ホンダジェイド内装パーツ9点 素地調整

 先日お預りしておりましたホンダジェイドの内装パーツ9点です。

 裏側に白いクリップが付いていて、普段ならマスキングで行いますが、今回は大分派手な作業になりそうなので、

 外しておく事にしました。返しがあるのでそのままだと外せませんが、ピックツールを使って爪を起こしてあげると外せます(製品によって割れる恐れがある場合にはマスキングで行います)。

 ドアのインナーパネルはシルバーのモールを外すのが難しいのでマスキングで対応する事にしました。傷が付かないようマスキングテープを貼った上にガムテープを重ねます(直接ガムテープを貼ると糊が残るのでNGです)。

 ある程度まではダブルアクションサンダーを使い、

 モールの際は手研ぎで行います。

 ただある程度作業を進めていると「ちょっと待ってこれはかなり厳しいかも・・・」と言う事に(今更)気付き、

 改めてオーナー様に確認し、モールを外す事をご理解頂く事にしました。固定個所が多いのでリスクが高いかと思いましたが外した方が間違いがありません。

樹脂同士が溶け込んでいる訳では無く「カシメ」のようになっているだけなので、頭の部分をベルトサンダーで削り、

マイナスドライバーで抉るようにして押し込むとポリっと取れてくれます。

 こんな感じでパネル1枚につきおよそ10カ所程を削ってモールを外しました。

無事4枚とも外して一安心です。

 外したモールは工場二階の安全な場所に保管しておきます。

 その後は全体の木目柄を削り落とし、ペーパーを当てない個所(モールが付いていた個所等)は#320相当の布状研磨副資材(アシレックススカイ)で足付け処理を行っておきます。何にしてもサフェが掛かる箇所は足付けが必須です。

そしてこちらは梨地のエアコン吹き出し口パネルです。先ほどの木目パネルはABS樹脂でしたが、こちらはPP樹脂となります。

ダイヤル部にあるマークは凹み状になっている為、ここはパテで埋めてデカールで再現します。ロゴデータは先日作っておきました。

 パテで埋めると言ってもマークをそのまま残す訳では無く、まずベルトサンダーで完全にロゴが無くなるまで根本まで掘り込み、その後ダブルアクションサンダーと手研ぎで足付け&均します。

 よく脱脂清掃したらガスプライマーで火炎処理を行い、プラスチックプライマーを塗布してからパテを塗ります。このパテはプライマーを塗らなくてもOKな製品なのですが(PPでも!)、10年後もとなると信用出来ないのでやれる事はしっかりやっておきます。

 その後熱を掛けてパテを硬化させ、掘り込んだ部分を平滑に削ります。番手は#120→#180→#240となります。

 続けて全体の足付け処理を行います。PP樹脂は塗料の密着が悪いのでウォッシュコンパウンドを使って細部までしっかりと足付けします。

裏側にも塗料を飛ばすのでこちらもしっかり行っておきます。

この後良く脱脂清掃したらサフェーサーの塗装となります。どうぞもう少々お待ち下さいませ!