HONDA CB1300ヘッドカバー結晶塗装 本塗り

cb16 こちらもお待たせしました!ホンダCB1300のヘッドカバーです。バイクなのに排気量が軽自動車の倍とか意味が分からないですよね(笑)。

元々はアルミの素地に直接クリアーが塗ってあって、ただクリアーに防錆効果はありませんからその下でかなり腐食が発生していました。そこまでとなると当店で使っている吸い上げ式のサンドブラストでは非力なので、いつものブラスト専門ショップさんに強力な直圧ブラストで根こそぎ削り落として貰いました。尚、全体的に少し黒ずんでいるのは燐酸処理によるものです。

cb17 そしてプライマーを塗りますが、今回は一手間掛けてます。

cb18 パイプの部分も含め全体的に腐食が酷かったので一旦全体的にプライマーを塗布し、結晶塗装をしたくない箇所は普通の黒を塗布します。

cb19 その後黒くぬった部分をマスキングし、続けて結晶塗装を行います。

cb20 こちらはフェラーリのヘッドカバーのようなイタリアンレッドな赤となっています。少し朱色っぽい感じですかね。

cb21ロードスターのヘッドカバーと一緒に150℃程の熱を掛けて硬化させ、暖かいうちにマスキングは全部剥がしておきます。そこまでの熱となるとマスキングテープの限界を超えているので、冷めてしまうととても剥がし難くなってしまうんですよね。糊残りも酷いですし。

こちらも凸部の研磨作業は無いので少し寝かしたら完成となります。もう少々お待ち下さいませ!

NDロードスターヘッドカバー結晶塗装 本塗り

road152 大変お待たせしました!マツダNDロードスターとホンダCB1300のヘッドカバー、無事本塗り完了しております。左が新品のロードスターのヘッドカバーで、右のCB1300のヘッドカバーは腐食が酷かったのでサンドブラスト屋さんにて処理して貰いました。

road153 先ほどの綺麗だったヘッドカバーが随分と汚くなって見えますが、これは燐酸処理によってアルミの表面が化成処理されたからです。もう一方のCB1300の方がサンドブラストによる物理的な方法に対してこちらは化学的な方法といった感じですかね。

最初にオーナー様から「このカバー表面は多分何かを塗ってあると思われます。 実際,何か問題はあったようで,私のNDは対策済みシールが貼ってあったそうです。」と伺っていましたが、それも塗装では無く化成処理の一つだったと思われます。

road154 プライマーも同じく化学的に防錆効果のある塗料で、且つ金属素材と上塗り塗料(今回の場合は結晶塗装)を密着させる役割があります。ちなみに「サフェーサー」の役割は厳密的にはこれとは違い、あちらは膜厚の充填が主な目的です。

road155 今回の色は鮮やかな赤をベースにしていますが、「 もし,可能でしたらボディカラーのソウルレッドプレミアムメタリックと似た色で」と伺っていますので、その色とはちょっと違いますが(あちらはキャンディー塗装です)、何か味付けが出来ればと思いパウダータイプのレッドパールを入れてみました。

road157 全体にしっかり膜厚を付けつつ均一に塗り込み、その後150℃程の熱を掛けて硬化~反応させます。

road156焼き上がるとこんな感じに結晶模様に仕上ります。

色に関しては一応ソウルレッドを意識して、フェラーリのような朱色寄りでは無く「血のような赤」にしつつ、パールによって色が変化するような感じにしてみました。ただそれぞれを見比べてみないと判らないレベルかも知れませんが・・・(並べるとちゃんと違いは判ります)。

それでは完成次第改めて紹介させて頂きますね。もう少々お待ち下さいませ!

TANABEアルミタワーバー塗装承ってます

tanabe 先日到着しておりましたタナベ製のマツダCX-5用のタワーバーです。この度のご依頼、誠にありがとう御座います!

マウント部は既に黒に塗装されているとの事で、今回はシャフト部分のみを「半艶黒」で御依頼頂きました。

tanabe1現状はとても綺麗なアルマイト仕上げのレッドなのですが、このままだとメッキと同様に塗料の密着性が悪いので、一旦表面を削ってプライマーを塗ってからの塗装となります。新品のこれを削ってしまうって言うのもちょっと勿体無い気がしますが、人それぞれ好みはありますからね。

tower24ちなみに今回の御依頼の参考になったのが以前こちらでも紹介したタワーバーで、元々塗られていた既存の赤い塗装の密着性が悪く、その後サンドブラストを掛けて全部剥がしてやり直しています。

towerこれはもう少し前に御依頼頂いたトミーカイラのタワーバーで、やはりこちらも半艶黒で御依頼いただきました。派手ではないですが黒系はやはり重厚なイメージがあって良いですよね。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きますね。改めましてこの度のご依頼、誠にありがとう御座います!

ロードスター樹脂製ヘッドカバー 凸文字データ作成

road150実作業はまだ先になるのですが、ちょっと手が空いたので凸文字部分のデータを作成しておく事にしました。

今回こちらのヘッドカバーは全体を結晶塗装の赤で、凸文字部分を白で承っています。いつもは先に結晶塗装を塗ってから凸部を面研していますが、今回は先に凸部(周辺)を白く塗り、文字をマスキングした状態で結晶塗装を行います。言うのは簡単ですがこれが結構大変でして・・・。

road151方法としては昔ながらの石刷りなる手法で、消えかかって見えにくい車体番号を写し取る時に使うアレと同じです(そんな光景は見たこともやった事もありませんが)。

クレヨンの芯を使ってコピー用紙に文字を写します。

road148 石刷りした物をそのままカッターでカットしてマスキング用紙を作ると言う事も可能だと思いますが、私的にカクカクした曲線が好きでは無いので一旦パソコンに取り込んで細部を修正~データ化し、カットは機械にやって頂きます。

road149 ちなみに結晶塗装の場合、通常の塗装に比べてかなりの膜厚を付けますから、凸面と全く同じ形のマスキングではフチの仕上りが汚くなってしまいます。なので一度作ったデータを一回り太くして凸面から少しはみ出る程度、イメージとしては家の屋根が壁よりも少し飛び出たような状態にしてマスキングをします。これならフチに塗料が付かないので表面張力で塗料が溜まり、マスキングを剥がすと際がガタガタと言う事も避けられます。判りやすい様に以前の画像で紹介しますね。

bmw367先日紹介したM POWERのヘッドカバーですが、文字の所のマスキングシートが一回り大きく少しはみ出ているのが判ると思います。これはミスでは無くわざとで、こうする事で文字の角に塗料が乗るのを防いでいます。ただ余りはみ出すぎると今度は色が付かないので、その辺の調整は必要ですかね。こういうのが「データ作成費」といった事でして、塗る事以外にも意外とお金が掛かるところなのです。ご理解頂ければと思います(って作業自体は嫌いじゃないんですけどね。ただそれなりに時間は掛かるのです)。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きますね。もう少々お待ち下さいませ!