございます!

Lancer Evolution Engine Cover

いつもご贔屓頂いているショップさんからご依頼を頂いたランサーのヘッドカバーです。

状態としては新品で、いつもは布状研磨副資材(アシレックスレモン)を使ってネチネチと足付け処理を行うのですが、今回は作業が簡略化&さらに細部までしっかり足付け処理が出来るよう、ウェットブラストを試してみました。

使ったのは普通のサンドブラスト用(ドライ)のガンで、ヘッドカバーが収まる容器(衣装ケース)に重曹を入れ、それを吸い上げるだけの方法です。判り易いよう動画を撮影しました。

最初にやった時は何も気にせずに作業したので身体中ベタベタになって気持ち悪い感じになったので、今回は合羽を着て、また排気ファンの直ぐ前で作業を行いました。

ただこれでも跳ね返った重曹を身体中に浴びる事になるので、その後小さい物は箱の中で行おうと。現在8年放置したブラストボックスをウェットブラストで使えるよう改造中です。

その後良く洗い流し、乾燥させました。既存の塗膜を侵す事無く、良い感じに足付け処理が成されているのが判ると思います。

凸文字部は研磨して素地を光らせるよう承っていますので、塗装前に粗研ぎを行っておきます。

最終は#800を使いますが、どの道後で削るのでこの時点では#120でOKです。

念の為、全体にプライマーを塗布しておきました。

まずは下色として、黒とイエロー(VW社サンフラワー) を塗布します。

その後、イエローに塗った部分に明るいグリーン=当店規定の色相環4時を指す緑を塗布します。隠ぺい力が極端に悪いので、下色にイエローを塗っています。

その後、黒の上に日産純正色の「ミッドナイトパープルⅡ」(カラーコード:LV4)を重ねます。以前S20のヘッドカバーに採用した塗料で、余った色はご依頼主様より買い取らせて頂きました。

ただこのミッドナイトパープルⅡは小物だと余り派手さが無いので、

さらにそれにマジョーラっぽい色変化をする光干渉型のパール=当店規定のHL-150を重ねました。海外から取り寄せたパウダータイプの顔料に、STANDOXのベースコート用バインダー(MIX599)に5%添加して使っています。

当店規定のHL-150は、ブルー→レッド→オレンジに変化する顔料です。

ご希望が「鮮やかなグリーンと紫のグラデーション」との事で、 このような配色となりました。

その後凸文字部を研磨して金属素地を露出させて光らせ、そこに密着剤を塗装後、 クリアーを塗って本塗り完了となります。

見る角度によって色相が変化します。

こういった色は画像よりも動画の方が判り易いと思い、そちらも紹介します。

動画は編集無しで、しかも部分的にしか撮影していないので、それだけを見るとインチキ臭いというか訳が分からない筈ですが、そもそもこの日記(ブログ)で補助的に使う物としているので問題ありません(ただその意図が判らず「騙された!」と思って悪い評価を着けられていたりするみたいですが・・・)。

その後60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させ、さらに数日寝かしたら完成となります。

この状態だと紫に見えますが、

角度をつけて寝かすと、奥の部分がイエローに変化しているのが判ると思います。

グラデーションの境目で色の粒子感(ダマ)が見えるのは嫌だったので、そこだけ口径0.5mmのエアーブラシで暈しています。

本塗りに使う色は後で同じ色が再現できるよう、予めデータ化=色見本を作成しています。

また色見本は平面・曲面それぞれ判り易いよう、二種類用意しています。

元々が「元の状態に戻す」と言う自動車補修塗装(板金塗装)を行っていた為、その場限りの一品物みたいなのが余り好きでは無く、出来る限りデータを残すようにしています。

「世界で一つ」と言えば聞こえは良いのですが、偶発的な事に身を任せるというのが余り好きでは無いので(それを仕事として行うのはどうなのかと思いますので)、極力人の手によって塗られたというのが判らないようにしています。

 

Lancer Evolution Engine Cover

 三菱ランサーエボリューションのマグネシウムヘッドカバー(新品)です。いつもの業者様からのご依頼で、掲載の御承諾を頂きましたので施工例として紹介をさせて頂きます。

 元々ある凸文字は削り落としてしまうよう承りました。

 また今回はMg=マグネシウムのマークと▲、全て削り落としてしまいます。

 ちなみにこのヘッドカバー、中古品はいつも腐食が出てしまっているのですが、その理由として元々の(新品時)の塗装が非常に薄い事が理由の一つと考えられます。プライマーもクリアーも塗ってあるのですが、#800で足付け処理をしている時点で下地が出てしまう程の薄さなので、これではマグネシウムの酸化(腐食)を抑えられないのでは、と思っています(ゴアテックスと同じで水は通らなくても分子の細かい水蒸気は塗膜を通り抜けてしまいます)。

 至るところで下地が露出してしまっているので、全体にプライマーを塗ってしまいます。

下色に在庫していた緑と白を混ぜた物を1コートだけ塗り、その後グリーンを、 そして最後にクリアーを塗って本塗り完了です。

今回は頂いた参考画像を基に、当店で作製した「色相環色見本No.4」(4時を指す箇所の色)を採用しました。黄色いグリーンと青いグリーンの中間のグリーンとなります。

色相環色見本については現在制作中で、今のところは以下リンク先の記事が判り易いかと思います。

色相環キーホルダー試作完成②

 その後60度40分程の熱を掛けて硬化させ、さらに数日寝かして完成となります。

 今回のヘッドカバーは社外記の方にも掲載しておりまして、こちらで紹介している画像は全てサイズの縮小以外は未加工ですが、あちらではPhotoshopで画像を編集加工をしています。どちらも同じカメラとレンズですが、後から加工した画像と未加工の物での違いが判るかと思います。

  後日業者様からは「お客様にお見せしたら大喜びでしたよ。これだ!この色だ!と言ってました」とのお言葉も頂戴しました。

配合データから色を作製していますので、10年後に「この時と同じ色で!」とご指定頂いても全く同じ色で再現が可能です(塗料原色があればの話ですが・・・)。

 


それから二年後、同じ業者様から改めてご依頼を頂きました。

  色は前回と同じで、ただしこちらは凸文字部分を残した仕様となります。

この度も当店をご利用頂きまして誠に有難う御座いました!

ランエボⅩ樹脂製ヘッドカバー塗装 完成

 大変お待たせしました!ランサーエボリューション10の純正ヘッドカバーの塗装、本日完成となります。

最初の状態も紹介しますね。

元々は未塗装、樹脂素地の状態で、

表面には格子状の凸凹があり、そのまま艶のある仕上りになるとこれがさらに目立ってしまうので、今回は天面のみサフェーサーを使った下地処理を行って平滑にしてから上塗りを行う事にしました。

 ちょっと角度的に撮影が難しいので、今回は色々な方向から撮影しています。

 製品自体のウネリは残りましたが、酷かった格子状の痕は全く感じられないと思います。

色はダイハツ純正色の「ディープブルークリスタルマイカ」(カラーコード:B79)で、クリアーは高品位なタイプの「クリスタルクリアー」の仕様となります。

 通常の2コートパール塗装ですが、メタリックが入っていないので肌理が細かく、キャンディーカラーのような透明感と深味が特徴です。

 素地は梨地では無くツルツルしているので、サフェーサーを塗っていない所でもある程度は艶のある仕上りになっています(梨地にそのまま艶ありの塗装は気持ちの悪い仕上りになるのでお勧め出来ません)。

 自然光だとラインが判り難いので室内でも撮影しました。

 全方向から光を当てるとコントラストが弱くなり、シャープさの無い写り方になってしまうのですが、この方が塗装の仕上りは判り易いかと思います。

 先日のS20のヘッドカバーもそうですが、エンジンパーツとしてはちょっとあり得ない艶具合に仕上がっていると思います。

 サフェーサーを入れていない所は骨の跡など素地の粗が残っていますが、車体に装着されればこの辺は余り目立たない筈なので問題無いかと思います。

プラグホール周りは塗装しないようにしていますので、プラグキャップが嵌り難い等のトラブルも起こらないかと思います(大抵は大丈夫のようですが、車種によっては時々そういった事があるようです)。

ちなみに先日紹介しましたフェラーリリモコンキーに引き続き、今回もストロボ機材を使った撮影テストも行っておりまして、後程社外記の方でも画像を紹介出来ると思います(上の画像はストロボを使って撮影した画像の一枚です)。(紹介しました→撮影デスク改⑦ ストロボ実践Ⅱ

紹介しいてる画像はいずれもサイズの縮小以外は未加工で、同じカメラを使って環境だけを変えると塗膜はどう変わって見えるのかが判り易いかと思います(ただ実物はどの画像よりも美しく感じられると思いますのでその点はどうぞご安心下さいませ)。

それでは後程完成のお知らせメールを差し上げますね。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!