トヨタパブリカステアリング補修⑧

 先日サフェーサーを塗ったパブリカステアリングに装着されるホーンボタン部分となります。既存の茶色は先日調色も行っています。

中央にある薄いエンブレムは剥がすと破損してしまう恐れがある為、今回はそのままの状態で作業を承っております。

フェラーリリモコンキーについているエンブレムのようにしっかりした物であれば裏から穴を開けてポンチで押し出すなどの方法がありますが、今回の物は薄いアルミフィルムのような物なので、ちょっとした事で折り目などが付いてしまいます。代わりのエンブレムはもう手に入れられないので仕方ありません。

尚塗膜の表面に出ているブツブツはブリスターで、塗装に使う圧縮空気に水分が入っていた(エアードライヤーを使っていなかった)か、昔の塗料なのでプライマーが機能していないのが原因かと思われます。

 最初の画像の状態から、「エンブレムの溝に沿ってカッターの刃を入れてマスキングテープをカットする」と言う方法でも構わないのですが(多分この方が一般的かと思います)、各行程で毎回それを行うのも手間ですし、万が一刃がエンブレムに当たる事も考えると恐ろしいのでマスキングシートを作る事にしました。また研磨時用、サフェ塗り時用、本塗り用と各サイズ(オフセット)を微妙に変えて作っておきます。

 本塗り時はエンブレムギリギリでマスキングをしたいですが、サフェなどを塗る際にそれだとフチに塗料が溜まって仕上りが悪くなる為、一回り大きめにカットした物を使います。

旧塗膜を剥がす際には粗目のペーパー(#120)を使うので、マスキングを三重に貼って保護しておきます。多分合計で10枚くらいは使うので、毎回手で切るよりはこの方が結果的には早かったと思います。

 よく脱脂清掃し、

 エポキシプライマーサフェーサーを塗布します。

続けてウレタンサフェーサーを塗布します。

この後60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化さます。

それでは作業進行しましたらまた紹介をさせて頂きますね。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

トヨタパブリカステアリング補修⑦

 先日までに割れ部分の修理をしていたトヨタパブリカのステアリングです。修理した割れ部分はまだ粗研ぎの段階なので精密なラインが出ていませんが、ここで一旦エポキシプライマーサフェーサーでステアリング全体を覆う事にします。

見た目は悪いですが、ステアリングを回しながら万遍なく塗れるよう台にセットしました。

 エポキシサフェーサーを準備し、さらにそれに入れるガラスパウダーを用意します。ガラスパウダーは硝子繊維を細かく粉砕した物で、パテの補強材、モルタルやコンクリートのひび割れ抑制材として使用されたりします。

エポキシサフェーサーについては以前施工したカーボン製のBMWパニアケースの塗装施工例で紹介していますので、宜しければ以下の記事をご参照下さいませ。強固な三次元網の目構造により、素地の上に結合力の強い被膜を一層作ろうという作戦です。

BMW Carbon Fiber Side Case

 主剤と硬化剤とシンナーを混ぜて作ったエポキシサフェに、先ほどのGP(=ガラスパウダー)を10%添加します。エポキシだけでも強固な被膜が出来ますが、さらに骨材となるガラスパウダーを入れて強度を上げます。イメージとしては極薄膜のFRPといった感じでしょうか。

GPについては以前制作したGMCのアルミホイールキャップの記事で紹介していますので宜しければご参照下さいませ。

GMCホイールキャップ 第一回注型樹脂 完成

 GPを10%添加したエポキシサフェを、ウェットで2コート程ステアリング全体に塗布します。

ちなみに先日ワークショップでお逢いした塗装屋さん方々から、「FRP(この場合はガラスクロス)を貼った方が早いのでは?」といった意見が出ましたが、今回のご依頼ではオーナー様から「握り具合で違和感を感じるのが嫌なので極力オリジナルの太さに」とご指定を頂いているのでそれは出来ないのです。案の定皆さん引いてました。

 一時期W124辺りのメルセデスベンツで、10年くらい経った新車塗膜全体にクラック(もしくはチョーキング)が発生するという事案が多発した事がありましたが(業界では有名な話です)、事故補修とは関係ないそれを、コストを掛けずどうやって直すかと言う事で使われたのがこのエポキシサフェです。暈しパネルにクラックが入っていたらもうどうにもなりませんからね。

 常温で1時間くらい寝かしてエポキシサフェの表面が指触乾燥したら、続けてウレタンサフェーサーをウェットオンウェットで塗布します。

 この後またパテを使ってもう一度サフェを塗るので、今回は膜厚を着け過ぎないよう2~3コート程に留めておきます。

この後一晩以上寝かし、後日熱を掛けたら再びパテ作業となります。

ステアリングと併せてホーンボタンとなるアルミプレートも作業進行していますので、後日そちらも紹介させて頂きますね。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

トヨタパブリカステアリング補修⑥

 先日塗っておいたポリエステルパテを研磨しました。

この状態ではまだ本来のラインが出ていませんが、ここで一旦ステアリング全体をエポキシサフェーサーでお覆い、その後再びサフェ&パテで細かいラインを成型していきます。この状態で研いでも、パテ(特にエポキシ)とステアリングの樹脂との切削性が違う為、逆に元のラインを崩してしまう恐れがある為です。

それでは作業進行しましたらまた紹介をさせて頂きますね。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

トヨタパブリカステアリング補修⑤

 先日に引き続き、トヨタパブリカハンドルの補修下地作業です。

 ひび割れた個所を根本まで削り、最初に粘度が低いエポキシ接着剤(3Mオフホワイト)で内部のスチール製の芯と樹脂を固定し、その後骨材の入ったエポキシ接着剤(パネルボンド)を肉付けの為に2回塗っています。

形は悪いですが、これで大よその強度は保たれたと思うので、ここからは成型の作業となります。

モリモリに塗った接着剤をペーパーで削ります。

こちらは最初の方の画像で、劣化して捲れ上がっていた部分を取り除き、エポキシで固めた後にカットしたABS板を嵌めています。

 ABS板を使わず全部接着剤で埋めても良かったのですが、元々あった穴を再現したかったのでこうしています。

 ここも一旦取り外し、成型した後に接着しています(そのままだと伸びて歪んでいて上面が合いませんでした)。他の部分が剥がれても、ここは残ると思います。

そしてポリエステルパテを塗ります。

 この後はまた恒温器(炉)に入れて熱を掛けるので、ついでにひび割れた個所にエポキシ接着剤を塗っておく事にしました。

ここに見える大きな亀裂は、多少延長はしていますが後から出来た物では無く最初からあった物だと思います。亀裂と言うよりも成型時に型の端っこに芯が寄って部分的にそれが露出してしまった、みたいな感じでしょうか。

ギボシ端子とネジ穴のあるプレート部分は塗らずに残す予定なので、この辺はパテや研磨は行わず、接着剤を塗り込む程度に留めておきます。

それでは作業進行しましたらまた紹介をさせて頂きますね。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

トヨタパブリカステアリング補修④

 先日構造用エポキシ接着剤(3Mパネルボンド)を塗っておいたトヨタパブリカのステアリングホイールです。その後熱を掛けて硬化させておきました。

こちらは最初の頃の画像で、ネジ穴周りの樹脂は劣化していたのでカットして取り除き、

 その周りをエポキシ接着剤で固めました。

 その後その周りを削って小さくカットしたABS樹脂製の板を仮当てし、

 形を整えて元々あった穴を開けます。

 再び仮当てをして位置を確認したら、周りを足付け処理しておきます。

その他の部分も併せ、三回目のエポキシ接着剤塗布を行う準備を行います。

 接着剤を塗り、ABS板を貼ったらバイスで固定しておきます。

 この状態のまま再び熱を入れて硬化させます。

ちなみにこの穴は、表から(画像だと向こう側)ネジを締めた際に飛び出た部分が樹脂に当たらないように開いているだけなので、機能的にはもっと小さい穴で良いのですが、一応元のようにしておきました。

この後各補修部をある程度成型したら全体にエポキシサフェーサーを塗装します。

それではまた作業進行しましたら紹介をさせて頂きますね。どうぞもう少々お待ち下さいませ!