これもお仕事

mini16以前マスキングした姿を一枚だけ掲載しましたが、一応全体の画像が残っていたので改めて紹介したいと思います。と言うか最近荷物の搬入と高めの降水確率の為に通勤で全く自転車に乗れていなく紹介する画像が無いだけですが。

「ROVER MINIをシマウマ柄にする」といった塗装は私の趣味でやった訳では無く、本当に普通にお仕事のご依頼でした。当時は自動車の塗装屋でしたがカスタム塗装が得意と言う訳でもなく、単にいつもご贔屓頂いていたMINIのショップさんのお客さんが「シマウマ柄にしたい!」と言う事で私の所にお鉢が回ってきたのです。やってはいけない仕事の一例として良い勉強になりました(笑)。いや勿論良い意味でです。

そもそも「シマウマ柄」と言っても単に縦縞の白黒にすれば良いのでは無く、やはりそれらしく見えるようにとまずはシマウマの勉強から始めました。どうもシマウマにも何種類かいるようで、その辺はやり易いようにこちらで勝手にデフォルメする事にしました。と言ってもこれがまた大変な作業でしたが・・・。

mini17そもそも車体をシマウマの体に見立てると言うのに無理がある気がしましたが、実際にラフ画を描いてみると意外にしっくりきそうだと言う事に気付きました。特にヒップ周りなんか、MINIとシマウマでは随分と形が似ているようです(壊)。

ちなみに私の記憶が正しければ、「サファリパークからそのまま出てきちゃったような感じで」といったご意向だったと思います。いやこれが公道を走っていれば誰もが間違いなくそう思う筈ですよ(笑)。

mini18元になる車両は至って普通のMINIで、元々オーナー様の車両がこれだったのかはちょっと覚えていません。もしかしたらこの時の為にベース車両を用意したのかも知れません。元々は「アーモンドグリーン」だったので、ドアの内側なども白に塗り直していますが、それぞれの部品を外した状態でシマウマ柄の模様を繋げるのは至難の技(と言うか業)なので裏吹きを先に終わらせておいて組み付けた状態でマスキング~本塗りとなります。フロントパネルは表側も塗ってあるのでもしかしたら新品に交換していたかも知れません(事故或いは錆修理の為)。

mini19で、まずはベースとなる白を塗ります。黒に塗ってから柄を抜く方が簡単だったと思いますが隠ぺい力の差を考えると「白→黒」の順番がセオリーですかね。塗膜が厚くなると仕上がりが悪くなるので(見切りラインがガタガタに)り白から塗るのがやはり正解だと思います。

mini20先日は前からの姿だったので後ろからの画像にしてみました。私の記憶が正しければ朝から塗り始めてマスキングを終えたこの時点で日付が変わっていたと思います。こんな事をやっていたら命が幾つあっても足りませんよ・・・。

mini14そして黒のベースコートを塗布します。マスキングされた部分に黒が全部塗られていないと言う事は、この頃から「ブツ切りマスキング部のスプレー方向」には気をつけていたようですね。車体全体にそのまま黒を塗るような事をすると色の境界線の段差が激しくなってしまいたちまち仕上がりが悪くなってしまうのです。

mini15マスキングを全て剥がしたらクリアーを塗って本塗り完了です。

組み付けも終えて最後は自走で納車したのですが、周りの視線はやはり熱い物がありました。後続車両も異様に車間距離を空けていたのは何かあったらとんでも無い事に巻き込まれると察してくれたのでしょうね。とてもじゃ無いですがこれを塗り直すなんて事は当初より考えていませんので・・・。

ちなみに先ほどネット上に画像が落ちていないかと調べてみましたが、これと同じ様な事をBMW MINIでもやっていたようですね。ただ流石に塗装でシマウマにする勇気は無かったようで(笑)、そちらはラッピングでの施工となっていたようですが。まるで気合が足りていませんが実際はそちらが正解かも知れません。こちらはそう簡単には元に戻せませんので・・・。