レンズ関連透過性塗装 下準備

テールランプ等レンズ関連も作業着手しておりますのでどうぞご安心下さいませ。

マスキングの前には泥汚れを清掃しておきます。一部のテールランプは裏側に隙間があって水が入ってしまうような物もありますが(特にBMW系は…)、ロードスターのテールランプは密閉型なので水洗いが可能です(と言ってもドレン口があるので気を遣いながら行います)。

ZX-14Rのウィンカーレンズはフロント側は先ほどの車用テールランプと同様に密閉タイプとなっていますが、リヤ側はレンズ単体なので裏側にマスキングを行う必要があります。

ただここを普通にマスキングしてしまうと光が通らなく、またマスキングテープの色(黄色)が影響して塗装中の色味(濃さ)が判らなくなってしまう為、こういった場合は透明ビニールを使うか、今回のように反射フィルムを貼って反射板のようにしておきます。

ちなみに使っている反射フィルムは赤外線ヒーターなどの熱を反射させる為の物で(3M熱反射マスキングフィルム 6808)、アルミホイルと違ってソフトなので塗装面やレンズに直接貼っても安心です。普通はしませんが、ドラミラーやヘッドライト、テールランプなどを着けたままボディパネルを塗装した際、赤外線ヒーターでプラスチックが熱で変形するのを防げます。

ポルシェのテールランプは社外品の為、レンズにはランナーから切り離した個所のバリ(と言うか欠け)が酷い為、先に均しておきます。

当て板とペーパーを使い、#120→#180→#240→#320→#400で空研ぎをします。

こんな感じで均しておき、続けて全体の足付け処理を行います。

予定としては今週中に本塗りを行い、GW中に磨いて寝かし、連休明けに完成出来ればと考えております。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

MAZDA MX-5 Engine Cover

マツダNBロードスターのヘッドカバーです。

こちらのオーナー様からは以前にも同型のヘッドカバーをご依頼頂いていましたが、今回はその時とは違う色と、また凹み文字を凸文字にする加工を承りました。

 上段の「DOHC 16-VALVE」については凹み文字を埋めてフラットにし、下段の「MAZDA」の部分を凸文字に改造します。

 数日間アルカリ洗浄液に浸け置きして全体の油分を除去し、サンドブラストを掛けます。

 アルミ表面にあった腐食を取り除きました。

 リン酸処理を行い、凹み文字の周りを削って一段低くしておきます。

 まずは軽量エポキシパテを使って凹みを埋めます。

主剤にポリメタクリル酸メチルを使い、密着性と超軽量を両立させたパテです。とても高く、硬化後は研ぎ難いので余り多用はされません。

 塗布後、完全硬化したら粗研ぎをし、

続けてエポキシ接着剤で巣穴を埋めます。こちらは3Mのパネルボンドですね。

そしてここからは凸文字の作成です。

凹み文字を石刷りの方法でトレースした物を、

 スキャナーで読み込んでIllustratorなるソフトでベクトルデータを作製し、

 レーザー加工機でMDF板をカットします。

 それを組み合わせて鋳造用の型を作製し、

 離型剤を塗って、

金属を加熱して溶かした物を、

 型に流し込みます。

 綺麗に出来ているように見えますが、仕事で使うとなるとちょっとした巣も気になる為、

何度も試行錯誤し、巣が出来易い箇所に湯道を作る事でそれも解消しました。

そして今度は出来上がった金属の塊を、

 クロスバイスとボール盤を使って簡易的なフライス加工のようにして表面を削ります。

裏表共に平滑に削り出しました。

 取り付ける箇所は曲面になっているので文字を研磨して形を合わせ、

 高強度に接着出来るエポキシ接着剤を使い、

 指定の位置に貼り付けます。食み出した余分はカッターの刃で削り落とします。

さらに指定の高さになるよう表面を削り落とします。

 そしていよいよ本塗りです。

 まずはプライマーを塗布し、

 色を作製します。

今回は日産風のドス黒い赤をベースにパウダーパールを入れてアクセントを加えます。

 結晶塗装用の塗料を塗布し、

 140℃程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。

元々文字が凹んでいたとは判らないと思います。

 最後に凸文字部を面研して光らせたら完成です。

 しつこいですが、まさかこの凸文字が手作りだとは誰も判らないと思います。

 継ぎ目も隙間無く、またチヂレ目も綺麗にに並んでいると思います。

 さらにこの時はPRO_Fitオリジナルカーボンエンブレムを無料配布していて、そちらの装着も承りました。

 完成納品後、オーナー様から装着した画像も頂きました。

言われなければパールが入っているとは判りませんが、微妙な色変化が普通の赤とは違って面白いと思います。