メルセデスR129インマニ 下準備

r12910 先日サンドブラスト屋さんから戻って来てサフェーサーを塗布しておいたメルセデスR129の巨大なインテークマニホールドです。下地の作業は既に先日から始まっていまして無事本塗りも完了しています。ご安心下さいませ。重さも作業内容も重量級なので本塗りの紹介が少し遅れるかも知れませんがとりあえず下地作業を紹介しますね。

r12911 最初は空研ぎダブルアクションサンダー#600で全体の肌を落とすように研ぎ、その後はひたすら手作業で研いでいきます。画像はヤラセ的になりますが、インマニのサイズがどれだけ大きいかの比較になればと思い珍しく作業風景風に撮影してみました。

r12912 水研ぎは耐水ペーパー#600→#800で行い、最後に目消しとして布状の研磨材(アシレックス#800です)を使って均します。研ぎ作業だけで多分6時間くらいは掛かったかと・・・。

r12913 その後良く水を切ったら再度マスキングを行います。サンドブラスト屋さんに出す時も含めると今回で3回目ですね。

以前職業訓練学校時代の同級で現在は板金塗装業の社長を行っている友人が、「マスキングってどうせ塗ったら剥がすのに超面倒くさく無いっすか~?」と言っていましたが、そんな風に思った事は一度も無いですし、そもそもこれも結構好きな作業の一つだったりします。ただしその友人は現在フェラーリに乗っていまして(多分現行型)、なるほど、この差はそこだったんですか・・・と(笑)。

r12914 当初の予定としては裏側は「色が飛ぶ程度」と考えていたのですが、なんとこのインマニは「中心部分で丁度バランスが取れる!」と言うことが判明しましたので、予定を変更して裏側もクリアーを塗れるようにしました。多分こういった重量バランスの事も考えて作られているんでしょうね。恐るべしAMG600SLです(何か間違っていたらすいません)。

r12915今回のインマニにご指定頂いている色は以前当店で施工したホンダインテグラに施した結晶塗装のオレンジになりましが、実はこちらは参考にした色があるので今回はその色をそのまま使う事にします。画像に写っているのはRAL色見本帳で、ドイツの工業製品などの規格として使われている物(らしい)です。これならSTANDOXの配合データで色を作れますので後から「全く同じ色で」と言う事も可能ですからね。カラーコードは「RAL2004」です。

それでは続けて本塗りの方も紹介しますね。どうぞもう少々お待ち下さいませ!

メルセデスR129ヘッドカバー 結晶塗装 本塗り

r1295 メルセデスR129 AMG600SLに装着予定の73エンジンヘッドカバーです。旧塗膜と腐食はサンドブラスト屋さんにて処理して頂き、当店に戻って来てから燐酸処理を行ってマスキングをしいよいよ本塗り開始です。

r1296 まずはいつも通りプライマーを塗布します。いつも行っているW124のヘッドカバーはマグネシウム製で腐食が激しく再発の可能性が高いですから使用するプライマーは防蝕性の高い浸透型エポキシプライマーが必須ですが、こちらは一般的なアルミ製なのでいつも通りで大丈夫です。多少重くてもパワーがあるのでそんなの関係無い!みたいな感じなのでしょうか(恐)。

r1297 そして本塗り完了です。見ての通り塗り肌が悪いですがこれは鋳造で作られたヘッドカバーの素地が悪いからでもあって、ちなみにインマニの方はこれよりも酷いです・・・(苦)。

ただし結晶塗装の場合はこの後熱を入れる事によってチヂレ目が発生し、それによって素地の粗さは殆ど目立たなくなります。むしろ格好良いくらいに、と・・・。

r1298 ちなみに結晶塗装に使う塗料はそれ専用の物で、今回のような色は元々設定がありませんからそれぞれの原色を混ぜて使います。ただこれも結晶塗装の特性なのか混ぜるとゲル化が進行して長持ちしません。また見ての通り塗料中には通常あり得ないような塗料カスが混ざっていまして、勿論これは最初からある訳では無く保管している間に缶の中で反応(分離?)してこのようになってしまうのです。さらに酷くなると最後は「チヂレない塗料」になってしまう訳でして・・・使い方が難しい塗料でもあるのです。

r1299その後140℃くらいの熱を掛けるとこんな感じに綺麗に結晶目が現われます。ザラザラだった梨地も判りませんよね。凄い塗料なのです。

ただこちらと同時にご依頼頂いているインマニの方は結晶塗装では無く「艶々のオレンジ」で承っておりますので、予め梨地を削って素地調整をし、その後プライマー&サフェーサーでさらに平滑な下地を作ります。

そちらも作業進行しましたらまた紹介させて頂きますね。もう少々お待ち下さいませ!

メルセデスR129インマニ 下準備

benz257インマニのインジェクションが挿さる孔のマスキングがテープやシールでは上手くいかなかったので、薄めのMDF板をレーザーでカットして填め込む事にしました。径をノギスで測ってデータを作ったらカットします。

benz258 多少キツイくらいで作っておき、ギュッと差し込むとこんな感じで固定されます。

benz259 その他パイプやガスケットが付く箇所はいつも通りマスキングテープで覆います。ちなみに圧入されたスチール製のパイプも結構錆びていましたが、そちらはマスキングする前にペーパーで磨いておきました。

benz260 今回塗装するメインは表面のみですが、防錆の為にプライマーとサフェーサーは裏側にも塗っておきます。プライマーが乾いたら一旦ひっくり返して表面にも塗ります。

benz261 表面のプライマーが乾いたら再度ひっくり返して今度はサフェーサーを塗布します。ちなみにサフェーサーは表面だけでも良かったのですが、プライマーの上にサフェーサーを重ねた場合は完全にプライマーを覆ってあげないとサフェの切れ目でチヂレが生じてしまうので裏側もしっかり塗っておく必要があるのです。サフェーサーしか塗っていないと気がつかない事なので意外と知られていないのですが(私も知りませんでした・・・)、わざわざプライマーを塗っている方には気をつけて頂ければと思います。

benz262裏側にサフェーサーを2コート程塗ったら再度ひっくり返し、続けて表面にもサフェを塗ります。こちらはしっかり充填させたいので6コート塗っています。

これでも結構巣穴が残っていたりするので(鋳造なので仕方ありません)、そちらはサフェーサーが硬化した後にパテで埋めるようにします。

とりあえずこちらはこの状態で少し寝かすとして、次はヘッドカバーの結晶塗装の方ですね。そちらも進行しましたらまた紹介させて頂きます。もう少々お待ち下さいませ!

新たなご依頼品も大分溜まってしまっておりますので順次ご案内していきますね。そちらももう少々お待ち下さいませ!

メルセデスR129ヘッドカバー&インマニ 素地調整

benz251 大変お待たせしました!メルセデスR129のヘッドカバー&巨大インマニは先日ブラスト屋さんから戻って来ていて、作業も進行しておりますのでご安心下さいませ。

benz252たっぷり塗られていた塗膜も腐食と共に綺麗さっぱり削り取られて来ました。仕上りはいつもながら素晴らしく、今回はサイズもそうですが重量も相当あるので大変だったと思います。いやはやお疲れ様でした・・・!

benz253 ちなみに旧塗膜が無くなって判りましたが、アルミ素地は結構梨地が凄く、また深い傷やグラインダーで削ったカクカクしたラインなどもそのまま残っています。結晶塗装であればこのまま塗っても殆ど目立たなくなりますが、今回こちらのインマニは「艶々のオレンジ」で承っていますのでこれを平滑にしなければなりません。

benz254と言う事でサフェーサーを塗る前にある程度素地を削っておく事にしました。最初は#80のシングルサンダーで 荒削りし、その後ダブルアクションサンダーで均していきます。

ちなみに艶々にしあげるのはこの部品全体と言う訳では無く、装着した状態で目立つ上部表面の平らな面のみを重点的に行います。と言ってもプライマー&サフェーサーは全体に塗りますからそれでもかなり大変ですけどね。

benz255 シングルサンダーは切削性は良いのですが深い傷が入ったり緩やかなラインがカクカクになってしまったりするのでその後はダブルアクションサンダーで均します。

benz256そしてこんな感じで素地調整が完了です。

この後は清掃を兼ねて全体を燐酸で処理し、マスキングをしてプライマー&サフェーサーを塗布します。

ここまでの作業は先日までに終わっていて、本日既にサフェーサーの塗布まで完了しました。続けてそちらも紹介しますね。

メルセデスR129ヘッドカバー&インマニ 洗浄~発送

r1291 アルカリ洗浄槽に浸け置きしておいたメルセデスR129 AMG600SLに装着予定の73エンジンヘッドカバーです(車の事は良く判らないのですが多分凄い事のような気がします・・・)。オイル汚れが取れましたので、この後の剥離はいつもお世話になっているサンドブラスト専門のショップさんにお願いします。

r129剥離で行うブラストは強力な直圧タイプなので、ブラストが当たって欲しくない部分には予めマスキングをしておきます。この辺の作業もブラスト屋さんにお願いしていますが、如何せん非常に忙しそうなので手伝える所はやっておこうと言う感じですかね。ちなみに物が物だけに(サイズと重量が・・・)これをお受付してくれるかどうかもちょっと不安だったのですが、快く引き受けて頂けたので助かりました。いつも有難うございます!

それではその後戻ってきて作業進行しましたらまた紹介させて頂きますね。どうぞもう少々御待ち下さいませ!