TOYOTA 2000GTヘッドカバー 旧塗膜剥離

先日お預かりしておりましたトヨタ2000GTのヘッドカバーとエアークリーナーボックスの蓋です。

作業着手のタイミング的にはかなり早いのですが、先に御依頼頂いていた業者様からの御依頼品(画像の上に映るRB26タイミングベルトカバー)と並行して作業をしていますので、溶剤槽から引き揚げて塗膜を剥がしました。

最後に綺麗なシンナーで洗い流します。

サンドブラストは行わない予定でしたが、凸文字の周りの塗装が剥がれ難かったので、その部分だけ行っておきます。

この後はリン酸処理を行い、先にRB26エンジンパーツの結晶塗装を行ったらこちらになる予定です。その間にエアークリーナーボックスの下地処理を進行してきます。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

TOYOTA 2000GTヘッドカバー&ケース塗装承ってます

先日お預かりしましたトヨタ2000GTのヘッドカバー×2と、エアークリーナーボックスの蓋です。この度も当店をご贔屓頂きありがとうございます!

現状は黒の結晶塗装が施してあって、

今回はこちらを剥離し、改めて黒の結晶塗装で承っております。

また凸部も現状と同じく(判り難いですが…)、塗装後の研磨してアルミ地を光らせるよう承っております。

尚、エアークリーナーボックスは左側のヘッドカバーとセットで、それぞれ識別出来るよう裏側にリューター等で印をつけておこうかと思いましたが、

一部の形状が違っているので、塗装後でもこれを見て識別が出来るのでそのままで大丈夫そうと判断しました。

そしてエアークリーナーボックスです。

上面になる部分には元々シールが貼ってあって、それの糊が残ったまま塗装が施されているので、全体の下地処理を行ってから上塗りを行うようにします。塗装は半艶黒で承っております。

素材はFRPで、ボルト取り付け部には欠けが見られ、また色々な箇所に割れも出ていますので、これらの簡易的な補修も承っております。本格的な補修となると割れている深部まで削り込んでガラスマットを貼り直したりしますが、今回は簡易的な補修=裏側からの補強と、表側はV字に彫ってエポキシ樹脂で埋めるような補修方法を想定しています。

FRPはとても割れやすく(なので塗装屋からの視点としてはとても未熟な素材と捉えています)、目で見える部分だけの割れでは済みませんから、前回と同じく全体にエポキシプライマーサフェーサーを使った下地処理を行おうと考えています。

参考までに以前施工した時の同型製品の画像も紹介します。

この時は作業内容を纏めて施工例のページにしました。今回と同じく半艶黒の仕上がりとなります。

こちらも施工例のページとして纏めた、2000GTのヘッドカバーですね。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。改めましてこの度もご贔屓頂き誠に有り難うございます!

TOYOTA 2000GT Air cleaner box

トヨタ2000GTの純正エアークリーナーボックスに、半艶黒の塗装を施しました。

元々はこのような状態で、

貼ってあったシールが劣化して塗膜と一体化してしまっていた物を、

全体に研磨してサーフェサーを塗布し、

60℃40分程の熱を掛けて完全硬化後、ガイドコートとしてベースコートの黒をパラパラと塗って#600→#800で研摩してラインを整えました。

作業前にはアルカリ洗浄にて裏側に染み込んだ油汚れを除去し、ベースコートの黒を塗ってあります。

台にセットし、本塗り開始です。

ベースコートの黒を塗り、その上に半艶クリアーを塗布しました。塗り方は通常の艶あり仕上げと同様、ウェットコートを2回に別けて塗布しています。

その後時間が経過すると艶が引けて丁度良い半艶具合に仕上がります。

艶あり仕上げのように塗装後の磨き処理が出来ない為、ゴミが付着しないよう気を遣っての塗装となります。

ゴミが目立つのを嫌ってドライコートで塗っていたりするケースも見受けられますが、そうすると傷が付き易く、またツルンとした半艶に仕上がりませんのでNGとなります。

この後は一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。

さらに数日寝かしたら完成となります。

光の具合で曲面部分は艶があるように見えますが、

平面ではむしろ艶消しに近く見える傾向にあるのが判るかと思います。

各画像はサイズの縮小以外は未加工となります(付着したゴミをPhotoshopで消したりはしていません)。

Photoshop Lightroom(画像編集ソフト)は個人的な趣味で使う事があり、それの効果は良く判っていますから(明度・色相・彩度は勿論、質感=艶具合さえ変えられる凄いソフトです)、仕事ではこれを使わないようにしています。

撮影に使っているカメラはNIKON D200で、一眼レフではありますが、五千円程度で買える古い物となります。

ちなみに今回と同じ(ような)物は以前にも塗装していて、その時の画像も紹介します。

この時は「艶あり黒」の塗装でご依頼頂き、形状はとても似ていますがボルト取り付け部などの細部が少し違っています。そもそも手作りみたいな車なので、個体差があるのは十分あり得る事ですね。

素材はいずれも同じくFRP=強化ガラス繊維樹脂製となります。

裏側にはベースコートの黒を薄く塗っています。

別件で室内で撮影した時の画像があるのでそちらも紹介します。

蛍光灯下の方が艶があるように見えます。

尚、今回のパーツは以前施工したヘッドカバーと同じ車両に装着される物との事です。

TOYOTA2000GT Engine Cover

少し小さいですが装着後の画像も頂いたので紹介します。この手前の部分に今回のカバーが装着される感じでしょうか。

TOYOTA2000GT Engine Cover

トヨタ2000GTの純正ヘッドカバーです。

既に再塗装された物で、ぱっと見は綺麗なのですが、

結晶目が綺麗に並んでおらず、

一部には激しく垂れた箇所も見受けられた為、

一旦全部剥がして塗り直す事としました。

素地の状態は悪く無かったのでサンドブラストは行わず、リン酸を使った化成処理後、よく乾燥させてプライマーを塗布します。

続けて結晶塗装用の塗料=リンターを塗布します。

結晶目は塗膜の厚みによって変わる為、塗り過ぎた箇所では模様が大きく出て、塗り足りない箇所では結晶目が細かくなり、均一に塗れていないとムラっぽい仕上がりになってしまいます。

しかもそれは塗ってみないと(熱を入れてみないと)判らないという事もあり、美しい結晶目を求めると通常の艶あり塗装よりも難しい内容となります。今回も一度目は上手く仕上げられず、一旦全部洗い流した後にもう一度塗り直しています。

140℃~170℃程の熱を40分程かけて塗膜を硬化(熱重合)させ、

後日再度120℃30分程の熱を掛けて二度焼きを行います。

その後凸部を研磨して完成となります。

各完成画像は、サイズの縮小以外は未加工となります。

トヨタ2000GT エアークリーナーケース塗装 完成

 大変お待たせしました!先日本塗りを終えていたTOYOTA2000GTの純正FRPエアークリーナーケースの塗装、本日完成となります。

最初の状態も紹介しますね。

元々は半艶黒で、全体的にクラックが入っていました。

 割れた穴の周りをファイバークロスで補修し、エポキシプライマーサフェーサーにガラスパウダーを混入して下地を補強しています。

 穴の周りはボロボロになっていたので、割れていた箇所を取り除き、凸状の形も復元しておきました。

 自然光だと上手く撮影出来ないので(格好良くは写るのですが細部が判り難くインチキ臭いので)、改めてストロボを使って撮影してみたところ、さらに判り難い画像になってしまいました・・・。

 と言う訳で、改めていつもの蛍光灯下で撮影し直しました。

 画像はどれもサイズの縮小以外は未加工・未編集となります。

 サフェーサーは二度打ち(「研磨→サフェーサー塗布→完全硬化→サフェーサー塗布→完全硬化→研磨」)を行ったので、欠けの多かったフチ周りも綺麗に仕上がっているかと思います(多分開け閉めしている時に土台に当たって欠けてしまうケースが多いのではと)。

 元のライン(ウネリ)は残すようにしているので、純正らしさはしっかり残っているかと思います。

 元々はこんな感じで、さらに画像では判らない所まで全体にクラックが入っていたのですが、

 かなり払拭出来ていると思います。

 側面(装着されると上面)も割れが入っていましたが、

ピシっと仕上がっているかと思います。

それでは後程完成のお知らせメールを差し上げますね。この度も当店をご利用頂きまして誠に有難う御座いました!