SPECIALIZED S-WORKS③ 完成

sworks そして完成です。工期の内訳としては、打ち合わせに二か月、作業自体は1ヶ月くらいだったと思います。

sworks-3 当初はこの「S」の輪郭のギザギザが塗装で再現出来るか判りませんでしたが、いつもの如く機械達がとても頑張ってくれたので意外に問題無く作業する事が出来ました。ただやはりと言うかセンターと垂直を出すのが難しかったです。

sworks-4 今回のコンセプトとしては「派手なゴールドカラーで」と言う事で承っておりまして、下色には粗めのメタリックシルバー(MIX598)を、その上にイエローキャンディー塗装の組み合わせで眩しいくらいのキャンディーイエロー(ゴールド)に仕上がったと思います。

sworks-5 こういった濃淡が激しい色はキャンディーカラー特有ですよね。

sworks-6 こちらはいつもの撮影場所で撮っています。

sworks-7 チェーンステー部は後方が細くなっているので、それに合わせてロゴも尻すぼみに変形~調整しています。勿論反対側は逆になっています。

sworks-8 こちらは室内で撮影する場所で、蛍光灯の位置を低くしているので自転車フレームを立てるとかなりギリギリですね。

sworks-9一見派手ではありますが、キャンディーカラー自体は自転車フレームの塗装としては珍しくは無いので、取り付けるパーツのを統一させればかなり格好良い仕様になるかと思います。セオリーはまあマットブラックブラックで、アルミパーツならゴールドアルマイト仕上げなんかも良さそうですね。

この度のご依頼、誠に有難うございました!

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SPECIALIZED S-WORKS ②本塗り

sworks14一旦下塗りとして塗られたゴールドキャンディーカラーのフレームが完全硬化したら再度足付け処理を行い、各部をマスキングしていよいよ本塗りです。

sworks15 各ロゴの仕上がりを良くする方法の一つとして、先にベースクリアー(ベースコートクリアー)を塗っておくとマスキング際の仕上がりがガタガタ成り難い傾向にあります。これから塗るロゴの塗装が下地に良く馴染むからですね。

sworks16 ベースクリアーが十分に乾いたら指定の位置にマスキングシートを貼っていきます。ここで役に立つのが最初に作っておいた各ロゴの配置図で、これを使って一旦2次元に変換したデータを再び3次元に戻します。

sworks17 「S-WORKS」のロゴは左右が非対称ですが、「GP」のロゴはほぼ対象となるので、左右のロゴをフレーム上部から見た時に前後の位置が同じ様になるよう調整しています。上から見て★の位置がズレていたら格好悪いですからね。

sworks18 ロゴ入れなどの塗装を綺麗に仕上げるコツとしては「極力膜厚をつけない」と言う事で、塗装した箇所をライトで照らしながら完全隠蔽した事を確認して極力無駄な膜厚を付け無いように注意します。

sworks19 ただそれでもこんな感じでガタガタになってしまう箇所はあるので(Sの左上部分です)、こういった箇所は一つずつ修正していきます。車のボディのように大きい物だと気にならないかも知れませんが、小物だとこういった箇所が結構目立つんですよね。

sworks20 新たに用意したマスキングシートをカットして同じ位置に貼り、修整したい箇所をスポットで塗装します。

sworks21 こんな感じで綺麗なラインになりました。地味な作業ですが、こういう小さな事の積み重ねで完成度は少しずつ上がって行きます。この辺は技術云々と言うよりどこまで付き合うか、みたいな感じですかね。

sworks22 こんな感じで大体10箇所くらいを修正しました。

sworks23 2色目を塗装して失敗した場合、一度塗ったロゴを再度塗り潰してやり直すなんて事もあるのですが、キャンディーカラーのような塗装はそうはいきませんので、その場合は保険として一旦クリアーを塗っておくと安心です。これならロゴ入れを失敗しても全部シンナーで拭き取れば大丈夫ですからね。

sworks24 とにかく一度始まると後戻りが難しいのが塗装で、とにかくその為の情報をこれでもか!と言うくらい用意するようにしています。

sworks25 全てのロゴ入れ塗装が完了したらよくエアーブローをして、タッククロス(粘着物質が着いたホコリを取る為の専用の不織布)を掛けながら細部を点検し、問題なければ全体にクリアーを塗装します。

sworks26 キャンディーカラーは通常の塗色に比べると褪色し易いので、クリアーは耐侯性の高いタイプのクリアー(現在はクリスタルクリアー)を使っています。

sworks27この後熱を掛けて完全硬化させ、数日経ったら磨き作業をして完成となります。

SPECIALIZED S-WORKS③ 完成へ続く

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