BMWパニアケース蓋 艶消し黒 本塗り

 先日下準備を行っておいたBMW R1250RT用パニアケースの薄型リッド(蓋)です。

見た目は未塗装の樹脂素地に見えるのですが、実は艶消しクリアーが塗ってあって、ただフチなどは樹脂素地がそのままになっている可能性もありますから、念のためプラスチックプライマーを全体に塗っておきます。

 そしてベースコートの黒を塗布します。

今回はプレスラインより下側を艶消し黒、上を艶あり白(アルピンホワイト)で承っておりまして、まずは全体を艶消し黒で仕上げます。トップコートとなる艶消しクリアーは艶ありと同様2液ポリウレタン性で、それを下地としてザラザラとした梨地(実際は艶消しクリアーのドライコート塗装)を平滑にする「二度塗り」の併用といった感じです。

二度塗りについては以下の記事が判り易いかと思いますので宜しければご参照くださいませ。

ロードスター フォグカバー&リップスポイラー 下塗り

  艶消しクリアーは塗り方によって安定しない事があるので(艶が出過ぎる&ムラになる)、事前にそれを確認をしながら行っています。

今回はそれとは別にサンプルも作っておく事にしました。耐擦り傷性テスト用の色板です。

艶消しクリアーは艶ありと同様2コート塗装します。1コートだと薄膜なのでマット感(艶消し度)は抑えられるのですが、塗膜を完全に均一に塗る事は物理的に不可能なのでそれによるムラが見えてしまい、またマット過ぎる仕上がりは傷が付き易いので実用としてはNGです。

ウェットに塗ると指触乾燥するまでに時間が掛かり、その分ゴミが付着する可能性が高くなる訳ですが、急いで乾かそうとするとやはりムラが生じるので、そのままの状態(自然乾燥で)待ちます。塗装屋としては死刑宣告を待つような気分でしょうか(判ります判ります)。

その後時間が経つと表面の艶が消えます。

元のザラザラとした状態とは違い、ツルンとした艶消しに仕上がっているかと思います。

プレスラインより上側(画像手前側)は艶ありの白で塗るのでゴミが着いても大丈夫ですから(研げますから)その分プレッシャーは低かったのが幸いでした。

この後は通常通り一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

BMWパニアケース蓋下準備

 先日お預かりしておりましたBMW R1250RT用パニアケースの薄型リッド(蓋)です。

裏側には塗料が付着しないようマスキングを行いますが、

こういったスポンジにテープが着くと密着し過ぎて、剥がす際にスポンジも一緒に持って行ってしまう(部分的に抉れてしまう)恐れがあるので、これを避けながらマスキングを行います(ここまで隙間が狭いと結構難しいです)。

このような感じでマスキングが完了です。ピンと張ると持った時に紙が破けたりフチが剥がれたりするので緩めにしておきます。

ちなみに塗装屋になったばかりの頃(車の)、こういったマスキングではちょっとした皺も許さない!と言う厳しい上司だったお陰である程度綺麗に紙を貼れるようになりました。

そして全体を#800相当の布状研磨副資材(アシレックスレモン)で足付け処理を行います。フチまでしっかりとですね。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。まずは全体を艶消し黒で塗装予定です。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

BMW パニアケース蓋塗装承ってます

 先日到着しておりましたBMW R1250RT用パニアケースの薄型リッド(蓋)です。この度のご依頼、誠に有難う御座います!

現状は細かいザラザラの梨地になっていて、通常であれば「研磨→プライマー塗布→サフェーサー塗布→完全硬化→研磨」といった下地処理を行いますが、今回は以前施工した内容と同様、先に「艶消し黒」を全体に塗り、その後部分的に「艶あり白」(アルピンホワイト)を塗る方法で行います。

以前施工した時の画像がありますのでそちらを紹介します。

こちらも元々は梨地の黒でしたが、最初に全体を艶消し黒で塗り、それを下地(下塗り)としてアルピンホワイトを塗っています。その他の画像はこちらのページからご覧いただけますので宜しければご参照くださいませ。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!

BMW R1200RSトップケース&パニアケース塗装 完成

 大変お待たせしました!先日本塗りを終えていたBMW R1200RSの純正トップケースカバーと左右パニアケースカバーの塗装、本日完成となります。

最初の状態も紹介しますね。

元々はグレイメタリックの艶消し仕上げだった物を、

BMW純正色の「ライトグレー」(カラーコード:M21)に塗り直しました。

 クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーとなります(別途オプションで変更可能です)。

 パッと見はただの白、もしくはホワイトパールに見えますが、

 実際にはホワイトパールは入っておらず、シルバーメタリックが二種類とイエローパール、白などで構成されています。

 隠蔽力は弱いので、下色に隠蔽力の高い似たような色を塗ってからの本塗りとしています。ベースコートが厚膜になると塗膜の強度が落ちたり艶引けが起きるので、極力薄くする必要があります。

 今回は比較的状態が良かったのでサフェーサー等の下地処理は行わず、簡易的な処理(ラッカーパテ等)のみで上塗りを行っています。

 画像はどれもサイズの縮小以外は未加工です。

 ただカメラの撮り方がマニュアルモードなので、シャッタースピードと露出はその都度変えています。ISOは250で固定でホワイトバランスはオート、シャッタースピードは1/15~1/50、露出はF5.0~F10といった感じです。今回のように白い色は色飛びが凄いので抑え気味に、逆に黒い色は長めに開けてその分絞りは小さくなります。

 こういった大きい物の場合はマクロレンズ(40mm)は使えないので、主に20mmのレンズを使用しています。

出来れば撮影の時間を簡略化させたいので、いずれはカメラを三脚に固定してターンテーブルみたいな所に被塗物を置き、自動的に360度の撮影&アップロードをしてくれるシステムを導入したいと思っています。

それでは後程完成のお知らせメールを差し上げますね。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!

BMW R1200RSトップケース・パニアケース本塗り

 先日お預りしておりましたBMW R1200RSの純正トップケースカバーと左右パニアケースカバーです。まずは最初にパニアケースの裏側が汚れないようマスキングをしておきます。

多少小傷がありましたが、今回は簡易的な補修(ラッカーパテ)のみとなりますので、傷の部分は#600→#800で研磨し、また全体を#800で研いで既存の塗膜肌を均しておきます。艶消しなので判り難いのですが、塗膜肌は凸凹していて、そのまま塗り重ねていくとウネウネ&デロデロとした仕上りになってしまいます。

 その後は#800相当のスコッチとウォッシュコンパウンドを使って足付け処理を行います。

 トップケースカバーも同じ様にします。

 足付け処理は空研ぎ(水を使わない研ぎ)でも出来ますが、ウォッシュコンパウンドを使った方法では被塗面が非常に親水性な仕上りになり、また油分が残っていない事も一目で判るので安心です(手で触っただけでもそこに皮脂が着いて水が弾きます)。

 その後よく乾かし、シリコンオフで脱脂清掃(2回目)を行ったら傷部分にスポットパテ(ラッカーパテ)を塗っておきます。

 その後パテを研ぎ、台にセットして最終脱脂処理(4回目)を行います。

 今回の塗色は隠蔽が弱いので、最初に下塗りを行っておきます。

 フチの裏側は見えにくいので、ひっくり返した状態で先にここの塗装(ベースコート)を終わらせておきます。

 ベースコートの塗装が完了です。

 色はBMW純正色の「ライトグレー」(カラーコード:M21)で、メタリックが二種、イエローパール、白などで構成されています。ホワイトパールっぽいですがそちらは入っていません。

 最後にクリアーを塗って本塗り完了です。お待たせしました!

 クリアーは高品位なタイプの「クリスタルクリアー」の仕様となります。

 塗り込むと側面はどうしても垂れ易いので、最初の1コート目は比較的指触乾燥の早いハードナー(MS5-25)で、2コート目はそれより少し遅いハードナー(MS15-30)にしています。シンナーはどちらも10-20です。昔はシンナーを変えていましたが、ハードナーの方がコントロールし易いのです(変則的な使い方は問題無いとデモマンの方から回答を頂いております)。

この後は一晩以上自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて硬化させます。

それでは完成次第改めて紹介をさせて頂きますね。どうぞもう少々お待ちくださいませ!