HARO自転車フレーム プライマー&サフェーサー塗布

haro9 無事ヘッドチューブの割れが直って戻って来たので作業再開です。

今回はメインのフレームがアルミで、上の画像のスイングアームはスチール製です。どちらも腐食が酷く、ブラスト屋さんにて強力な直圧ブラストで全部削り落として貰いましたが今後の再発防止の為にも今回は重防錆仕様で承っていますのでプライマーは耐蝕性の高い浸透型エポキシプライマーを使います。尚スプレー塗装では入らない細かい箇所は予め筆を使ってプライマーを詰め込んで、さらにエアーブローして隙間の奥底まで到達出来るようにしています。カチオン塗装みたいに防錆剤の入った槽にドブ漬け出来ればそれが一番良いのですがそんな事は普通出来ませんしね。

haro10 食み出た分はウェスで拭き取り、改めて吊るして同じプライマーを全体に塗布します。通常のプライマーと違って2液性のエポキシプライマーは厚塗りしてもOKですが、塗膜が強固過ぎて研ぐのが大変過ぎますので(驚くほど研げません・・・)、作業性も考えてこの上にいつものウレタン系サフェーサーを塗布します。

haro11エポキシプライマーは通常使う2液塗料と同じく強制乾燥が必用で、ただ焼ききってしまう(熱を入れてしっかり完全硬化させてしまう)と足付け処理をしなければなりませんから、こういった場合は半生の状態でその上に違う塗料を乗せるウェットオンウェットが有効です。場合によっては2液ウレタンサフェーサーを焼かずにそのまま上塗り塗装を行ったりも出来ますが、それは流石に肌が荒れ過ぎるので普通はしません(艶も引けますし)。自動車の新品部品の裏吹きなどではやったりしますかね。ちなみに「エポキシ→ポリエステル」も試した事がありますが、ポリエステル系はある一定の時間を越えると一気に硬化スピードが高まるので、それに下のエポキシ層が追随出来なく「クラック」が生じます。膜厚や塗装するタイミング、気温などで対応は出来ますが余りお勧めは出来ませんかね(ただし密着性は問題ありませんし、懲りずに何回かやっていたりもします)。

サフェーサーはかなりタップリ塗っていますが侵食されたところも凄く多いので、この後パテで補修しもしかしたらもう一度サフェーサーを塗るかも知れません。

まだ少し時間は掛かりますが作業進行しましたらまた紹介させて頂きますのでどうぞもう暫くお待ち下さいませ!

HARO自転車フレーム 旧塗膜剥離~割れ修理

haro5 大変お待たせしております。すっかり登場していなかったHAROのBMXフレームですが、その間に色々あって現在は無事サフェーサーの塗布まで完了しております。

上の画像は少し前の状態で、いつもお世話になっているサンドブラスト屋さんより旧塗膜の剥離~腐食の除去を行って貰って戻って来た状態です。いつもながら素晴らしい仕事で本当に助かっています。

haro6 ただ塗膜を剥がして判ったのですが、どうやらヘッドチューブの上側の内側に亀裂が入っているのが確認出来ました。最初に確認したつもりだったのですが、恐らく既存の塗膜とさらにその上に自家塗装の塗膜があったので気付けなかったようです。大変失礼しました・・・。

と言う事で急遽これを修理できる所を探してオーナー様に御提案したところ、快く御許諾頂きましたのでこの後そのショップに修理をお願いする事となりました。そこから二週間後が以下の画像です。

haro7 こういった自転車フレームの割れについては私も初めての事でどうした物かと思ったのですが、画像等を送って問い合わせた所修理可能との事で無事修理されて戻って来ました。いやはや本当に助かりました。

haro8担当していただいたショップの方曰く、比較的古い時代のフレームは新車時にちゃんと削られていないとの事で、径のサイズが小さくこういった割れは良くあるらしいです。 本来は33.9mm前後の内径との事ですが確かに測って見るとそこまでありませんでして・・・。

ちなみに今回こちらの割れを修理していただいたのはGoGo Wheelersなる自転車ショップさんで、こういった修理やハードな加工も得意のようです。以前から当店の事も知っていて頂いたとの事で恐縮で御座います。この度は誠に有り難う御座いました!

既にサフェーサーの塗布まで完了しておりますので続けて紹介しますね。

オーディオテクニカマイク 本塗り

mic4 先日デカールを貼り終えていたオーディオテクニカのマイクです。しっかりデカールを乾燥させ、クリアーを塗って本塗り完了です。お待たせしました!

mic3デカールの厚み分の段差は当然ありますが殆ど目立たない程度で、気になっていたデカールの白濁りは貼った本人でも判らない程に出来ていますので御安心下さい。今回は随分と時間が掛かってしまいましたが傾向と対策は判りましたので次回からは楽しく出来そうです。

それでは完成次第改めて紹介させて頂きますね。もう少々お待ち下さいませ!

TREKカーボンフレーム&フォーク 本塗り

trek49大変お待たせしました!トレックのカーボンフレームとカーボンフレームは無事本塗り完了していますので御安心下さい。

trek48画像は既に二回(2台分)クリアーが塗られた状態で、艶が無く白っぽくなっているのは全体にペーパーを掛けてあるからです。市販品の場合は恐らくこの中研ぎ(とは普通呼びませんが)をしていないので、肌の上に肌を重ねてデロデロした仕上がりになっているのだと思います。触れた事がある方なら判ると思いますが上塗りのクリアーを削ると下から艶のある層が出てきますよね。フェザーエッジが甘めになるのでいつもあれがちょっと困り物です。

trek50本塗りは今までの下塗りと基本的には同じですが、クリアーを高品位なクリスタルクリアーに変更している事と、多少安全マージンを減らして塗りこんでいます。まあそれ故に垂れている所も何箇所かあるのですが(特段珍しい事では無く私の場合は人より大目だと思います。磨きで取れますので御安心下さいませ)。

trek51安全マージンを取れば当然タレなどのリスクは減りますがその分肌が悪い所が残り、特に自転車フレームのような磨きがし難い箇所の肌が悪くなると汚い仕上がりになってしまいます。となると「これくらいは良いか」となるのが普通の流れですので、本人の気付かないうちに段々と仕上がりが悪くなって来たりする訳ですね(と思っています)。

trek52結晶塗装の場合もそうですが、ここまで(クリアーを)乗せるとなると多少なりのリスクは付き物で、ただ多少のタレであればその箇所のみの処理で済みますから、全体的に肌が悪くなるくらいなら垂れた箇所のみ手を入れて上げる方がトータルで見れば断然綺麗な仕上がりになると思います。たた当然塗り直しのリスクも付きまといますけどね(それ故に昔から人よりも塗り直しは多い方だと思います)。

trek53塗装は全体的な工程や使う材料などは特にこうやらなければ成らないといったマニュアルがある訳では無く、要は結果(とその後の経過)と、決められたコスト(材料費と時間内)であれば何をやっても許される、みたいな所が塗装の面白い所なんですよね。まあそう出来るまでが結構大変なので皆辞めていってしまうんですけどね(寂)。

trek54幸いにしてフォークはタレも無くこのまま完全硬化させて完成に出来そうです。フレームは磨き作業を行いますのでもう少し時間は掛かると思いますから、一応来週一杯くらいを目安にして頂ければと思います。もう少々お待ち下さいませ!

オーディオテクニカ マイク デカール貼り付け

mic47先日キャンディーレッドに塗装を終えていたオーディオテクニカのマイクです。ベースコートの塗装が終わった時点でデカールを貼り付けようと思いましたが、嫌な予感がしたので一旦クリアーまで塗ってデカールは後から貼ることにしました。結果的にこれのお陰で全滅は逃れることが出来まして・・・。キャンディーカラーはコート数で色の濃さが決まるので、部品一個が駄目になると全部を塗り直さなければなりませんから、今回デカールの貼り付けを何度かやり直ししていましてクリアーまで塗っておかなければ危なかったです。

mic48全体的に足付け処理をしたらデカールの貼り付け準備を行います。この辺はプラモデルと同じですが、密着力を高める為の接着剤(マークセッター)は不可欠ですかね。

mic50デカールはシールに比べると非常に薄いですが、塗装が基準となるとこの厚みも相当なもので、出来るだけそれを目立たなくする為には極力カット位置を内側にする必要があります。

ちなみにちょっと前にスマートフォンケースにUVプリントを施した案件を紹介しましたが、その後掲載は控えて欲しいと言うことで記事は削除いたしました。塗装自体は無事完成して仕上がりも喜んでいただけましたが、UVプリントのインクでさえ塗装だと相当の厚みになるので、その上に塗ったクリアーはかなりの凸凹が残りました。私的には「クリアー塗装→完全硬化→研磨」を3回~4回くらい繰り返さないと綺麗な平滑面にならないと思いましたが、オーナー様的には1度の塗装で充分だったらしく既にリピートのご依頼も頂いています。

ちなみにプロモデラーの方は上の画像のようなデカールの場合、プリントされたライン以外はカッターでカットして取り除くらしいです。物事を極めるとなるとやはりそこまでやらないと駄目なのでしょうね。私など到底足元にも及びません(って目指しているのはプロモデラーでは無いですが。笑)。

mic46と言う事でこんな感じにデカールの貼り付けを行ったのですが(一部お名前が出ていますので修整しています)、この後これを剝がして3回(か4回)やり直しています。貼った後は良いのですが、一時間くらいして完全に水気が飛ぶとデカールを貼った部分に白濁りが出てくるのです。これは糊の不良などで発生したりしますが、水に長く浸け過ぎて糊を流してしまっている訳でもありません、デカール自体もそんなに古くは無く、そもそもマークセッターを使っていますから問題はそこでは無いんじゃ・・・、と思ってアクリル板の端材で色々と試してみたら判りました判りました。どうやらデカール貼り付け面に行った足付け処理がマズかった模様です。いつもはそんなに気にする程では無かったのですが、確かにここまで長い文字を二列に行うのは初めてなので、帯状になった二本の濁りが凄く目立ったんでしょうね。

mic49デカールの作製はいつものIllustratorなるソフトでデータを作り、今は廃盤になってしまったALPSのドライプリンターで印刷を行います。

これの良い点はうちのような極小規模な工場でも内製化が可能で、今回のように何度失敗してもその場で直ぐに造り直しが出来る点に尽きると思います。こういった作業は夜間に行う事が殆どですから、もし誰かに御願いして作ってもらっていたら翌日まで待たなければなりませんが、自分の体力さえ持てば誰に迷惑も掛けず何度でもやり直せるのが良いところです。しかしまともに出来るようになるまでに3日も要してしまいましたが・・・(苦)。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きますね。もう少々お待ち下さいませ!(これでようやく寝不足から解消されます)。