ロードスターヘッドカバー 結晶塗装 下準備

road こちらもお待たせしておりました。NBロードスターのヘッドカバーも作業着手しておりますのでご安心くださいませ。

こちらも昨年からお預かりしている案件で、その間はアルカリ洗浄槽に浸け込みしておき内部の油汚れなどを落としてあります。引き上げたらよく洗浄し、こちらも軽めのサンドブラストを行います。

road1 こんな感じでサンドブラスト完了です。この後リン酸処理を行い、再度綺麗に洗浄してマスキングを行います。

road2その後いつも通りにプラグホール周りのマスキング作業をしていたのですが、ふと「これをいつまで繰り返すんだろう・・・」と思ってしまい(笑)、そう言えば以前TREKのフレームのマスキングで「蓋」をレーザーで作ったのを思い出しまして、今回試しに作ってみる事にしました。

画像ではレーザー加工機にヘッドカバーが入っていますが、これは単にテーブル代わりにしているだけですので気にしないで下さい。プラグホールの径をノギスで測ってます。

road3 プラグホールの径は25.75ミリだったのですが、フチはレーザーで焼き切れて損失してしまうので、少し大きめの26ミリでカットしました(と言うか実際に試し切りをして調整しています)。

road4蓋に使った材料は6ミリ厚のMDF板で、一度にレーザーで切ると焦点距離の違いから切り口がテーパー状になるのを利用して、丁度良い具合の蓋が出来ました。と言うか何故もっと早くこれをやっておかなかったんだろうと・・・(悔)。

こちらも近日中には本塗り予定で、その後凹み文字部分を「濃い赤」に塗る予定です。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

MITSUBISHIヘッドカバー 下準備

mitsubishi こちらもお待たせしております。車種はちょっと不明なのですが、三菱のヘッドカバーは作業進行しておりますのでご安心くださいませ。

元々は半艶っぽい赤が塗ってあったので、去年の暮れから溶剤槽に漬け込んで旧塗膜を柔らかくし、その後ワイヤーブラシで擦ってある程度の塗膜を剥がします。今回は軽めのサンドブラストも承っておりますので大体こんな感じでOKです。

mitsubishi1 ちなみにサンドブラストのイメージとしては「ガンガン塗膜を剥がしてくれる!」みたいな所がありますが、それは強力な「直圧」タイプの場合の事で、当店にある吸い上げ式のサンドブラストではそこまでの威力は無いのである程度の塗膜は事前に剥がしておく事が必要なのです。勿論出来なくは無いのですが、時間が掛かる=費用が上がるという事で、そういった場合は直圧ブラストを設備している専門のショップさんにお願いするようにしています。現在お預かりしているハコスカGT-R S20のヘッドカバーがそうですね。

mitsubishi2と言う事で軽目のサンドブラストが完了です。この後よく洗浄し、リン酸処理を行った後にマスキングをして本塗りとなります。

この他、ロードスターのヘッドカバーと、GT-R RB26改28エンジンパーツ一式も一緒に本塗り予定で、恐らくは今週中に出来ると思います。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

メガネフレーム(TOM FORD)塗装承ってます

tom 先日到着しておりましたTOM FORDのメガネフレームです。この度のご依頼、誠に有難う御座います!

ご依頼内容は「艶有りブラック」で、各部のマスキングと、今回はレンズ周りで少し特種な処理を行います。

tom1 蝶番は一般的なフレームと違って、フロント部分はネジで付いています。通常は溶かし込んで埋め込まれているのですが、こんな構造初めて見ました・・・。

tom2 ネジを外して横にスライドさせると簡単に外れます。塗装をする事が前提だとこれは助かりますね。

tom3 テンプルの端にはメーカーロゴのエンブレムが付いていて、オークリーのように両面テープ(!)で付いているなら暖めれば簡単に外れるのですが、全体的な作りの良さからすると恐らくそれは無いだろう(笑)と言う事で無理に抉らずマスキングで対応します。

tom5分解するとこんな感じです。レンズは有り得ないほどキツく着いていて、しかも今回のフレームは細身ですからうっかり力を入れ過ぎてフレームを折ってしまうのでは・・・と思ったので、隙間に中性洗剤を浸透させてレンズを滑らせるようにして外しました。これはいつもレンズを取り付ける時に行う事ですが、まさか外す時にも使うとは・・・です。

tom6テンプル(=耳に掛かるサイドフレーム)の外側前方には細いライン状で飾り金具が埋め込まれていて、オーナー様的にここも残されたいとの事で、ベースコート(黒)はここを残すようにマスキングし、その後に塗るクリアーはここも一緒に覆うように全体にコートします。以前OGのメガネフレームを塗った時と同じ様な方法ですね。

tom4そして今回ネックとなるのがレンズ周りの施工で、今回のレンズの取り付けはオーナー様の方で手配をして頂いたのですが、その際のご指定として「レンズを入れるフチ周りは塗らないで」と言う内容で承っています。

一応以前の施工例があるので紹介しますね。

megane1 レンズが嵌まるフチ部分は予めこんな感じでマスキングをしますが、このままだとマスキングテープのフチに表面張力でクリアーが溜まってしまい、爪で引っかかるような激しい段差と全く美しく無い仕上がりになってしまうのですが、その後エッジ部分をペーパーで研ぎ、コンパウンドで磨けば滑らかに仕上がります。綺麗に仕上げるコツは「エッジ」を上手く利用する感じですかね。

megane2 こんな感じで、レンズが嵌まる部分には色もクリアーも塗らず、フチも滑らかに仕上げる事は可能です(ただし手間は掛かるので結構な割増分がありますが・・・)。

megane同じ様にピンクに塗ったフレームもレンズに当たる部分は塗らずに仕上げています。塗ったままだとエッジは尖っていますが、そこは全部ペーパーで削り落としてしまい、コンパウンドで磨けば滑らかに仕上げられます。

ただ今回はレンズが嵌まる部分には「青」と、その外側にある「茶色」(鼠色)も若干残ってしまう(出てしまう)のでは?と懸念しています。青い部分がエッジの頂点よりも外側に出ていれば茶色(鼠色)が出る事は無かったのですが、どう見てもかなり内側なんですよね(苦)。

まあこの辺はオーナー様にも御理解頂いておりまして、後は実際にやってみて極力良い方法で対応したいと思っています。完全に覆ってしまえばレンズを入れる時にガリっと削ってしまいますし、かといって茶色は出来るだけ残したく無いと、この辺はもう技術的な事と言うよりは激しいジレンマとの戦いだと思いますので・・・。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きますね。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!