レコードプレーヤーのアームベース 本塗り

player 先日到着しておりました英国製レコードプレーヤーのアームベースです。タイミング的にちょっと早いのですが、ほぼ同じ内容で業者様からカメラの部品のご依頼を頂いておりましたのでそちらと並行して作業を行っていました。

player 元々塗装が剥がれていたのはちょっとだけだったのですが、勢いよくエアーブローをしてみると案の定塗装がペリペリと剥がれていきました。

このままさらに剥がれてくれるとこちらとしては助かるのですが、現実はそう上手く行かず、これ以上は無理と言う事で溶剤槽に浸け置きしておきました。裏側は何もしないでやり過ごしたかったのですが…。

player1 と言う事で本日溶剤槽から引き上げた状態です。綺麗に見えますが薄っすら錆びが出ていて、こうなるともう手遅れです。プライマーさえ塗っていてくれれば…。

player2 と言う訳でサンドブラスト処理を行います。

player3 研磨粒子をエアーで吹き付ける事により、ヘアーラインの隙間に発生した錆びも綺麗に取り除いてくれます。

player4 その後シンナーで洗い流すようにして洗浄~脱脂し、続けてプライマーを塗布します。

もしこれを一日放置したとすると、夜間にこれが冷やされ、翌日気温が上がっていってもこの鉄の塊は温度が低いままですから、表面に結露が発生して直ぐに錆が発生します。

対応としては酸素の無い状態で保管するか、被塗物を気温よりも高い温度に保つ必要があります。ただそんな事をするなら直ぐにプライマーを塗った方が早いですよね。

player5 裏表にプライマーを塗ったら先に裏側に黒を塗り、そちらが乾燥したらひっくり返して表側を塗ります。

player6今回は激安コース仕様なのでクリアーは塗りませんから吊った状態で塗る必要は無く、片面ずつ塗って本塗り完了となります。

尚ベースコートに直接硬化剤を数パーセント入れているので一応この後熱を掛け、後は数日寝かしてからの完成となります。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

Harley steel fender

harley325年くらい前にご依頼頂いたハーレーのフロント&リヤフェンダーです。恐らく純正品で、素材は鉄です。

harley31このフェンダーは表側は比較的綺麗に見えても裏側はビッシリ錆が発生している事がよくあります。塗装の下で菌糸状に錆が増えている事から亜鉛メッキが施されていないと思われます。

harley30 こうなるとサンダーでの除去は難しいので、強力な直圧ブラストの設備がある専門店にお願いしてサンドブラストを掛けて貰います。画像は既に戻ってきた状態で、フェンダーの上に乗っている白い物は乾燥材です。

harley29 まずはプライマーですが、普通にスプレーをしても鉄板の隙間には入らないので、最初はガンのノズルを合わせ目に近づけて強制的にプライマーを流し込み、さらにエアーブローをして反対側から漏れ出るまで浸透させます。

harley28 プライマーが乾かない内にシンナーとウェスを使って余分を拭き取り、その後は普通に全体にプライマーを塗り、続けて2液ウレタンサフェーサーを塗布します。

harley27 サフェーサーが塗り終わったら60℃40分程度の熱を掛けて硬化させます。

harley26 サフェーサーを研磨し終えたらいよいよ本塗りですが、角やプレスで出っ張った個所などはサフェ研ぎの際に素地の鉄板を露出してしまっている個所もあるので、今度はスポット的にプライマーを塗布します。

harley25 リベットのように突起した個所はペーパーが当たり過ぎて素地が露出してしまいますが、かといって中途半端な研ぎでは仕上がりが悪くなるので、研ぎは普通通りにしっかり行い、露出した箇所は後からプライマーを塗れば大丈夫です。

harley24 ベースコートの黒を塗り、クリアーを塗って本塗り完了です。

harley23 こちらは塗り肌で、必要であればこの後磨き処理も行います(お任せコースでは基本的に磨き処理は行いません)。

harley28 その後60℃40分程の熱を掛けて塗膜を完全硬化させ、さらに数日寝かして完成となります。

harley30 そして完成です。

harley29 harley31こちらのスチール製のフェンダーを再塗装の際はサンドブラストがセットとなり、また錆の再発防止の為に、下塗りについては耐食性の高い浸透型エポキシプライマーを使っての「重防錆仕様」が基本となります。この場合下地処理費は塗装費以上となり、掛かる費用はどうしても高くなってしまいます。どうかご理解下さいませ。