いよいよ佳境に

factory_76 工場全体の整備もついに佳境に入りましていよいよ来週からは通常営業が出来そうです。本日は既に予行練習的に実作業もしていました(そちらは後日日記の方で)。

そして塗装ブースも最後の仕上げです。既に先日から稼動して業者さんの仕事はしていますが、今回のこれを行っていよいよ完成となります(実際には排気装置がMAXパワーだとまだ水が漏れる箇所があるという事態ですがこれは仕事をしながら調整していきます)。

こちらは「アンチダスト」なる商品名でも判るように、主に塗装ブースの壁を汚さない為のコーティング剤です。ただこれの凄い所は実はそれだけでは無く「虫」やホコリをこれでキャッチしてくれることです。

ディーラーのセンターに勤めていた頃は作業場所が地上5階、ただ大型の倉庫のような建物でしたから実際はビルの10階相当の場所だったので虫がそこまで来ることは殆ど無かったのですが、通常の場所(地上)での塗装作業は虫との闘いが凄いのです。以前一時期勤めていた町工場は多摩川の土手が近かったせいか塗り終わったクリアーに虫が付くのは日常茶飯事で、それを針のような専用のピックツールで胴体から残った足やらを地道に回収する日が続きました。他の塗装屋さんはそれのせいで塗り直しが多く、遂に我慢出来ずにスプレーガンを投げたりもしていましたので(そもそもそんなんだからそういう結果になるんでしょうと傍観してましたが・・・)。勤め人である以上は与えられた環境で地道にやるしか無いのです(苦)。

factory_78ちなみに通常はこれを直接ブースの壁に塗るのですが、塗料屋さん曰く「ビニールの上から塗れば掃除する手間が省けますよ。一日掛けて掃除するくらいならビニール張替えた方が断然早いですし」との事です。なるほど、言われてみれば・・・と言うことで今回は先にビニールを貼っているのです。

確かに見た目はちょっとぼやけた感じになってしまいますが、これならビニールを交換してまた塗るだけで済みますから残ったコーティング剤の掃除も必要無いんですよね。全く気がつきませんでしたよ・・・。

factory_77 前記したように私が育った環境ではそこに虫が居なかったのでこれを行う癖が無かったのですが、今まで間借りしていたTACさんでこれの効果の凄さを知りました。お世話になっていた4年間で虫が付いたのは一度も記憶がありません。

このコーティング剤は常にベトベトし続けるような感じで、灯りが壁にある以上飛んでいる虫はここ目掛けてライディングします。ただし一度着地すると二度と飛び立つ事は出来ないので、ブース内に居る虫はあっという間に皆無となるのです。ただし間違ってこの壁によっかかったりすると大変な事になりますけどね。まさにトリモチそのまんまです。

また虫だけでは無く微細なホコリも同じ様に付いたら二度と取れませんから塗面へのゴミ付きも軽減出来るのです。

製品自体は結構良い値段がするのと、これを塗る手間も考えると中々やろうとは思わないところでもあるのですが、一度これの凄さを経験すると絶対やった方が良いと思える程の効果はあります。粘着状態は3ヶ月くらいは持続するので年に4回くらいは行う必要がありますが、これだけで品質が上げられるなら間違いは無いかと思います。

ちなみに出来れば虫がキャッチされた画を撮りたかったのですが、もうこの気温ですから虫も居ないようでして・・・。ちょっと前まで凄い暑さだったのにすっかり寒くなってしまいました。しかし念願の冬ですから(夏に比べれば寒いのは全然マシです)良い時期にスタートが出来そうです。いよいよですね。