ゼンハイザーXSW-D ワイヤレスオーディオ 本塗り

先日お預かりしていましたSENNHEISER XSW-D XLR BASE SET、ハンドヘルド型ダイナミックマイクを手軽にワイヤレス化出来る製品です。

こちらの製品は分解が難しいので、各部はマスキングで対応しています。

USB-Cの端子部分は、要らないケーブルをカットしてそれを差し込んで養生としました。

マイク本体取り付け部のロックボタンもマスキングで対応しています。

全体を#800~#1300で研磨足付け処理してありますが、塗料の密着が悪そうな素材(恐らくはPP=ポリプロピレン)に見受けられたので、プラスチックプライマー塗布前にガスプライマーを使った火炎処理も行っておきました。ガスプライマーについては以下の記事で紹介していますので宜しければご参照くださいませ。

Mazda Diesel Fuel Cap

まずは下色として適当なシルバーを塗ります。具体的にはVWのリフレックスシルバーで、比較的隠ぺい力の高いシルバー(MIX594)が多く含まれた塗色となります。

隠ぺい力の高いシルバーは比較的透かしが白く(明るく)表面も明るいので、コントラストが弱くノッペリとした印象になります。

その後粒子が粗いメタリック=MIX598を塗ります。正面の輝きが強く透かしが黒い(暗い)のが特徴で、コントラストが強い故にこの後に塗るキャンディーカラーが映えるとう訳です。これの究極が「メッキ」となる訳ですが、装飾クロムメッキ(金属)に直接上塗りを行っても塗装は密着しませんし、メッキ調塗装はやはり塗膜間での密着性が悪いので当店では採用していません。ショーケースの中に飾ったり、MV撮影の為の一回だけの使用に限られますかね。

続けて透過性の赤=レッドキャンディーを塗布します。

しっかり色味が着いたらインジケーターランプ部のマスキングを剥がし、再びプラスチックプライマーを塗布します。

そして全体にクリアーを塗って本塗り完了です。

ただ素地が梨地だったのと、艶が出るまで判らなかったのですが意外と全体の表面が凸凹していた為、今回の本塗りは下塗りとして、後日もう一度クリアーを塗る事にしました。所謂「二度塗り」ですね。

後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させ、全体を研磨して凸凹としたラインを均しました。

水は使えないので#800のトレカットを使います。

全体の凸凹を均したら最後に当たりの柔らかい布状研磨副資材(アシレックス)#800~#1300で足付け処理します。

よく脱脂清掃し、マスキングを貼り直したら本塗り準備完了です。

今回はプラスチック素地が露出した箇所は無いのでプライマーを塗る必要はありません。

また塗るのもクリアーだけなのでインジケータランプ部はマスキング無しで大丈夫です。

よくエアーブローをして埃を飛ばしたら、クリアーを塗って本塗り完了です。お待たせしました!

サフェーサーやパテを使っての修正では無いので製品自体の歪みは残りますが、最初の本塗り時に比べると断然仕上がりは良くなったと思います。この型は今後も二度塗り必須ですね。

この後は再び一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。

それでは完成次第改めて紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!