MAZDA MX-5 Engine Cover

マツダNBロードスターのヘッドカバーです。

こちらのオーナー様からは以前にも同型のヘッドカバーをご依頼頂いていましたが、今回はその時とは違う色と、また凹み文字を凸文字にする加工を承りました。

 上段の「DOHC 16-VALVE」については凹み文字を埋めてフラットにし、下段の「MAZDA」の部分を凸文字に改造します。

 数日間アルカリ洗浄液に浸け置きして全体の油分を除去し、サンドブラストを掛けます。

 アルミ表面にあった腐食を取り除きました。

 リン酸処理を行い、凹み文字の周りを削って一段低くしておきます。

 まずは軽量エポキシパテを使って凹みを埋めます。

主剤にポリメタクリル酸メチルを使い、密着性と超軽量を両立させたパテです。とても高く、硬化後は研ぎ難いので余り多用はされません。

 塗布後、完全硬化したら粗研ぎをし、

続けてエポキシ接着剤で巣穴を埋めます。こちらは3Mのパネルボンドですね。

そしてここからは凸文字の作成です。

凹み文字を石刷りの方法でトレースした物を、

 スキャナーで読み込んでIllustratorなるソフトでベクトルデータを作製し、

 レーザー加工機でMDF板をカットします。

 それを組み合わせて鋳造用の型を作製し、

 離型剤を塗って、

金属を加熱して溶かした物を、

 型に流し込みます。

 綺麗に出来ているように見えますが、仕事で使うとなるとちょっとした巣も気になる為、

何度も試行錯誤し、巣が出来易い箇所に湯道を作る事でそれも解消しました。

そして今度は出来上がった金属の塊を、

 クロスバイスとボール盤を使って簡易的なフライス加工のようにして表面を削ります。

裏表共に平滑に削り出しました。

 取り付ける箇所は曲面になっているので文字を研磨して形を合わせ、

 高強度に接着出来るエポキシ接着剤を使い、

 指定の位置に貼り付けます。食み出した余分はカッターの刃で削り落とします。

さらに指定の高さになるよう表面を削り落とします。

 そしていよいよ本塗りです。

 まずはプライマーを塗布し、

 色を作製します。

今回は日産風のドス黒い赤をベースにパウダーパールを入れてアクセントを加えます。

 結晶塗装用の塗料を塗布し、

 140℃程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。

元々文字が凹んでいたとは判らないと思います。

 最後に凸文字部を面研して光らせたら完成です。

 しつこいですが、まさかこの凸文字が手作りだとは誰も判らないと思います。

 継ぎ目も隙間無く、またチヂレ目も綺麗にに並んでいると思います。

 さらにこの時はPRO_Fitオリジナルカーボンエンブレムを無料配布していて、そちらの装着も承りました。

 完成納品後、オーナー様から装着した画像も頂きました。

言われなければパールが入っているとは判りませんが、微妙な色変化が普通の赤とは違って面白いと思います。

ホンダNワゴンテールランプ塗装承ってます

先日到着しておりましたホンダNワゴン純正テールランプです。この度のご依頼、誠に有難う御座います!

 ご依頼内容は

・上部ウィンカー箇所をオレンジキャンディー塗装

・下部をレッドキャンディー塗装

・下部バックランプ部をクリアー抜き

・最後に全体に薄くスモークを

・クリスタルクリアー

となります。

以前同型製品の施工例がありますのでそちらを紹介させて頂きますね。

こちらは以前施工した仕様で、今回はさらにこのウィンカー部レンズをオレンジにすると言う仕様となります。

 バックランプ部分のマスキングは前回の施工時に型のデータを作成していて、今回のように「前回と同じような感じで」と言う内容であれば【お任せコース】で対応が可能です。

 テールランプ上部がウィンカーになっていて、今回はここの部分がオレンジ&スモークになります。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きますね。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!

インプレッサWRXグリルモール塗装 完成

 大変お待たせしました!インプレッサ STI WRXの純正フロントグリルモール塗装、本日完成となります。

最初の状態も紹介致しますね。

今回塗ったのは黒いセンターモール部分ですが、周りも以前当店で塗らせて頂いた物です。

その前の状態も紹介しますね。まるでgoogle mapのタイムマシン機能のようです(笑)。

元々はこのようにかなり地味でした(今見てビックリしました…)。

色は少し特殊で、最初に塗っているカラーベース(下色)はマツダ純正色の「ソウルレッドプレミアムメタリック」で、その上に重ねている塗色は当店でいつもテールランプに塗っているキャンディーレッドです。

なので「ソウルレッドプレミアムメタリック風」と勝手に呼んでいます。

実際のソウルレッドプレミアムメタリックを塗ったことは無いのですが、街で見かける現車よりはかなり派手なのでは…と思う次第です。

 ちなみに前回はほぼ室内照明での撮影だったので今回は全て自然光での撮影としました。前回の完成時の記事はこちらからどうぞ。

 どれも鮮やかに見えますが実物はもっと凄いです。

ちなみに今回はグリル本体の方は塗っていませんが、奇跡的に色が合いました。

カラーベースは同じ配合データで、その上に塗っているキャンディーカラーも当然同じ塗料なのですが、キャンディー塗装は塗料中の含有量と塗り方で色味が変わるので多少なりの色ブレが起こる事はオーナー様にもご了承頂いていました。

勿論本塗り時には見本となるフロントグリルを並べて見ましたが、キャンディーカラーはそういうレベルで同じ色になる物では無いのです。なので偶然と思って下さいませ(次回やってもこうはならないのでは…と言う伏線でもある訳ですが)。

外しておいたグリルバッジはアクリルとメッキを磨いておきましたのでこちらも艶具合が全然違うと思います。

バッジ表面にはかなり飛び石傷が見られますが、グリル本体の方はそこまで酷くは無かったのでこれもクリスタルクリアーの恩恵なのでは…と思っています(耐擦り傷性のクリアーは硬い固いのではなく柔らかいのです)。

それでは後程完成のお知らせメールを差し上げますね。この度もご贔屓頂き有難う御座いました!

F50ブレンボキャリパー ロゴ準備

先日から作業をしておりますフェラーリF50ブレンボ用のロゴデータです。

オーナー様のご希望としては、

・「Ferrari」ロゴ(黒)・・・中央凸部に塗れるサイズいっぱいに(上下0.5~1mm空けるくらい)

・brembo brake system」ロゴ(赤)・・・Ferrariロゴより1~2文字分出るくらい
(横幅はセンターの「Ferrari」ロゴをベースに、中央凸部の下側に配置)

と伺っていますので、それらを基準にして幾つかサイズを変えて印刷します。

プリントしたロゴを実際にキャリパーに貼ってみました。

Ferrariのロゴはもう少し大きく出来たのですが、これ以上大きくすると下の文字が入らなくなってしまう為、この辺が限界だと思います。下の文字の上辺は「谷のプレスライン」ギリギリの位置となっています。

実は先にこの小さい文字が入る場所の高さを測っていて、いざPCでデータを作っていると「ここにこの文字は到底収まらないんじゃ・・・」と思っていたのですが、何と幸運な事に「y」の下の部分が丁度出っ張った部分に収まりました。これはもはや奇跡です。

下から見ると小さい文字はアールに差し掛かっているのですが、これはもう仕方ないと思います。平面だけに収めるとなると今の文字の半分以下のサイズにしなければならなく、もはや違うデザインになってしまいますので…。

ただ言われなければ判らないレベルで、私的にはこのサイズが丁度良い塩梅と思われます。

どうぞご確認の程宜しくお願い致します!

ロータスエキシージヘッドカバー 作業前準備

 ロータスエキシージV6エンジンのヘッドカバーです。新品だったのですが全体にオイルが塗られていたのでアルカリ洗浄液で浸け置き洗浄を行いました。塗装の作業をする上で油が付いていると何も出来ないのでこれで一安心です。

 今回は結晶塗装では無く「艶々」の塗装になる為、予めマスキング用の型を作成しておく事にしました。以前同じような梨地のヘッドカバーを艶々のMカラーに塗装したBMW EVOの部品と同じような感じですかね。

 各部を採寸してデータを作成し、

 レーザー加工機で6mm厚のMDF板をカットします。

ボルトで固定すれば動きません。

 同じような個所も、

 こんな感じで塞げます。ちなみに中に粉などが入っても特段問題はありません。既に一度洗浄していますが、本塗りの前にはさらにもう一度洗い直す予定です。

 途中工程ではサフェーサーや下塗り(恐らく黒)も行う為、その都度マスキングテープでネチネチと貼るよりもこの方が早くて確実綺麗に出来ます。

その他マスキングする部分のシートも作成しておきました。多分同じマスキング個所でも3~4回は貼り直す事になるので、先にデータを作っておけば後からの増産も簡単です。

この後はいよいよ素地調整となるのですが、一部ネジ穴を埋める個所に使うイモネジが錆びた物しかなかった為現在新たに取り寄せています。そちらが入荷次第凸部の研磨も開始しますのでどうぞもう少々お待ちくださいませ!