ランエボブレンボキャリパー塗装 完成

大変お待たせしました!先日本塗りを終えていたランサーエボリューションブレンボキャリパーの塗装、本日完成となります。

最初の状態も紹介します。

元々はこの様な状態だったキャリパーを、

いつものブレーキ屋さんにてオーバーホールとサンドブラスト処理を行い、

キャリパー本体にポルシェ「リザードグリーン」(カラーコードM6B)を、

bremboのロゴには同社ポルシェ「ウルトラバイオレット」(カラーコード:M4A)で塗装を施しました。

各画像はサイズの縮小以外は未加工となります。

塗装後、ロゴの面部分は磨き処理も行っています。

車体取り付け部、ガスケットあたり面、ブレーキパッド固定用ピンを通す穴等、これらの箇所にクリアーを塗るとトラブルが起こるので(取り付けるメカニックの方が怒るので)、この箇所はプライマーとベースコートの黒を薄膜の塗装にしてあります。

  それでは後ほど完成のお知らせメールを差し上げます。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!

ホンダN-VANメッキフォググリル 本塗り

先日メッキの下準備を行っておいたホンダNVANの純正メッキフォググリルです。

マスキングを貼り直し、再び手で持って塗れるようワニクリップで芯棒に固定しました。

中央の穴部分の側面は裏側からスプレーするような塗り方になるので、ここのスペースを広めにとって固定しています。

またこれは小物塗装あるあるなのですが、部品を装着した際に「爪の根本」が若干見えてしまう場合があるので、あえて少し色が食み出るような感じで塗るようにしています。本当は谷のラインで綺麗に塗り分けしたいところですが、装着した際に隙間からここのメッキが見えてしまうと凄く目立つんですよね。

そして色ですが、こちらは黒が80%、白が20%のグレー色の見本となります。

色見本の方がかなり白いのが判るかと思います。

かといって黒の原色そのままだと黒過ぎるのも判るかと思います。

と言う訳で20%程ではないにしても、多少なり白を混ぜて明度を調整しました。

また多少青系の原色(MIX859)も入れて色相も調整しています。

ザラザラとした状態の樹脂素材はどうしても明るく(白く)見えますが、濡らして肌を平滑にすると黒味が増します。

ただし着色樹脂と塗装とでは色の見え方は全然違うので、正面や透かし等色々な条件で平均的に似たような感じに留めておきます。

そして最後にクリアーを塗って本塗り完了です。お待たせしました!

クリアーはつや消し仕様となります。

艶消しでも艶ありと同様ウェットコートでしっかり2コート塗って仕上げます。

その後時間の経過と共に艶が消えていきます。

塗装も艶がある状態と艶が無い状態では色の見え方が違い、ただこれは塗り終わって完全硬化してみないとどれくらいの艶具合になるのか判らないので、艶を合わせる作業は調色作業以上に大変だったりします(本塗り同様に塗って完全硬化させなければ艶具合が判らないからです)。

この後は一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。

それでは完成次第改めて紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

フェラーリリモコンキー 下準備

先日お預かりしておりましたフェラーリカリフォルニアTのリモコンキーです。

まずは窪みに嵌った跳ね馬のエンブレムを取り外しますが、表から取ろうとすると傷を着けたり、下手をすると細い尻尾や足の部分を折ってしまう恐れがある為、

この場合裏側からドリルで穴を開け、

そこからポンチで跳ね馬を押し出すようにして外します。金属製の跳ね馬に何かあると取り返しがつきませんが、穴なら後で塞げば大丈夫なので問題ありません。

今回塗るのはこちらの裏表のカバーパネルで、

傷を着けたくない箇所にマスキングテープを貼ってさらにその上にガムテープを重ね、

#180のダブルアクションサンダーと#240の手研ぎで旧塗膜を剥離します。

リング取り付け部の内側もしっかり除去しておきます。

その後ボタンと跳ね馬が付く窪み部分と裏側を、ナイロンブラシとウォッシュコンパウンド(液状研磨剤)を使って足付け処理します。

この後はサーフェサーを塗りますが、跳ね馬部分にはサフェを入れたくないので、熱可塑性の樹脂粘土(ポリエチレン樹脂)を熱湯で柔らかくし、

さらにカバーパネルも一緒にお湯で温めて熱可塑性樹脂を跳ね馬の窪みに埋め込みます。

しっかり余分を除去したら、

詰めた樹脂を一旦外します。マスキング用の型ですね。

 その後よく脱脂清掃し、芯棒に固定して台にセットします。

ボタン部分もフチにサフェが入らないよう、マスキングテープを棒状に丸めた物を挟み込むようにします。車体を塗る場合は専用の物があるのですが、このサイズだとさすがに無いのでこれで代用しています。

樹脂粘土で作った型はしっかりはめ込まず、少し浮かした状態にしておきます。そうじゃないとサフェがガッツリくっ付いてフチが汚くなってしまうからですね。

その後プラスチックプライマーを塗り、サーフェサーを4コート程塗ります。

1コート毎に10分くらいの乾燥時間(フラッシュオフタイム)を設けているので、サフェ一つでも結構な時間が掛かります。近年の自動車補修ではUV硬化型のパテやサフェが使われているみたいなので、うちも機会があれば移行したいですね(ただ一時期頻繁に出たスチレンフリーパテのように後から出るトラブルは困るので、そういった問題が全部改善してからで構わないと思っています)。

 最後の1コートはマスク型を外します。

バツ切りにした箇所はどうしてもフチがガタガタしているので、それを均す為に最後の1~2コートはこれらを外してサフェを塗るようにします。それらの為に先に全体の足付け処理も済ませたあります。

また最後のサフェは肌を均す為にも少量のシンナーで希釈してあります。

研磨した際の毛羽立ちが残っていますが、これが木の根っこのようにしっかりサフェと素材(恐らくはポリプロピレン)を密着してくれる役目も担っています。

この後は一晩以上自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

レクサスエンブレム塗装承ってます

先日到着しておりましたレクサス純正エンブレムです。こちらのオーナー様は以前プリウスのパーツ塗装で何度かご依頼頂いた方で、この度も当店をご利用頂き誠にありがとうございます!

いつも塗っているスバルエンブレムに比べるとかなり大きいサイズで、

また内部に熱線が入っています。まさか本当に熱線だとは思っていなかったのですが、どうやら寒冷地仕様のエンブレムはこの様になっているみたいです。内側のセンサーが入っていて、ここに雪が積もると電波を阻害してしまうのでそれを防ぐためでしょうか。

裏側にはコネクターの差込口が付いています。

ご依頼内容はスモーク塗装べた塗りで、クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーへの変更で承っています。

濃度は「極薄め」で承っておりまして、以前施工した事例を参考に画像を紹介します。

スモークの濃さはこの時くらいで、「メッキのギラギラ感がほのかに緩和され」「同じ車両が並んだ時に(初めて)気付くような」といった極薄い感じを予定しています。

また以前ご依頼頂いた時の画像も紹介させて頂きます。

こちらはプリウスの純正テールランプで、施工したのは10年以上前、まだ今の工場に引っ越しする前の時ですね。

こちらも同じくプリウスのパーツで、カウルトップの一部とリヤワイパーアームを塗らせて頂きました。オーナー様からは「以前塗装いただいたカウルトップもリヤワイパー部分もまったく艶引けしないで10年近くたっても光沢感がある素晴らしい状態でした。」とのご報告を頂いております。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!

マツダリモコンキーカバー 本塗り

先日お預かりしておりましたマツダのリモコンキーカバーです。

こちらは新品塗装済み品なので下地は出来ていますから、全体を#800→#1300の布状研磨副資材で研磨し、ナイロンブラシとウォッシュコンパウンドで足付け処理を行います。

手で持って塗れるようワニクリップで芯棒に固定し、台にセットします。

よく脱脂清掃したら念のため裏側樹脂素地が露出した箇所にプラスチックプライマーを塗っておきます。

尚、今回は色見本キーホルダーの制作も承っていますので、サーフェサーを塗って研磨したこちらの素体も一緒に塗装します。

まずは隠蔽力の高い塗色で下塗りを行います。

下色に使う塗料は、決まった物もあれば、余って使い道の無い物をそれぞれ混ぜて適当に作っている場合があります。

今回ご指定頂いているのはマツダ純正色「レーシングオレンジ」(カラーコード:A8X)で、こちらは下色を塗ったそれに、半分だけレーシングオレンジを塗った状態です。

下色に2コート、レーシングオレンジを3コート程塗っています。

コート毎に5分~10分くらいの乾燥時間=フラッシュオフタイムを設けています。

よく乾燥させたらトップコート=クリアーを塗ります。が、今回はこちらにロゴ入れも承っていますので、

場所を工場二階に移し、デカール貼り付けの作業を行います。

比較的大きいサイズ、例えばブレンボキャリパーにbremboのロゴを入れる場合はマスキングシートを使って塗装で行いますが、今回のようにサイズが小さく線が細い場合でそれを行うのは物理的に難しいので、印刷を使ったデカールでの対応となります。デカールの作成についてはこちらの記事で紹介していますので宜しければご参照くださいませ。尚、多めに印刷しているのはその中から一番仕上がりの良い物を選んで使う為です。

専用の接着剤(マークセッター)を使い所定の位置に貼り付けたらしっかり乾燥させます。

そして最後にクリアーを塗って本塗り完了です。お待たせしました!

クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーの仕様となります。

色の構成としては、鮮やかなイエローと黄土っぽいイエロー、白と鮮やかな赤の原色が使われています。実はオレンジ系の原色=MIX579、MIX815,MIX577は使われていません。

これは私的な見解なのですが、オレンジを表現するのにオレンジ色の原色を使うと濁りが生じ、また単調なフリップフロップ性(見る角度によって違う色に見える性質)になってしまうので、彩度の高い有機顔料系=鮮やかなイエロー(MIX575)や鮮やかな赤(MIX561)を組み合わせる事で面白味のある色(抽象的な言葉で言うと「奥行きのある色」)にしているのだと思います。

尚、ウェブショップでも紹介していますが、色見本キーホルダーは塗装のご依頼を頂いた方のみの対象となっております。ご了承くださいませ。

この後は一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。

それでは完成次第改めて紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!