NDロードスターヘッドカバー 本塗り

先日お預りしておりましたマツダNDロードスターのヘッドカバーです。

既存のヘッドカバーと違う点としては、表面に何か嫌な感じのクリアーがコーティングされている事で(塗料を弾きます)、そのまま上塗りをすると恐らく塗料の密着性が悪くなりますから、まずはシンナーを使ってそれを取り除きます。ゴムが着いているので浸けるような事はせず、スプレーで洗い流しては拭き取る、といった作業となります。

 その後リン酸処理を行うと、上の画像のようにひどく劣化したような姿になりますが、こうならないと塗料(プライマー)は密着しませんので、塗装を行うのであればむしろこうする事が必用です(もしくはサンドブラスト処理でもOKです)。アルマイト仕上げされたアルミ素地と同じく、塗装は下地が綺麗なまま塗っても剥がれてしまいます。

 プラグホールはマスキングでも良かったのですが、他にも塗る物があったので、まずは一旦全体にプライマーを塗ってしまい、

 膜厚をつけたくない(結晶塗装をしたくない)プラグホール回りを艶消し黒で塗ります。こちらは普通のSTANDOXのベースコートです。

 その後プラグホール部をマスキングし、全体に結晶塗装の赤を塗装し、140℃程の熱を30分くらい掛けると、画像の様に結晶目が現れます。そのまま冷えるとマスキングテープが非常に剥がし難い為、温かい内に剥がしています。

 この後は他の物と一緒に、次は恒温器(乾燥炉)でもう一度140℃30程の熱を掛けて焼き付けます。

今回のヘッドカバーは凸文字が無いのでこの後の研磨作業は必要なく、オイルキャップが付く周りだけペーパーを掛けてガタガタなのを綺麗に仕上げておくようにします。

それでは完成次第改めて紹介をさせて頂きますね。どうぞもう少々お待ち下さいませ!

ホンダカブヘッドカバー結晶塗装 本塗り

先日お預りしておりましたホンダクロスカブ用ヘッドカバーです。

シンナーで洗浄後、リン酸処理を行い、裏側とボルト固定部をマスキングしました。

まずは全体にプライマーを塗り、

 続けて派手なイエローの結晶塗装用の塗料を塗布します。4輪車のヘッドカバーに比べるとサイズが小さいので結晶目が荒くならないよう控えめに塗っています。

 その後140℃30分程の熱を掛けるとチヂレ目が発生してきます。

結晶塗装の場合は規定だと120℃20分くらいの焼き付けで良いのですが、それだとどうしてもグニグニ感が残ってしまうので、当店の場合は140℃で40分くらいか、または140℃×30分を二回行うような感じにしています。ただし一個だけでこれをしようとするとコスト(と環境負荷)が掛かり過ぎてしまう為、ある程度の数が纏まってから一度に施工するようにしています(ちなみに今回は13個を纏めて塗っています)。

この後はまとめて恒温器(乾燥炉)でもう一度140℃30分程の熱を掛け、後日「HONDA」の凸文字部を研磨して光らせ、最後にクリアーを筆で塗ってもう一度熱を掛けます(その時は60℃40分程となります)。

それでは完成次第改めて紹介をさせて頂きますね。どうぞもう少々お待ち下さいませ!