NCロードスター樹脂性ヘッドカバー結晶塗装 完成

road187 大変お待たせしました!ロードスターの樹脂製ヘッドカバーは鮮やかな赤の結晶塗装で完成となります。画像ではオイルパイプが付いていませんが梱包時に付けておきましたのでご安心下さいませ。

road181 予想外に面倒だったのが、本当に取れなかった周りのボルトです。予め取れないとは伺っていたのですが、まさかそんな筈は無いと思っていたところ、本当に取れません(苦)。無理にやれば取れるとは思いますが、多分ボルトとそのベースがくっついたままヘッドカバーに圧入だか何かで付けられているのだと思います。しかし何故(笑)。

road180 結晶塗装自体は本物ですので(当然ですが)、知っている方ならばこれを見てプラスチック製だとは判らないと思います。黒い部分は組み付けられたら見えなくなりますしね。

road182 そして今回の肝となった凸文字です。いつもなら削るだけで素地のアルミが光ってくれますが、それだと単に黒くなるだけなので、今回は最初に白を塗ってそれをマスキングした状態で結晶塗装を行なっています。

road184 行程についてはこちらで紹介しているので見ていれば判りますが、知らない塗装屋さんが見たらどうやってやったのか多分不思議に思う筈です。本当は全面白くなったインスタントレタリングなんかがあれば良いんでしょうっけどね(強度が全く不安ですが。笑)。

road185 かなり格好良いと思います。この方法を使えば白以外でも出来ます。

 

road186ちなみにサービスで筆塗りする場合もありますが、近くで見れば全然違うのが良く判ると思います。刷毛目が存在していないので当然ですけどね。

それでは後ほど完成のお知らせメール差し上げます。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!

NCロードスター 樹脂製ヘッドカバー結晶塗装 本塗り

road171 先日サンドブラストにて全体の足付け処理を済ませておいたプラスチック製(樹脂製)のNCロードスター用のヘッドカバーです。樹脂性のヘッドカバーは何度か前例があるのですがロードスターは今回が初めてです。

road178 樹脂製ヘッドカバーの場合でネックとなるのがこの「凸文字」で、素材がアルミであれば最後に研磨して光らせるとこれが良いアクセントになるのですが、プラスチックの場合は削っても黒くなるだけですからそれがちょっと残念なのです。

が、今回のような方法を行なえば樹脂製のカバーでも凸文字部分に色を付ける事が可能で、また仕上りも純正同様(またはそれ以上)の仕上りに出来るのです。

まずは成形時に出来た凸凹をペーパーと砥石で研磨して平滑にします。

road172凸文字の周りにプラスチックプライマーを塗布し、白(今回はVWのクールホワイト)を塗ったら一旦熱を掛けて硬化させます。

road173 既存の凸文字からデータを作成して作ったマスキングシートです。画像のは「6」ですね(見れば判りますか・・・)。

road174 既存の凸文字よりもマスキングシートの方が少し大きくなっているのが判ると思います。結晶塗装は特に膜厚を付けるので(超ウェットで5~6コート)、これがピッタリだと表面張力で塗料が溜まってしまい取り返しの付かない事態になるのです(勿論経験済みです)。

これならスプレー方向を横から塗らない限り、凸文字のエッジに塗料は到達しませんから、塗装後にこれを剥がした時に文字が綺麗に仕上がっている、と言う算段です。まあでも実際はそんなに上手く行かないのは皆さん良く判っているので手を出さないんでしょうけどね(私も自信がある訳では無く出来れば避けたいところです)。

road175 そして改めて工場一階に移動し、今度は全体にプラスチックプライマーを塗布したらいよいよ結晶塗装の本塗り開始です。

road176 そして本塗り完了です。ただすいません、凸文字部分のマスキングをどのタイミングで剥がすか考えていたら塗った直後の状態を撮るのをすっかり忘れていたようでして・・・。一緒に塗ったハコスカのL型ヘッドカバーの方はちゃんと撮っているのでそうとう緊張していたのだと思います。

road177で、凸部のマスキングを剥がすタイミングとしては、一旦熱を入れてチヂレ目がしっかり出た時点で熱を掛けるのを止めて半生の状態でマスキングを全部剥がしました。マスキングシートを貼ったまま最後まで熱を掛けてしまうと糊が残ったり跡が付いたりするので出来るだけ早く剥がしたかったのです(勿論これも経験済みでして・・・)。結果としては見ての通り良い感じに出来上がりました(って白飛びしちゃっているので判り難いですが、現在お預かりしているHEMIのカバーよりは全然出来が良いかと)。

それでは完成次第改めて紹介させて頂きますね。もう少々お待ち下さいませ!

ロードスター樹脂性ヘッドカバー 下準備

road166 こちらもお待たせしております。ロードス他用のプラスチック製ヘッドカバーも作業進行しておりますのでご安心下さいませ。

今回こちらのヘッドカバーはボディ全体を赤の結晶塗装にし、そして凸文字部分を白でご指定頂いておりますので先に凸文字部分の準備をしておきます。

凸文字については既存のデータは無いので、今回はこれを一から作成し、実際にマスキングシートを作成して貼って見ました。良い感じに出来たと思います。

road167 そしてまずは足付け処理の為のサンドブラスト処理の準備です。ブラストが当たった箇所は激しい毛羽立ちが生じますので塗らない箇所にはマスキングをし、また今回外れると思っていて外れなかったボルト類も全てマスキングします。ま、まさか・・・(苦)。

road168 わざわざ見せる所でも無いのですが心配されていたらと思いましたので一応紹介しておきます。

road169 足付け処理は勿論ペーパーやスコッチ(研磨剤)でも構わないのですが、比較的塗料の密着性が悪いPA(ポリアミド)で、形が複雑なところもあるので私の場合はサンドブラストで行っています。本塗りの時は勿論プラスチックプライマーも併用しますが、それを頼りにしてしまうと数年経ってから塗装がペリペリと・・・となるのは嫌なので、一応出来る事はやっておきましょうって感じですかね。どうも塗装の仕事は長くやればやる程悪いことばかり考えるような癖が付いてしまいまして・・・(よくそういう映像が夢の中に出て来ます)。

road170こんな感じでブラスト作業完了です。この後全部マスキングを剥がして外から中までよく洗浄し、再度マスキングをしたらいよいよ本塗りです。まずは先に凸文字部分を白く塗り、そこに先ほど紹介した切文字マスキングシートを貼って結晶塗装を行います。

他にも一緒に塗るものがあってそちらの準備もありますので本塗りは恐らく来週になるかと思います。もう少々御待ち下さいませ!

ロードスター樹脂製ヘッドカバー 凸文字データ作成

road150実作業はまだ先になるのですが、ちょっと手が空いたので凸文字部分のデータを作成しておく事にしました。

今回こちらのヘッドカバーは全体を結晶塗装の赤で、凸文字部分を白で承っています。いつもは先に結晶塗装を塗ってから凸部を面研していますが、今回は先に凸部(周辺)を白く塗り、文字をマスキングした状態で結晶塗装を行います。言うのは簡単ですがこれが結構大変でして・・・。

road151方法としては昔ながらの石刷りなる手法で、消えかかって見えにくい車体番号を写し取る時に使うアレと同じです(そんな光景は見たこともやった事もありませんが)。

クレヨンの芯を使ってコピー用紙に文字を写します。

road148 石刷りした物をそのままカッターでカットしてマスキング用紙を作ると言う事も可能だと思いますが、私的にカクカクした曲線が好きでは無いので一旦パソコンに取り込んで細部を修正~データ化し、カットは機械にやって頂きます。

road149 ちなみに結晶塗装の場合、通常の塗装に比べてかなりの膜厚を付けますから、凸面と全く同じ形のマスキングではフチの仕上りが汚くなってしまいます。なので一度作ったデータを一回り太くして凸面から少しはみ出る程度、イメージとしては家の屋根が壁よりも少し飛び出たような状態にしてマスキングをします。これならフチに塗料が付かないので表面張力で塗料が溜まり、マスキングを剥がすと際がガタガタと言う事も避けられます。判りやすい様に以前の画像で紹介しますね。

bmw367先日紹介したM POWERのヘッドカバーですが、文字の所のマスキングシートが一回り大きく少しはみ出ているのが判ると思います。これはミスでは無くわざとで、こうする事で文字の角に塗料が乗るのを防いでいます。ただ余りはみ出すぎると今度は色が付かないので、その辺の調整は必要ですかね。こういうのが「データ作成費」といった事でして、塗る事以外にも意外とお金が掛かるところなのです。ご理解頂ければと思います(って作業自体は嫌いじゃないんですけどね。ただそれなりに時間は掛かるのです)。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きますね。もう少々お待ち下さいませ!

NCロードスター 樹脂製ヘッドカバー結晶塗装承ってます

road146先日到着しておりましたNCロードスター用の樹脂製ヘッドカバーです。この度のご依頼、誠に有難う御座います!

樹脂製のヘッドカバーは何度か施工例がありますがロードスターのは初めてです。今回はこちらを鮮やかな赤色の結晶塗装で、そして凸文字部分を「白」で承っております。

road147通常のアルミ素材であれば塗装後にこの凸部分を研磨してアルミを露出させ光らせますが、樹脂の場合は削っても黒くしかなりませんので、その後筆でシルバーを塗ったりしますが、当然刷毛目が残るので仕上りは良くありません。と言う事で今回は先に凸面を通常の白(ベースコートのみ)で塗装し、このロゴに合わせたマスキングシートを作成してそれを貼って結晶塗装を行います。多分よく判らないと思いますので以前施工したBMW M Powerのヘッドカバーを紹介しますね。

bmw347 こちらは素材はアルミニウムなのですが、「凸部分を全てゴールドに」というご依頼を受けまして対応させて頂きました。一緒にサージタンクもご依頼頂いています。

これをどうやったかと言うと・・・

bmw348やはりと言うか通常通りの古典的な方法で、既存の凸文字から石刷りをしてそれをスキャンしてPCに取り込み、そこからデータを作成してマスキングシートを貼っています。誰もが驚くような画期的な方法という物は無く、どの作業も地道に時間を掛けて成し遂げていっています。思い出すと吐き気が・・(笑)。この時の作業もいずれ纏めて紹介しますね。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きます。この度のご依頼、誠に有難う御座います!