自動車内装カバーパーツ11点 本塗り

先日お預かりしておりました自動車内装パーツ11点です。

こちらの部品は一部が反り返っていたので、

ドライヤーで温めて修正をしておきました。この後熱を入れた際に反発して戻る分を想定して少し曲げ過ぎな感じにしています。

今回のパーツはABS樹脂にカーボン柄の水圧転写が施され、その表面にはクリアーが塗ってありますが、余り仕上がりが良く無い箇所もあるので、そういった部分を修正しておきます。

修正が必要な箇所には#400の空研ぎで研磨、その後コシのあるトレカット(#800)で均し、最後に当たりの柔らかい布状研磨副資材(アシレックスレモン)#800で全体を足付け処理します。

その後良く脱脂清掃し、手で持って塗れるよう芯棒に固定します。

それらを台にセットし、

最終脱脂を行います。

ブースのファンを回し、エアーブローをして 埃を飛ばします。「そんなにやるの?!」くらいしつこくやっています。

固定がし難い物は段ボールなどを使って安定するようにしています。勢いよく振っても落ちないくらいにしています。

裏側まで回り込むようにしてフチまでしっかり塗れるようにしています。

ちなみにドアスイッチパネルは最も既存の塗装の状態が悪く、かなりの研磨を要し、一部は下地が露出した状態となっています。

素材が塗料との相性が良いABS樹脂なので大丈夫かと考えたのですが、

いざベースコートを塗ってみると激しいチヂレが発生した為、その部分にサーフェサーを塗る事にしました(勿論その後熱を入れて研ぎ直しました)。

その後は問題無く、ベースコートの黒を塗布し、

クリアーを塗って本塗り完了です。お待たせしました!

クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーの仕様となります。

クリアーに使う硬化剤は数種類あり、

また同じくシンナーにも数種類あるので、

その時の気温や被塗物の形状・サイズ等で使い分ける事となります。ここのところ日によって気温がかなり変わっていますが、そういう事に影響されなく日々安定した仕上がりを供給出来るのが重要かと思っています。

当店のような小物塗装の場合は磨き作業を極力減らしたいので、塗りっぱなしで肌が出来るようハードナーとシンナーの設定は比較的遅めにしています。

車体に比べてサイズが小さくなるので通常だと「速乾」という方向に行きがちですが、前記した理由から当店の場合ではむしろその逆となり、車を塗っていた時よりはかなり遅い設定となっています。納期を気にする必要が無いのと、私一人で工場を使っているので他の人を気にしないで良いというのが大きな理由ですね(通常はあり得ない環境だと思います)。

それでは完成次第改めて紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!