３年くらい前にご依頼頂いた日産スカイラインGT-Rのエンジンパーツ一式です。インマ二も入れると部品点数は５点となるので、通常の車両に比べると作業も費用もかなり大変な内容となります。
初期の頃は某GT-Rショップさんからの仕事を請け負っていたので、通算すると１００セットくらいは塗っているかも知れません。

プラグカバーに貼ってあるアルミプレートは超強力な両面テープでくっついているので、これを剥がして再利用と言う事は出来ません。どう丁寧に剥がそうとしてもクシャクシャになってしまうのです。

ちなみにこの時はオーナー様自ら新たなTOMEIのアルミプレートを用意して頂きましたので、塗装後にはそれに交換します。

エンジンパーツの塗装はボディの塗膜と違ってちゃんとしていない物が殆どなので、再塗装の際には基本的に全部剥がします。特にこのインマ二の塗装は酷く、大抵は経年でペリペリと剥がれてしまっていますよね。

リン酸処理を行って素地調整をしたらよく洗浄して各部をマスキングします。

全体にプライマーを塗布します。

本塗りを行い、焼き付けが完了したら凸部を削って光らせます。

ご希望により、面研して光らせた部分にクリアーを筆で塗っておきます。こちらはサービスですのでご希望の方はお気軽にどうぞ（面研自体は勿論お金が掛かります）。

そして完成です。

いつもの黒とちょっと違うような気がしますが、これは黒の塗料にパウダータイプのブルーパールを入れているからで、光に当たると若干フワっとした青味が出るようになっています。いつもの黒よりも少し違うのが判りますよね（判りませんか…）。

明るい色はエンジンルームを華やかにし、黒系は重厚感を出してくれます。どちらにしても存在感は最初に比べると全然違いますよね。

新しく貼ったTOMEIのアルミプレートも良い感じです。

結晶塗装のチヂレ目を近くで見るとこんな感じです。ボディーシューツのように塗膜が突起している訳では無いのでウェスで拭いても繊維が塗膜に引っかかったりはしません。砂埃が付いたら濡れ雑巾で拭けばOKです。

結晶塗装は通常の塗装（２液硬化型アクリルポリウレタン）とは違うので、対応出来る色は限られていますが、今回のように何かしらアクセントを加える事は可能です。どうぞご利用下さいませ。